日経夕刊に連載された、文化の各ジャンルへのガイド。各々短いが第一人者がガイドしており、参考になる。
《絵画》(赤瀬川原平)
ゴッホは、空気や情景の勢いをありありと描いた。ただし、「星月夜」はやりすぎ。精神の不安定の表れか。
伊藤若沖(にすいに中)は、図鑑や魚屋のリアリズム。自然にはあるはずのない配置でも、ひとつひとつの物への好奇心が伝わってくる。
《文学》(高橋源一郎)
舞城王太郎は、太宰治。女子高生の日本語を取り込んでいる。
《歌舞伎》(渡部保)
歌舞伎鑑賞の秘訣。物語・人間・役者の体を楽しむ。同じ物語で役者を見比べる。歌詞を良く知る。振りから振りへのつなぎ目を見る。
忠臣蔵の大星由良助=中村吉右衛門。本朝二十四孝の八重垣姫=中村雀右衛門。助六=市川団十郎。
《写真》(飯沢耕太郎)
木村伊兵衛=スナップの名手。
土門拳=一点集中型。
《俳句》(小林恭二)
もともとエリートの余技であり閑人の手遊び。山口誓子は、財閥会社員、西東三鬼は退屈しのぎ。
三鬼:中年や遠くみのれる夜の桃
《ロック》(渋谷陽平)
ブルース・スプリングスティーン。アメリカン・スキンやデビルズ・アンド・ダストで社会や政治への怒りのメッセージを歌うがアルバムをそれで埋め尽くすわけではない。
《落語》(立川団志楼)
落語から歌舞伎へネタを提供したのは、三遊亭円朝。
二つ目になった時点で落語家は、他の師匠のもとへ通い、血を混ぜる。その中で自分の芸をつくりあげる。
師匠や先輩にお世話になっても直接お礼を返すことは禁じられている。後輩に教える。
《建築》(藤森照信)
東京駅:辰野金吾。クラシックとゴシックを混ぜる。
三仏寺投入堂:鳥取県。役行者。山に取り付くような懸崖造。