■今日のニュース
Detroit becomes largest U.S. city to file for bankruptcy
Detroit on Thursday became the largest city in U.S. history to file for bankruptcy protection after decades of decline and mismanagement rendered the home of the nation’s auto industry insolvent.
■重要語句・イディオム解説
・Detroit デトロイト
・file for bankruptcy 破産申請をする、会社更生手続の適用を申請する
・history 歴史
・bankruptcy protection 更生手続き、再建手続き
・decade １０年、１０年間
・decline 衰え、衰退、減少、下落、低下
・mismanagement 不始末、経営失敗、誤管理、誤処置
・render ～を…の状態にする、させる、変える
・auto industry 自動車産業
・insolvent 支払い不能の、破産した、破産（者）の
■対訳
「デトロイト、破産申請した米国最大の都市に」
自動車産業の本拠地を破綻させた数十年間にわたる衰退と不始末の後、デトロイトが木曜日、破産更生手続きの適用申請をした米国史上最大の都市となった。
■訳出のポイント
タイトル及び本文にある「file for bankruptcy」ですが、この「file」は名詞で「ファイル」「綴じ込み（帳）」「縦の列」という意味なのですが、動詞では「＜書類など＞を綴じ込みにする」「＜告訴・申請書など＞を提起する、提出する」「申込み[申請]をする」といった意味になります。
今回の記事では「申込み[申請]をする」の意味で使われており、特に「file for ～」の形で「～の申請をする」となり、後ろに「bankruptcy」（＝「破産（状態）、倒産」）が付いて「file for bankruptcy」＝「破産の申請をする、倒産処理手続[会社更生手続]の適用を申請する」という意味になります。
また、これ以外にも「file for ～」の用例としては、「file for a job」＝「仕事の申込みをする」、「file for divorce」＝「離婚の申請をする」などがありますので、あわせて覚えておきたいところです。
本文後半にある「render」は、通例「render A B」＝「A（人・物）をBの状態にする、させる、変える」の形で用いられ、「The flood rendered them homeless.」（＝「洪水で彼らは家を失った」）などのように、「～を…にする」という意味の作為動詞としての「make」と同様に使われます。
したがって、本文「rendered the home of the nation’s auto industry insolvent」の部分は、「当国（＝アメリカ）の自動車産業の本拠地を破綻させた」と訳され、これが直前の先行詞「decades of decline and mismanagement」（＝「数十年間にわたる衰退と不始末」）にかかっている構造になります。
■記事の詳細
自動車産業のメッカとして知られた米中西部ミシガン州のデトロイト市が１８日、同州の連邦裁判所に連邦破産法第９条の適用を申請し、財政破綻したというニュースです。
米メディアによると、負債規模は１８０億ドル（約１兆８千億円）を超える見通しで、米国の地方自治体の破綻では最大となるとのことで、米ＣＮＮテレビも「米史上最大の自治体破綻が起きた」と速報しました。
デトロイトは、米最大の自動車メーカーのゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が本社を構え、関連企業を含めて自動車産業が古くから集積。
日本でも知名度が高く、最盛期には１８０万人まで人口が増えて栄えました。
しかし、１９７０年代ごろから日本の自動車メーカーとの競争などで徐々に産業が衰退し、治安も悪化するなどして人口流出が続くようになり、約７０万人にまで減少。
税収の落ち込みに景気低迷も重なり、慢性的な財政難に陥りました。
ミシガン州のスナイダー知事は今年３月、デトロイト市の財政非常事態を宣言。
同市の緊急事態財政管理者が任命され、破綻回避に向けて債権者と協議を重ねてきましたが、資金繰りに行き詰まり、破産法申請以外に再建するめどが立たなかったとみられます。
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