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スマイリーキクチが結婚(hiroki)


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「みなさんこんにちは」

いよいよ暑さも本格化してきたこの6月下旬をいかがお過ごしですか?


最近はスマートフォンの事ばかりを考えているhirokiです。


電話もメールもほとんどしないから逆の逆にスマートフォンが良いと思っています。


スマートフォンと言えばみなさん知ってましたか?


勝間和代さんって大型バイクに乗ってるんですよ!

大型バイクってO型のバイクではないですよ!

O型だから丸いバイクだなって勘違いしないでくださいね!

大型です!

ハーレイデイビッドソンとかそういう事です。

すごいですねぇ(所さん風)

しかも事故をして骨折したらしいんですよ。

すごいですねぇ(所さん風)

しかも事故をしたけど痛みを感じなくて一旦血だらけのくせして家に帰ったらしいですよ。

さんちゃんえらい!(所さん風)


あっ!パソコンのキーボードが汗でべちゃべちゃになってきたからそろそろ3104さんに「こんなクールビズはクールじゃない!」っていう事でいくつか提案して頂きましょう。

元松本ハウスの加賀谷が結婚(3104)

AKB48 22ndシングル 選抜総選挙 


※略式名称・・・第3回AKB48選抜総選挙 ~今年もガチです~

◆立候補者◆
・AKB48(チームA:16名、チームK:16名、チームB:15名、※チーム研究生:21名)計:68名
・SKE48(チームS:16名、チームKⅡ:16名、チームE:16名、研究生:9名)計:57名
・NMB48(チームN:16名、研究生:9名)計:25名
全150名(AKB48チームB「奥 真奈美」は含まれておりません。)
※ AKB11期研究生の牛窪、山口辞退のため、チーム研究生23名→21名に変更

◆当選◆
・選抜メンバー:21名(1位~21位)

※1位~12位はメディア選抜 ・アンダーガールズ:19名(22位~40位)

◆投票期間◆
2011年5月24日(火)午前10時 ~ 6月8日(水)午後3時まで。期間終了

◆発表◆(中間発表は無し)
・開票:6月9日(木) ※ 武道館にて結果発表 18:00~(予定) 映画館中継も実施




っていう概要をまずはご理解下さい。


1位 139829票 A 前田敦子
2位 122843票 K 大島優子
3位 74252票 B 柏木由紀
4位 60539票 A 篠田麻里子
5位 59118票 B 渡辺麻友
6位 55920票 A 小嶋陽菜
7位 52790票 A 高橋みなみ
8位 50403票 K 板野友美
9位 45227票 A 指原莉乃
10位 36929票 S 松井玲奈
11位 33500票 K 宮澤佐江
12位 31009票 A 高城亜樹
…………メディア選抜ライン…………

13位 27957票 B 北原里英
14位 27804票 S 松井珠理奈
15位 26070票 K 峯岸みなみ
16位 22857票 B 河西智美
17位 17154票 K 秋元才加
18位 16574票 B 佐藤亜美菜
19位 16455票 K 横山由依
20位 14137票 B 増田有華
21位 12387票 A 倉持明日香
…………選抜ライン…………

22位 11860票 K 梅田彩佳
23位 11674票 KⅡ 高柳明音
24位 10854票 A 仲川遥香
25位 9910票 A 多田愛佳
26位 9742票 B 平嶋夏海
27位 9271票 B 宮崎美穂
28位 8697票 N 山本彩
29位 7264票 A 大家志津香
30位 6660票 S 大矢真那
31位 6288票 K 仁藤萌乃
32位 6120票 B 小森美果
33位 6117票 KⅡ 秦佐和子
34位 5438票 B 佐藤すみれ
35位 5411票 4 大場美奈
36位 5343票 S 須田亜香里
37位 5220票 A 前田亜美
38位 5020票 K 松井咲子
39位 4921票 4 市川美織
40位 4698票 K 藤江れいな


ってことになったわけですが、


詳しくは次回語ります。

まずは速報まで。




to be continued岡田浩暉!

ジャイアンの新曲(hiroki)



こんばんわ。

最近体重が69kg前後を行き来しているhirokiです。

今太ったらメタボリック中年にまっしぐらだと思って少しずつ体重の調整をしております。

かと言って無茶な減量やダイエットはしておりません。

少しだけ摂生をしたり週に一、二回お酒を抜いたりする程度です。


さて、ここ最近のテレビについて物申す事としましょう。


もう少し企画や演出を工夫した方がこれからのテレビ界の為になると思います。

来月には地デジ化が完全に遂行されますのでテレビへの注目も高まるはずです。

その中で国民の大半が見る…いや…観る民法放送の企画、演出をどうにかして欲しいと思います。


少し前はめちゃイケ(モテ)の影響からテロップがこれでもかと言うくらい表示されて深いな気持ちに

なりました。

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最近ではテロップは一般化してほとんどの番組で使われております。

このようにある番組、演出家、タレントが考えた企画や演出がヒットするとそれをマネる番組が本当に増えます。

テレビ制作の人間にプライドは無いのでしょうか?

例えば…


何かオチや衝撃映像の結末を見せる場面でのカウントダウン…

ベ○トハウス321が代表されますが、色々な番組で後何秒後に衝撃の映像…とか

とにかく3・2・1で映像が流されるとかそういう演出が多過ぎます。


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衝撃映像系の番組では今この演出が必ず付いてきます…


他には…これは少し高等テクニックですが誰かがうっとうしい発言をしている場合、本当の途中の部分でバッサリ編集して途中で次の場面に切り替わるような演出。

これはまさしくダウンタウンの松本さんが考案した「働くおっさん劇場(人形)」での演出そのものです。

近年では戦場キャメラマンの方のコマーシャルでも使われておりました。

こういう演出を平気でパクる人はかなり勇気があると思うしこれからも出てくると思うので注目していてください。


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そしてその演出をしている番組のプロデューサーは…。


また…最近では工場見学系の番組も横行していますね…

確かに見ちゃいますけど…他局で流行ったものをそのまま違う局で放映しているセンスが私のようなテレビ好きにはたまらなく刹那です。


他には…少し前にあまりにも酷いと思ったのがとんねるずのみなさんのおかげでしたの企画のきたなシュラン(クレームが来てきたな上手い店に変更)は面白い企画でしたがテレビ東京さんがゴールデンの2時間スペシャルで思いっ切りパクっていました…悲しいです。


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もちろん音楽も同様…パクったりパクられたり…カバーしたりし合ったり…最初はマネからどんどん成長して行くものかもしれません。

しかし今…特にゴールデンを作っている方達はそんなレベルでは無いと信じて行きたいと思います。

日頃からテレビを楽しみにしている私から言うとそういう手抜きだったり浅はかな発想は大変残念です。


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何が言いたいかと言えばもっとチャレンジした方が良いと体重69kg前後のおっさんが考えているという事です。

ただ…それだけです。

お酒に飲まれてはいけませんな(大爆笑)


それでは次回3104様にはAKB48の選挙の統括について語って頂きましょう。


デーモン 相撲界に「ふぬけ」 (3104)

とある一本の噂が情報通の間に広まっていた。



シャルマンの故郷の更新が長い事止まっているのは

hirokiさんの身に何かがあったからだ。と。



果たしてこれは事実なのか。


近日この話は語られる事になるでしょう。



って事で




最近ホントに更新してないのでアメブロ見てなかった3104です。

だってだってお題が回ってこないんすもん。

ぬまのブログもパンイチのブログもあんま更新してねーし。



ツイッター始めちまったもんでなかなかこれがまた。

AKBもユニットいっぱい増えてるし。



すったもんだがありましたが

近々きっと更新されるはずなんで気長に待っててね。

待ってなくても勝手にやっちゃうからね。


それはアデューー




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桜塚やっくんが事務所独立 (3104)


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或日(あるひ)の暮方の事である。一人の下人が、羅生門(らしやうもん)の下で雨やみを待つてゐた。
 廣い門の下には、この男の外(ほか)に誰もゐない。唯、所々丹塗(にぬり)の剥げた、大きな圓柱(まるばしら)に、蟋蟀(きり/″\す)が一匹とまつてゐる。羅生門(らしやうもん)が、朱雀大路(すじやくおおぢ)にある以上(いじやう)は、この男の外にも、雨(あめ)やみをする市女笠(いちめがさ)や揉烏帽子が、もう二三人(にん)はありさうなものである。それが、この男(をとこ)の外(ほか)には誰(たれ)もゐない。
 何故(なぜ)かと云ふと、この二三年、京都には、地震(ぢしん)とか辻風とか火事とか饑饉とか云ふ災(わざはひ)がつゞいて起つた。そこで洛中(らくちう)のさびれ方(かた)は一通りでない。舊記によると、佛像や佛具を打砕(うちくだ)いて、その丹(に)がついたり、金銀の箔(はく)がついたりした木を、路ばたにつみ重ねて、薪(たきぎ)の料(しろ)に賣つてゐたと云ふ事である。洛中(らくちう)がその始末であるから、羅生門の修理(しゆり)などは、元より誰も捨てゝ顧(かへりみ)る者がなかつた。するとその荒(あ)れ果(は)てたのをよい事にして、狐狸(こり)が棲む。盗人(ぬすびと)が棲む。とうとうしまひには、引取(ひきと)り手のない死人を、この門へ持つて來て、棄てゝ行くと云ふ習慣(しふくわん)さへ出來た。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも氣味(きみ)を惡るがつて、この門の近所(きんじよ)へは足(あし)ぶみをしない事になつてしまつたのである。
 その代り又鴉(からす)が何處(どこ)からか、たくさん集つて來た。晝間(ひるま)見(み)ると、その鴉が何羽(なんば)となく輪を描いて高い鴟尾(しび)のまはりを啼(な)きながら、飛びまはつてゐる。殊に門の上の空が、夕燒(ゆふや)けであかくなる時(とき)には、それが胡麻(ごま)をまいたやうにはつきり見えた。鴉(からす)は、勿論、門の上にある死人(しにん)の肉を、啄みに來るのである。――尤も今日は、刻限(こくげん)が遲(おそ)いせいか、一羽も見えない。唯、所々(ところどころ)、崩れかゝつた、さうしてその崩(くづ)れ目に長い草のはへた石段(いしだん)の上に、鴉(からす)の糞(くそ)が、點々と白くこびりついてゐるのが見える。下人(げにん)は七段ある石段の一番上の段(だん)に洗(あら)ひざらした紺(こん)の襖(あを)の尻を据ゑて、右の頬に出來た、大きな面皰(にきび)を氣にしながら、ぼんやり、雨(あめ)のふるのを眺(なが)めてゐるのである。
 作者(さくしや)はさつき、「下人が雨やみを待つてゐた」と書いた。しかし、下人(げにん)は、雨がやんでも格別(かくべつ)どうしようと云ふ當てはない。ふだんなら、勿論(もちろん)、主人の家へ歸る可き筈である。所(ところ)がその主人からは、四五日前に暇(ひま)を出(だ)された。前にも書いたやうに、當時(たうじ)京都(きやうと)の町は一通りならず衰微(すゐび)してゐた。今この下人が、永年(ながねん)、使はれてゐた主人から、暇(ひま)を出されたのも、この衰微の小さな餘波に外ならない。だから「下人が雨(あめ)やみを待つてゐた」と云(い)ふよりも、「雨にふりこめられた下人が、行(ゆ)き所(どころ)がなくて、途方にくれてゐた」と云ふ方が、適當(てきたう)である。その上、今日の空模樣(そらもやう)も少からずこの平安朝(へいあんてう)の下人の Sentimentalisme に影響(えいきやう)した。申(さる)の刻下りからふり出した雨は、未に上(あが)るけしきがない。そこで、下人は、何を措いても差當(さしあた)り明日の暮(くら)しをどうにかしようとして――云はゞどうにもならない事(こと)を、どうにかしようとして、とりとめもない考(かんが)へをたどりながら、さつきから朱雀大路(すじやくおはぢ)にふる雨の音を、聞くともなく聞いてゐた。
 雨は、羅生門(らしやうもん)をつゝんで、遠(とほ)くから、ざあつと云ふ音をあつめて來る。夕闇は次第に空を低くして、見上(みあ)げると、門の屋根が、斜につき出した甍(いらか)[#「甍」は底本では「薨」]の先(さき)に、重たくうす暗(くら)い雲(くも)を支へてゐる。
 どうにもならない事を、どうにかする爲には、手段(しゆだん)を選んでゐる遑(いとま)はない。選んでゐれば、築土(ついぢ)の下か、道ばたの土の上で、饑死(うゑじに)をするばかりである。さうして、この門の上へ持つて來て、犬(いぬ)のやうに棄(す)てられてしまふばかりである。選(えら)ばないとすれば――下人の考へは、何度(なんど)も同じ道を低徊した揚句(あげく)に、やつとこの局所へ逢着(はうちやく)した。しかしこの「すれば」は、何時(いつ)までたつても、結局「すれば」であつた。下人は、手段(しゆだん)を選ばないといふ事を肯定(こうてい)しながらも、この「すれば」のかたをつける爲に、當然(たうぜん)、その後に來る可き「盗人(ぬすびと)になるより外に仕方(しかた)がない」と云ふ事を、積極的(せきゝよくてき)に肯定する丈の、勇氣が出ずにゐたのである。
 下人は、大きな嚏(くさめ)をして、それから、大儀さうに立上つた。夕冷(ゆふひ)えのする京都は、もう火桶(ひをけ)が欲しい程の寒さである。風は門の柱(はしら)と柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗(にぬり)の柱にとまつてゐた蟋蟀(きり/″\す)も、もうどこかへ行つてしまつた。
 下人は、頸をちゞめながら、山吹の汗衫(かざみ)に重ねた、紺の襖の肩を高(たか)くして門のまはりを見まはした。雨風(あめかぜ)の患のない、人目にかゝる惧のない、一晩(ばん)樂(らく)にねられさうな所があれば、そこでともかくも、夜(よ)を明(あ)[#ルビの「あ」は底本では「あか」]かさうと思つたからである。すると、幸門の上の樓(ろう)へ上る、幅の廣い、之も丹を塗つた梯子(はしご)が眼についた。上(うへ)なら、人がゐたにしても、どうせ死人(しにん)ばかりである。下人は、そこで腰にさげた聖柄(ひぢりづか)の太刀が鞘走らないやうに氣をつけながら、藁草履(わらざうり)をはいた足を、その梯子の一番下(ばんした)の段へふみかけた。
 それから、何分(なんぷん)かの後である。羅生門の樓の上へ出る、幅(はゞ)の廣い梯子の中段に、一人の男が、猫(ねこ)のやうに身をちゞめて、息(いき)を殺しながら、上の容子(ようす)を窺つてゐた。樓の上からさす火(ひ)の光(ひかり)が、かすかに、その男の右の頬(ほゝ)をぬらしてゐる。短い鬚(ひげ)の中に、赤く膿を持つた面皰(にきび)のある頬である。下人は、始めから、この上にゐる者は、死人(しにん)ばかりだと高を括つてゐた。それが、梯子(はしご)を二三段上つて見ると、上では誰か火(ひ)をとぼして、しかもその火を其處此處(そこゝこ)と動(うご)かしてゐるらしい。これは、その濁つた、黄いろい光が、隅々(すみ/″\)に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、ゆれながら映(うつ)つたので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生門の上で、火をともしてゐるからは、どうせ唯の者ではない。
 下人は、守宮(やもり)のやうに足音をぬすんで、やつと急(きふ)な梯子を、一番上の段まで這ふやうにして上りつめた。さうして體(からだ)を出來る丈、平にしながら、頸(くび)を出來る丈、前へ出して、恐(おそ)る恐る、樓の内を覗(のぞ)いて見た。
 見ると、樓の内には、噂(うはさ)に聞いた通り、幾つかの屍骸(しがい)が、無造作(むざうさ)に棄てゝあるが、火の光の及ぶ範圍(はんゐ)が、思つたより狹いので、數(かず)は幾つともわからない。唯、おぼろげながら、知れるのは、その中に裸(はだか)の屍骸と、着物(きもの)を着た屍骸とがあると云ふ事である。勿論(もちろん)、中には女も男もまじつてゐるらしい。さうして、その屍骸は皆、それが、甞、生きてゐた人間だと云ふ事實(じゞつ)さへ疑はれる程、土を捏ねて造つた人形(にんぎやう)のやうに、口を開(あ)いたり手を延ばしたりしてごろごろ床(ゆか)の上にころがつてゐた。しかも、肩とか胸(むね)とかの高くなつてゐる部分(ぶゞん)に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなつてゐる部分の影を一層(そう)暗(くら)くしながら、永久に唖(おし)の如く默(だま)つていた。
 下人は、それらの屍骸の腐爛(ふらん)した臭氣に思はず、鼻(はな)を掩つた。しかし、その手は、次の瞬間(しゆんかん)には、もう鼻を掩ふ事を忘れてゐた。或る強い感情(かんじやう)が、殆悉この男の嗅覺を奪つてしまつたからである。
 下人の眼は、その時、はじめて、其(その)屍骸(しがい)の中に蹲つている人間を見た。檜肌色(ひはだいろ)の着物を著た、背の低い、痩せた、白髮頭(しらがあたま)の、猿のやうな老婆である。その老婆は、右の手に火をともした松(まつ)の木片を持つて、その屍骸(しがい)の一つの顏を覗きこむやうに眺(なが)めてゐた。髮の毛の長い所を見ると、多分(たぶん)女(をんな)の屍骸であらう。
 下人は、六分の恐怖(きやうふ)と四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸(いき)をするのさへ忘れてゐた。舊記の記者(きしや)の語を借りれば、「頭身(とうしん)の毛も太る」やうに感じたのである。すると、老婆(らうば)は、松の木片を、床板の間に挿(さ)して、それから、今まで眺めてゐた屍骸の首に兩手(りやうて)をかけると、丁度、猿の親が猿の子の虱(しらみ)をとるやうに、その長い髮(かみ)の毛(け)を一本づゝ拔きはじめた。髮は手に從(したが)つて拔けるらしい。
 その髮の毛が、一本ずゝ拔(ぬ)けるのに從つて下人の心(こゝろ)からは、恐怖が少しづつ消えて行つた。さうして、それと同時(どうじ)に、この老婆に對するはげしい憎惡(ぞうを)が、少しづゝ動いて來た。――いや、この老婆(らうば)に對すると云つては、語弊(ごへい)があるかも知れない。寧、あらゆる惡に對する反感(はんかん)が、一分毎に強さを増して來たのである。この時、誰(たれ)かがこの下人に、さつき門(もん)の下でこの男が考へてゐた、饑死(うゑじに)をするか盗人になるかと云ふ問題を、改めて持出(もちだ)したら、恐らく下人は、何の未練(みれん)もなく、饑死を選んだ事であらう。それほど、この男(をとこ)の惡を憎む心は、老婆の床(ゆか)に挿した松の木片のやうに、勢よく燃(も)え上(あが)り出してゐたのである。
 下人には、勿論、何故老婆が死人(しにん)の髮の毛を拔(ぬ)くかわからなかつた。從つて、合理的(がふりてき)には、それを善惡の何れに片(かた)づけてよいか知らなかつた。しかし下人にとつては、この雨(あめ)の夜(よ)に、この羅生門の上で、死人の髮の毛(け)を拔くと云ふ事が、それ丈で既に許(ゆる)す可らざる惡であつた。勿論、下人(げにん)は、さつき迄自分が、盗人になる氣でゐた事なぞは、とうに忘れてゐるのである。
 そこで、下人は、兩足(りやうあし)に力を入れて、いきなり、梯子(はしご)から上へ飛び上つた。さうして聖柄(ひぢりづか)の太刀に手をかけながら、大股(おおまた)に老婆の前へ歩みよつた。老婆が驚いたのは、云ふ迄もない。
 老婆は、一目下人を見ると、まるで弩(いしゆみ)にでも弾かれたやうに、飛び上つた。
「おのれ、どこへ行く。」
 下人は、老婆が屍骸(しがい)につまづきながら、慌(あは)てふためいて逃げようとする行手を塞いで、こう罵(のゝし)つた。老婆は、それでも下人をつきのけて行(ゆ)かうとする。下人は又、それを行かすまいとして、押(お)しもどす。二人は屍骸(しがい)の中で、暫、無言(むごん)のまゝ、つかみ合つた。しかし勝敗(しようはい)は、はじめから、わかつている。下人はとうとう、老婆の腕(うで)をつかんで、無理にそこへ(ね)ぢ倒(たほ)した。丁度、鷄(とり)の脚のやうな、骨と皮ばかりの腕である。
「何をしてゐた。さあ何をしてゐた。云へ。云はぬと、これだぞよ。」
 下人は、老婆(らうば)をつき放すと、いきなり、太刀(たち)の鞘(さや)を拂つて、白い鋼(はがね)の色をその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は默つてゐる。兩手(りやうて)をわなわなふるはせて、肩で息(いき)を切りながら、眼を、眼球(がんきう)が(まぶた)の外へ出さうになる程、見開いて、唖のやうに執拗(しうね)く默つてゐる。これを見ると、下人は始(はじ)めて明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意志(いし)に支配されてゐると云ふ事を意識(いしき)した。さうして、この意識は、今(いま)まではげしく燃えてゐた憎惡の心を何時(いつ)の間にか冷(さ)ましてしまつた。後(あと)に殘つたのは、唯、或(ある)仕事(しごと)をして、それが圓滿(ゑんまん)に成就した時の、安らかな得意(とくい)と滿足とがあるばかりである。そこで、下人は、老婆(らうば)を見下しながら、少し聲を柔(やはら)げてかう云つた。
「己は檢非違使(けびゐし)の廳の役人などではない。今し方この門(もん)の下を通(とほ)りかゝつた旅の者だ。だからお前に繩(なわ)をかけて、どうしようと云ふやうな事はない。唯(たゞ)、今時分、この門の上で、何(なに)をして居たのだか、それを己に話(はなし)しさへすればいいのだ。」
 すると、老婆は、見開(みひら)いてゐた眼を、一層大(そうおほ)きくして、ぢつとその下人の顏(かほ)を見守つた。の赤くなつた、肉食鳥のやうな、鋭(するど)い眼で見たのである。それから、皺(しは)で、殆、鼻と一つになつた唇を、何か物でも噛(か)んでゐるやうに動かした。細い喉で、尖つた喉佛(のどぼとけ)の動いてゐるのが見える。その時、その喉(のど)から、鴉(からす)の啼くやうな聲が、喘ぎ喘ぎ、下人の耳(みゝ)へ傳はつて來た。
「この髮を拔いてな、この女の髮を拔いてな、鬘(かつら)にせうと思うたのぢや。」
 下人は、老婆の答が存外、平凡(へいぼん)なのに失望した。さうして失望(しつばう)すると同時に、又前の憎惡が、冷な侮蔑(ぶべつ)と一しよに、心の中へはいつて來た。すると、その氣色(けしき)が、先方へも通じたのであらう。老婆は、片手(かたて)に、まだ屍骸の頭から奪(と)つた長い拔け毛を持(も)つたなり、蟇(ひき)のつぶやくやうな聲で、口ごもりながら、こんな事を云つた。
 成程、死人の髮(かみ)の毛(け)を拔くと云ふ事は、惡い事かも知(し)れぬ。しかし、かう云ふ死人の多くは、皆、その位な事(こと)を、されてもいゝ人間(にんげん)ばかりである。現に、自分が今、髮(かみ)を拔いた女などは、蛇(へび)を四寸ばかりづゝに切(き)つて干したのを、干魚(ほしうを)だと云つて、太刀帶(たてはき)の陣へ賣りに行つた。疫病にかゝつて死ななかつたなら、今でも賣りに行つてゐたかもしれない。しかも、この女(をんな)の賣る干魚は、味(あぢ)がよいと云ふので、太刀帶たちが、缺かさず菜料(さいれう)に買つてゐたのである。自分は、この女のした事が惡(わる)いとは思はない。しなければ、饑死(うゑじに)をするので、仕方(しかた)がなくした事だからである。だから、又今、自分(じぶん)のしてゐた事も惡い事とは思(おも)はない。これもやはりしなければ、饑死(うゑじに)をするので、仕方がなくする事だからである。さうして、その仕方がない事を、よく知つてゐたこの女は、自分のする事を許(ゆる)してくれるのにちがひないと思(おも)ふからである。――老婆は、大體こんな意味の事を云つた。
 下人は、太刀を鞘(さや)におさめて、その太刀の柄を左(ひだり)の手(て)でおさへながら、冷然として、この話を聞いてゐた。勿論、右(みぎ)の手(て)では、赤く頬(ほゝ)に膿(うみ)を持つた大きな面皰を氣(き)にしながら、聞いてゐるのである。しかし、之を聞(き)いてゐる中に、下人の心には、或(ある)勇氣(ゆうき)が生まれて來た。それは、さつき、門(もん)の下(した)でこの男に缺けてゐた勇氣である。さうして、又(また)さつき、この門の上(うへ)へ上(あが)つて、この老婆を捕へた時の勇氣とは、全然(ぜん/″\)、反對な方向に動(うご)かうとする勇氣である。下人は、饑死をするか盗人(ぬすびと)になるかに迷はなかつたばかりではない。その時(とき)のこの男の心もちから云へば、饑死(うゑじに)などと云ふ事は、殆、考(かんが)へる事さへ出來ない程、意識の外に追ひ出されてゐた。
「きつと、そうか。」
 老婆の話が完ると、下人は嘲(あざけ)るやうな聲で念(ねん)を押した。さうして、一足(あし)前(まへ)へ出ると、不意(ふい)に、右の手を面皰から離して、老婆の襟上(えりがみ)をつかみながら、かう云つた。
「では、己が引剥(ひはぎ)をしようと恨むまいな。己もさうしなければ、饑死をする體なのだ。」
 下人は、すばやく、老婆の着物(きもの)を剥ぎとつた。それから、足(あし)にしがみつかうとする老婆を、手荒(てあら)く屍骸の上へ蹴倒(けたほ)した。梯子の口までは、僅(わづか)に五歩を數へるばかりである。下人は、剥(は)ぎとつた檜肌色の着物(きもの)をわきにかゝへて、またゝく間に急な梯子を夜の底へかけ下りた。
 暫(しばらく)、死んだやうに倒れてゐた老婆が、屍骸の中(なか)から、その裸(はだか)の體を起したのは、それから間(ま)もなくの事である。老婆は、つぶやくやうな、うめくやうな聲を立てながら、まだ燃(も)えてゐる火の光をたよりに、梯子(はしご)の口まで、這つて行つた。さうして、そこから、短い白髮(しらが)を倒にして、門の下を覗(のぞ)きこんだ。外には、唯、黒洞々たる夜があるばかりである。
 下人は、既に、雨(あめ)を冐(をか)して、京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。


その下人が強盗の途中で新宿のとある場所で目押ししてる画像。



お次のお題は

捨てて良し


hirokiさんお引越しおめでとう。


ペタしてね