今の中学入試は毎日いろんな学校のテストを受けて翌日から次々と合格発表があるので発表の瞬間を受験生自身が見に行く余裕がありません。息子が自分で確認したのも前受け校の発表を塾で友達とスマホで確認しあった時だけ。
それもちょっとどうなん?
みんな受かってたからよかったものの誰か落ちてたらどうするつもりやったん?
灘の発表も体育館前で並んでいたのはほとんどが父親。母親は子どもの受験の方に付き合っていたところが多かったと思います。行列の中にはおじいさんやおばあさんの姿も。
それと黄色や青のいつものコートを脱いだ私服の先生方。
受験生の姿は数えるほど。
おそらく、関西圏外からの受験生で試験後もう一泊して合格発表を見にきたのでしょう。
ですから、発表の瞬間を伝えるテレビニュースに映っているのは受かっても入学しない遠方の子が多いのかなと。
それ以外の多くの受験生は、その日の試験が終わった時に母親から合否を伝えられます。
言い換えれば、母親には試験を終えたばかりの子どもに合否を告げる使命が負わされます。
合否の悲喜交々は、発表会場の体育館よりも寧ろ、東大寺や洛南の出口で人目をはばかりながら静かに…
そして、合格した親子だけが学校に向かいます。
朝の熱気の冷めた静かな午後の体育館に、ポツリポツリと合格した受験生がやってきては、自分の番号を確認し、写真撮影したり待機している塾の先生方にお礼を言ったりしては帰って行きます。
その中で、不合格で泣いている受験生がいました。
(結果を知らずにきたのかな…)
その子の肩を抱いて、よく通る声で言葉をかけていたのは、希学園の塾長さんでした。
この試験で不合格だからといって君の価値がかわるわけではない。自信を持って。というようなことをおっしゃってたと思います。
少人数の塾なので受験生全員に発表を自分の目で確認するように指導されて、一人一人に声をかけているのかも知れません。
「動」の希学園塾長に対して、我が浜学園塾長は静かに発表ボードの側に立っていました。
黄色のコートも幟もトレードマークの緑のハチマキもなく静かに直立不動で
ですから最初は気づかず、ふと横をみるとすぐそばに塾長さんがいてびっくりしてお礼を言いました。
「ありがとうございました!」
「おめでとうございます。」
興奮気味のこちらに対して飽くまで静かに話されていました。合格者よりも不合格になってこの場に来られなかった生徒さんに思いを馳せているようにもみえました。
そういえば、塾のイメージとは裏腹に塾長の訓話はいつも静かに生徒に話かけるような感じでした。
「絶対合格するぞー」の掛け声と
塾長の静かな訓話
保護者による花道
何度も繰り返されたルーチンは、子どもたちが平常心で本番に臨めるようにするためのものだったのでしょう。
最初は笑ってすいませんでした。