ナポレオンの足跡を追ったフランスの旅に、日本とフランスの歴史を重ねた著者一流の知識に裏付けられたエッセイ。幕末に最もナポレオンに私淑していたのは、榎本武揚。セントヘレナ島まで行った。コルシカのヴェンデッタは、七親等までおよび復讐の習慣。法律や国家が当てにならない中で殺人を避ける知恵。日本の敵討ちが奨励されたのも同様とか。


まだ読みかけだが、著者の教養がほとばしる。

政治の回顧録はまだ書かないが、音楽についてはバイオリンやオペラなどのクラシックから、エルビス、カラオケまで語り明かしている。バイオリン協奏曲から始まった自分の音楽との出会いをもとに、実感にもとづいたコメント。批評家の文章より参考になる。オペラ初心者へのおすすめは、椿姫、イル・トロバトーレ、アンドレア・シェニエ、トゥーランドット。特に、ジョルダーノのアンドレア・シェニエは、お気に入りで何度も出てくる。マリオ・デル・モナコのDVDが見たくなる。他には、オペラではドン・カルロ(愛の前では権力はむなしい)、トリスタンとイゾルデ(大人の愛)、ローエングリン(聞かぬが花)、バイオリンではバッハとヴィターリのシャコンヌ(荘厳と情熱)、歌舞伎では勧進帳(主君をかばううそ)、ミュージカルではラマンチャの男の見果てぬ夢(精神の気高さ)、映画音楽はモリコーネのワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ。


また、小泉節にはさまる池田卓夫氏の冷静な注がいい。

日本語ではオバマの自伝とされているが、コロンビア大学を出て、黒人社会のオーガナイザーを志し、限界を感じてハーバード大学に入る決心をし、父の故郷ケニアを訪ねた経験で終わる。その後の政治家に至るまではまだまだ長い。生い立ちに興味がある人にはいい。ハワイとインドネシアで育ち、本土にきたのは、ロスアンゼルスのカレッジから。この本のテーマがそうなのだろうが、とにかく人種意識が強い。

昭和初期のスポーツと国家のかかわりを取り上げた本。スポーツの管轄が文部省か内務省かでもめ、内務省もはじめは大蔵省の協力で主導したが、文部省がもりかえし、今日に至った。各競技の団体としては、体操・柔道が国家に協力的で、他は距離感があるか反発した。


ベルリンオリンピックでは、日本選手の活躍もあいまって、日本国民は大いに盛り上がり、西条八十などの作家もこれを支持したが、永井荷風は冷静にこれを批評した。

東京藝大の創始者である伊沢修二の評伝。日本に西洋音楽を導入した伊沢は、文部省の官僚として唱歌が日本人と言う国民の意識を形成するとともに、発音を標準化することにも役立つと考えた。アメリカではあのグラハム・ベルからも知見を得た。藝大を引いてからは、貴族院議員になったり、台湾に渡って音楽教育にたずさわったり、日本に戻って○○に従事した。
松岡正剛の歴史本を2冊読んだ。特に、大人向けの「世界と日本のまちがい」がよかった。速読を許さないほど密度が濃く、しかも、イギリスのまちがい→アメリカのまちがい→日本のまちがい、が、市場原理主義・自由主義・個人主義を軸に進んでいることを徳川家康および同時代の世界史から説き起こして説得力がある。
裁判員制度では量刑まで決めなければならず、これはプロの裁判官でない一般人には無理である。陪審制であれば、有罪・無罪だけを決めればよく、量刑は裁判員に任せることができる。特に、殺人・強盗といった重大事件で死刑・無期懲役といった重い刑罰の判断を迫られるのは負担であり、陪審制のほうがよいと思われる。司法への批判が多い中、導入を急いだのかもしれないが、国民を関与させたというかたちをつくるだけであれば、陪審制で十分だったのではないか。
まあ、何はともあれやってみよう、ということではじめてみました。どんな展開になるやら予想もつきませんが。。