「世襲戦隊カゾクマン」


赤坂レッドシアターにて東京公演

一心寺シアター倶楽にて大阪公演

浜北文化センターにて静岡公演


先日、無事に全公演終了致しました。


ご来場、そしてカゾクマンを応援してくださいました皆様、本当にありがとうございました。



稽古から考えると約2ヶ月。


たくさん勉強させて頂いた2ヶ月、


そしてこんなにたくさん笑ったことはない、というような2ヶ月でした。


色々と感じたことなどを、思い返しながら綴っていきたいと思います。


少し長いですがお付き合い頂ければ。




まず


何度目かの説明になりますが、今作は


2014年「世襲戦隊カゾクマン」

2017年「世襲戦隊カゾクマンII

2019年「世襲戦隊カゾクマンIII


の、3作同時再演と言いますか。


その中で、私は初参加。



稽古初日。


8年の歴史を持つ皆さんとの本読み。


本当に素晴らしいチームワークの中、

浮きまくる私。笑


焦りましたが、逆に言うと、


皆さんの関係性がしっかり構築されているおかげで、自分が埋めるべきポジションというか、役割というか。


そういったものを認識するのに、そんなに時間はかからなかったのかな、という収穫はありました。



稽古スタイルとしては、

「カゾクマン」を数日稽古。

「カゾクマンII」を数日稽古。

「カゾクマンIII」を数日稽古。

そしたらまた「カゾクマン」に戻る、という流れ。


それぞれを3周して、劇場入りというスケジュールでした。


1周目は、とにかくチャレンジ。

これはアリ、これはナシ、もっとこうして

そしてそれを確認。自分の中にストックしていく感じ。必死です。


振り落とされないか気が気じゃない中、次々とアイデアが出てくる皆様の芝居を見てゲラゲラ笑っているという不思議な状況。笑


そういう時って普通、笑えないんですよ。

そりゃ笑ってる場合じゃないですから。

だけど本当に毎日ゲラゲラ笑ってました。笑

だから、本当に面白かったんだなぁと、今これを書きながら改めて感じています。

やっぱりすごい、カゾクマン。



2周目の稽古を、勝負所と位置付けていました。

ここで何か出せなければかなりマズい。


結果もちろん全てが上手くいった訳ではありませんが、いくつか形になるものが出せたのかな、と。

自分なりのイーゲンの元となるものを。



ここだけの話


イーゲンは初演時、塚原大助さんが演じており、非常に参考にさせて頂きました。

ほとんど真似と言ってもいいかも知れません。



よく、再演でキャストが変わったりすると、


「自分のカラーを出して頑張ります!」とか


「初演とは違ったものを!」とか、言うじゃないですか。


実際、僕も稽古が始まる前の取材で、そんな風なことを言った記憶があります。笑


もちろん必要なことだと思います。



ですが今回に限っては、

僕は稽古の経過と共に、


「別に自分なりに、とか、いらないかなぁ」


と、思っていました。



というのも、

塚原さんのイーゲンが本当に素敵だったこと。

当然、世界観にハマっていること。

そして何より、その芝居が今まで僕がやったことがない類のもので、

むしろそれをそのまま出来れば、自分にとって財産になる、と感じたためです。

こっちの方がいいや、ってことです。


そしてそれにトライする日々は楽しかった。

例えば、イーゲンを構成する上でキーワードがいくつかあって。

「大きい」とか「鈍い」とか。

自分ならちょこまかしてしまいそうなところを、イーゲンに合わせてデザインしていく。

自分なりに、とは、ほぼ反対の作業ですよね。



ですが。

結果的に、自分なりのイーゲンになったと思います。


その理由は、

まず、完璧にトレースなんて出来ないということもありますが、


共演者の皆さんとの関係性の中で生まれたもの。

そして、作・演出の田村孝裕さんに導かれたところが大きかった気がします。


例えば目が大きいとか、笑

僕がちょっとこんな動きをしたとか。


日々の中の些細なことを、

田村さんが全て掬い上げて、

その人に合った役にしてしまう。

そしてその演出が悉く面白い


もう、本当に感動しました。


いつの間にか、「オリジナル」にしてもらっていた。そんな感覚です。



また、本番が近づくにつれ、

「ネタにしてはいけない」と田村さんはよく口にしていました。


真面目にやること。コメディの基本。


やはり笑わすためにやると、嘘がバレる。

最悪、白けます。


真面目にやったことが、たまたまある事象を起こし、笑いになる。


これの徹底。

成立することが大切で、極論、笑いは起きなくてもいい。


分かっていても、難しいんですよね。

フリというか、先の大きな笑いのための部分なのに、つい狙いに行ってしまったり。


なので、この言葉には本当に勇気をもらえました。

指針になった、というか。



芝居には色々な答えがあるし、

見方や感じ方は千差万別で。

感想などでも様々な意見を頂きます。

自分でも、もっとこうした方が良かったかな、あそこはアレが出来たな、なんて反省はしょっちゅうで。

もちろんイーゲンの表現方法も、無数にあったと思います。


ですが、

東京初日を終え、田村さんに本当に少しだけ質問させて頂きました。


「俺、大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

「(笑いに)寄せなくていいですよね?」

「今のままでいいです」


これだけで十分でした。

本当に安心して、イーゲンを歩むことが出来ました。

田村さん、ありがとうございました。




そしてそして、やはり共演者の皆様に触れない訳にはいかないのであります。



山口良一さん。

なんだろう、もう本当に憧れです。

どうしたらあんなに力が抜けるんだろう

山口さんのお芝居は何回見ても面白い。

そして普段のお話も全部面白い!

芝居から、佇まいから、本当に勉強させて頂きました。


熊谷真実さん。

太陽のような人!

普段からとても素敵ですが、舞台に立った時の輝きがとんでもなくて。

「スターってこういうことか」って本当に思いました。

顔が似てると皆に言われ僕はただ目がデカいだけです恐縮です!笑


芋洗坂係長こと小浦一優さん。

優しくて、かわいい。笑

そしてめっちゃ食べ物に詳しい

芋さんは、想像以上に芋さんでした。

歌やダンスは勿論のこと、発想がすごいんですよね。皆、何度吹き出したことか。笑

アクションの絡みもあり、嬉しかったです。


西山水木さん。

我らがミドラー様!

水木さんは誰よりも稽古して、その稽古も常に全力で。

水木さんを見ていると、少なくともイーゲンを演じる上で、

「もっとパワーを使ってやらなきゃ!」と、いつも力を頂きました。

普段の水木さんは、チャーミングを具現化したような人です。


岡田達也さん。

問答無用で一番お世話になり、かわいがって頂きました。

今回僕が「芝居をデザインする」ことをテーマに掲げたのは達也さんの影響であり、

明確に、この人のように芝居が出来たらいいなと思いました。

今、達也さんに出会えて本当に良かった。

男前は達也さんのための言葉です!


山口智恵さん。

智恵さんと僕は、カゾクマン1に出演していないので、客席から観劇出来るという特権がありました。笑

そこで話を聞いて頂いたり、優しく接してくださいました。

客席から誰より大きな拍手を送る智恵さん、芝居でも真摯な姿を見せ続けてくださいました。


曽世海司さん。

曽世さん、好きです。笑

本当にみんなのお兄ちゃん。

芋さんは普段から曽世さんのことを「お兄さん」と呼んでいるとか。笑

皆さんそうなんですが、そのまま役柄とリンクしているような。

色々と気にかけてくださり、本当にお世話になりました!


上田桃子さん。

めちゃくちゃ癒しでした、桃子さん。

序盤からコミュニケーションをたくさん取ってくださり、本当に助かりました。

アクションの絡みが多くありましたが、

毎日練習しよう!と約束し、毎日練習し、

勝手にすごい仲間意識がありました。笑


梨澤慧以子さん。

なっしー。桃子さんとともに、年が近いこともあり、仲良くしてくれました。

ムードメーカーで、ボケもツッコミも出来て、みんながめちゃくちゃ頼りにしてる、なっしー。

僕も色々話聞いてもらった気がしますありがとう、なっしー!



田中真弓さん、素敵な歌をありがとうございました。会えて嬉しかったです。



カゾクのようなスタッフの皆様、大変お世話になりました。



そして、僕をカゾクマンに呼んでくださった、愛情のかたまりのような有本プロデューサー、ありがとうございました。



そして、改めて、


コロナ禍の中、ご来場くださいました皆様、

応援してくださいました皆様、

拍手を、笑い声を、力を、

ありがとうございました。

皆様のおかげで、奇跡のような公演となりました。


カゾクマンに関わる全てに、感謝。



少しではないですね。

めちゃくちゃ長くなってしまいましたが。



最後に。



ありがとう、カゾクマン!


カゾクマンは永久に不滅です!!