そうですね、

「漆黒天」について裏話を少し。


映画・舞台と出演させて頂きましたが、本当に面白い作品だったと感じています。



私は玖良間士道という役をやらせて頂いたんですが、




舞台において実はもう一役やっていて。


メガネの門下生の彼ですね。




出番は一瞬だったのですが、

スタッフさんやキャストの皆に「あの役、好き!」と言って頂いたり、

観てくれた方の中には最後まで僕だと気づかなかった!という方も結構いらっしゃって。


沢山の反響を頂き、僕の中でも大きな役となりましたので、本筋とはほぼ関係ない彼の裏話を。笑



観てくださった方は分かるかと思うのですが


(一応、ほんの少しだけネタバレを含みますので、まだ観ていない方はお気をつけください。)




宇内陽之助(荒木宏文さん)の道場に二郎太(松田凌さん)と三郎太(長妻怜央さん)の兄弟がやってきて、弟子入りを志願するのですが、陽之助はそれを認めます。

はしゃぐ兄弟に陽之助は、弟子ならまずは早駆け(走り込みのこと)に行けと伝えます。

早駆けに向かう二郎太は、何故かメガネの門下生(私)にビンタして去っていきます。

戸惑う門下生たちに、陽之助はお前たちも早駆けに行けと伝えます。

1人取り残されたメガネの門下生は、最後に何か一言残し、早駆けに向かいます。


というシーンがあるんですが。


この、「最後に一言」の部分。

これを毎公演、日替わりでやるというのを自分に課していたんですね。

誰にも頼まれていないのに。笑


というかそもそも台本に無い部分なんで、最後に一言なんて決まりも無いんですが。

でもやるからには出しゃばらせてもらおう、と。

ビンタも稽古中で凌が考えたものだし、そのリアクションとして広がっていったものなので、凌には感謝ですし、みんなで作った感じがしてとても好きなシーンでもあります。


で、基本的に日替わりはその日の本番前に考えていたのですが。

同部屋の座長からの「もう出来た?」「攻めたやつでヨロシク」という鬼の圧。

何も思いつかないかも知れない、ウケないかも知れないというプレッシャー。

緊張感が持続されて、図らずも芝居に臨む上で、非常に良い効果がありました。笑


凄く楽しい作業でもあったので、その、

「最後の一言集」と言いますか。

全・メガネの門下生ファンの皆様(未確認)にお届けしたいと思います。



まず、パターンがいくつかあってですね(謎の解説スタート)


①二郎太に対抗心を燃やすパターン


台詞としては「早駆けだったら、あんな奴に負けませんよ!」とかですね。

怒るというか、リアクションとしても1番オーソドックスなパターンかなと思います。

そんでめっちゃ足遅いとか、そういう派生もありました。


②二郎太と三郎太を認めるパターン


「あの2人、磨けば光るかも知れませんね」とかですね。

これは稽古場で1番ウケたので、一軍としてストックしておきました。笑

なんだろう、誰が言うてんねん!みたいなことなんでしょうね。

メガネの門下生はキャラクターとして、どちらかと言えば弱いので、ギャップが良かったのかなと。

プラス、格闘マンガ的なノリというか。

「あいつ、なかなか良い右、持ってますね」

「この僕と、鎬を削る関係になりそうですね」とかありました。

裏設定として、あの後、メガネの門下生と二郎太三郎太は、ものすごく仲良くなったんじゃないかと勝手に思っています。笑


③陽之助や蔵近(梅津瑞樹さん)に当たるパターン


「宇内先生、優しすぎるんだよな!蔵近殿も止めてくださいよ!」とかですね。

矛先を変えて、目上の人に突っ込む。これも彼のキャラクターだからこそ成立する形というか。

本当に宇内先生優しいから、多少失礼でも受け止めてくれるんですよね。笑


あと、唯一というか変化球として、

「宇内先生優しすぎるんだよな!いつか、足をすくわれますよ」

というのもありました。

これは所謂笑いにはならないんですが、急に核心を突くというか。

最大のギャップでありつつ、愚痴の延長でもあるので、彼が言いそうな台詞でもあるっちゃあるんですよね。

考えようによっちゃ、タイムトラベラーかお前は!という、実は1番気に入っている台詞かも知れません。


余談。正しくは、

「足元をすくわれる」ではなく

「足をすくわれる」だそうです。

知らなかった。調べて良かった。笑


④その他


「親父にもぶたれたことないのに」


某有名過ぎる台詞。既にあるものをチョイスするのはあまり良い手ではないなと思いながら、シーンにぴったりハマっていたので。


「トホホ、泣きっ面に蜂とはこのことだよ

踏んだり蹴ったりとはこのことだよ

弱り目に祟り目とはこのことだよ」


これも見た目とのギャップで、少し賢かったら面白いなと思い、状況に合ったことわざなどを調べました。

「トホホ」も気に入ってます。

ちなみにこの後のシーンで、凌が瞬時にこれを引用したアドリブで爆笑かっさらっていて天才かと思いました。


「今日のところはこれぐらいで勘弁してやりますか」


大阪公演初日。リスペクトを込めて。



色々な台詞を考え続け、大阪公演終盤に辿り着いた境地。

別に台詞喋らなくてもいいじゃないか!笑

と、マイムだけの回もありました。



他にもあったような気もしますが、大体こんなところです。

本筋とほぼ関係ない話のみでございましたが、以上で「漆黒天裏話」、終わります。笑


長くなりました。

少しでも楽しんで頂けたら幸いです。


「漆黒天」、サウンドトラックの配信がスタートしております。


https://lnk.to/t4Bm4zvO


何卒宜しくお願い致します。