ゲーテは教養とは自分になることとしている。読者が「自分になる」ために福田和也が日本の近代史を西洋史・東洋史と比較して解説。
鉄砲部隊の一斉射撃戦法は、織田信長のほうがクロムウェルより70年早かった。
本居宣長の「古事記伝」とニーチェの「悲劇の誕生」は共通。ニーチェがギリシャを発見したように、宣長は日本を発見した。
日本には科挙がないから多様な学問が発展した。関孝和の和算、新井白石の史学、貝原益軒の本草学、富永仲基の儒学。江戸時代の庶民の知的レベルは高かった。
皇室の西洋化を進める伊藤博文は、侍従の藤波言忠(ことただ)をドイツに派遣し国家学を学ばせ、天皇に進講させた。
日本の韓国支配は、近代化という青春を奪った。親の遺産を奪っておいて保護者面したようなもの。
岡倉天心は、欧米で日本の美術品を輸出することがミッションだった。
文明史的比較は松岡正剛の本と共通するが、福田和也の本は文芸批評家としての薀蓄が混じる。