紫陽花の咲く頃 -110ページ目

母と面会 たったの15分


 母が入所して1か月。そして、私は初面会日。

持ってきた写真と編み棒、そしてハンドクリームを先に職員さんに渡しておいた。

玄関フロアの所にビニールのカーテン、と言うより、ビニールハウスの様な中に私が入り、職員さんが、入り口をファスナーで閉めた。しばらく、母の来るのを椅子に座って待った。

相変わらず元気な母だったけれど、話すと、このビニールと、マスクで、聞こえづらいらしく少し耳の遠い母は、私の話を何回も聞き直した。


母)何か持ってきてもらおうと思ってたけど、何だったかな?書いておかないと忘れちゃうわ。又、思い出したら、言うね。


これ、何回言ったかな?

同じ話を何回もする頻度も以前より多いのも気になる。

写真を持ってきてと言った事も忘れていたし。物忘れが以前より酷いかも。

何枚か持って来た幼い頃の息子達のツーショットを眺めては目を細めた。可愛かったねー、って。

又もっと写真を持ってきてと言われた。

編み物は、時間があるのでやろうと思うと、これも何度も話した。

確かに、山ほど、毛糸があったよ。


母) 個室だし、ご飯の時も少し他の人と離れて食べているから、気が楽だよ。寒い内はここにいるけれど、暖かくなれば家に帰るしね。お正月も帰れると思うから。心配しないで!


私)コロナが又増えているから、無理かもしれないからね。


そう言うのがやっとだった。お正月に帰れないとは言えなかった。って事は年末年始、私が実家へ行く事もないんだな、ってぐーっと寂しさが溢れた。


時間になると職員さんが現れて、母を連れて部屋へと戻って行った。寂しさをごまかすために思いっきり、笑顔で両手で手を振った。又来るね!って。

背中を丸めて下向きにゆっくり歩く母。

後ろ姿を見送るのって、寂しいな。

そして、私は、ビニールの中に1人取り残された。

そうか、帰りは自分で出るのか。😭

 もう、辺りは薄暗くなって、とても寒かった。そして凹んだ車に乗って家路に着いた。


母の初面会日なのに凹んだ出来事

 今日は母の面会日。その前に実家へ行き、母が持ってきて欲しいと言っている、編み棒を探しに行ってきた。

とそこまでにしておけばよかったのに、父と母で買ってあるお墓を見に行こうと思い、近くの場所まで車で向かった。が、一度行っただけなので、迷ってしまい、道が行き止まりの場所へ行ってしまい、とりあえず、一台入れる横道に入り、バック。

ガガガガーッ。角にコンクリートがあったのを気が付かず

やっちゃった!音からいって、ひどそうだよ。😭


確かにひどかった。

横のドア下が凹んでしまってて、ガクッと気持ちも凹んでしまった。


落ち着こうと、実家に行き、寒い部屋でホットコーヒーを飲んだ。どうしよう。修理に出すにしても、お金かかるな。主人に怒られるな。色々、頭の中をよぎった。

そんな事より、編み棒…

久しぶりに母の裁縫部屋に入ると、物が散乱していて、気持ちがもっと凹んだ。

探し物の編み棒セットは、山と積まれた布の中から見つかった。なぜにして、こんなに物が溢れいるの??

片付けのしようがないほどの物が散乱していた。

面会の時間が近づいてきたので、息子達の写真と、編み棒を持って母の施設へ向かった。 母に会うのは1か月ぶりだ。



空を見るのが好き




日の出の空



朝の空



午後の空。


その日、その時間、場所、どれをとっても違う空。




夕方の空。

窓から眺める空も好き。

ぼーっとし過ぎ。😅