「妊娠は難しいかもしれませんね。」


「・・・え!?」






不妊


私には関係のないことだと思っていました。


子供のころから健康そのもので、大きな病気などしたこともなく、
風邪だって人生で数えるくらいしか引いたことがなかった私。

体のことで悩むなんて、きっと90歳くらいのおばあちゃんになるまで
ないと思っていました。





私が結婚したのは38歳のときです。

既に30代後半だったのですが、
体の丈夫さには自身があったので、
子供を生むことに不安は全くありませんでした。


旦那も私も子供が大好きなので子作りには前向きでした。

旦那と私と子供。
幸せな家庭を想像してはニヤニヤしていました。


しかし結婚して1年余り経っても妊娠せず、
あと1ヶ月で30歳という時になって、
ためしに病院に行っとこうかという軽い気持ちで産婦人科を訪れました。


そこでまさかの宣告。




絶望とはまさにあのことでした。


しばらく、何にもする気になれませんでした。

ご飯を作る気も。

掃除をする気も。

選択をする気も。

外に出かける気も。

本当になんにも。


旦那も、両親も、旦那の両親も、みんな優しい言葉をかけてくれました。

でも、心のなかでは残念がっているのが伝わってきます。


自分の夢が逃げていった寂しさと、
まわりのみんなへの申し訳なさでいっぱいでした。



このときは、先のことなんてなんにも考えられませんでした。