「腐考の至り」リセット おもろいオッサンたち 54
代書屋の健ちゃん
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今から30年近く前の事、
私が今の仕事に戻る前に
スナックを経営していたのは何度も書いた。
当時、
その私の店の客に
健ちゃんという若者がいた。
毎日のように店に顔を出し、
ビールを一本だけ飲んで
大人しく帰っていた。
彼が小学生の頃に
父親が事業の失敗から首を縊り、
母親は心労が重なり
彼が中学生の時に病死をしたらしい。
もともとは隣県で育ったのだが、
身寄りが無くなり
母方の伯母の家に引き取られたのだ。
その家が土建業を営んでいたので
家業を手伝いながら
定時制高校を卒業していた。
私の店に通っていた頃には
伯母の家を出て一人でアパート住まいをして、
市内の司法書士事務所に勤めていたのだ。
通信制の大学生で、
昔よくいた苦学生だ。
当然生活も苦しく、
私の自宅から夕食の一品を
店に持ってきて食べさせたり、
インスタントラーメンを作ってやったりと
面倒を見ずにはおれなかった。
彼も10才ほど離れた私を
兄のように慕ってくれていた。
だが彼にはひとつだけ
気がかりな事があった。
毎日ビール一本と書いたが、
給料日とか知り合いに出会った日には少々、
酒を飲む量が多いときがあった。
が、彼は酒にはあまり強くない、
飲むほどに、
酔うほどにいつも同じパターン・・・
「マスター!
俺なぁ、
部屋いっぱいにエロ写真や
女のパンツをパァーっと!
広げて寝るのが好きなんや!
マスター一度見せてあげようか?」
「そんなん見せていらんワイ!
そやけどお前なァ、
エロ写真は分かるけど、
何で女のパンツがそんなにあるんや?」
「ン・ンん・・それはないしょ!」
この好青年、
唯一つの問題点は性癖にあった、
パンツ泥棒も?
昨年に留置場で知り合った、
お花畑の男
http://ameblo.jp/hiroki5251/day-20071219.html
とダブって留置場の中で
健ちゃんを想いだしていた。
スナックを閉め今の理容業に戻ってからは
彼の消息は知れなかった、
風の便りでは
通信制の大学を卒業後は
大阪のほうに行ったという。
問題を起こしていなければ良いがと
案じてもいた。
それがお盆のキャンプから帰った翌日、
市内のホームセンターで
バッタリと彼と出会った。
20数年ぶりの再会だったが
面影は変わらず身なりもキチンとしていた。
「マスター!
お久しぶりです。
伯母の家に墓参りに来ていたんです、
マスターの去年の事件は
伯母から聞きました、
大変でしたね。
もし債権等で困っていたら言って下さい、
今、ここに居ます。
私に出来ることがあれば
何でもしますので」
と云いながら
差し出された名刺を見ると、
大阪市内で司法書士事務所を
自分の名義で開いていた。
“親は無くとも子は育つ”・・・
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