ビリー・ジョエルの名曲中の名曲ですが、
この歌を知っているかどうかは、かなりジェネレーション・ギャップがあると思います。
私が初めて聴いたのは、中学生の頃で、
つい、この間、父方の伯母さんが亡くなった折に会った
私のふた回りくらい、年上の例のいとこの車を、どういう理由だか覚えていませんが、
父が運転していた時期があり、その車のダッシュボードに入っていた、
ベスト・アルバムを拝借した時のことでした。
その後、自分で、アルバムを購入し、歌詞カードを見て、当時は、全文、暗記しておりました。
私が洋楽の曲で、全文、暗記したのは、この曲と、ジョン・レノンの「Imagine」の2曲だけです。
この曲を知っていると言うだけで、もう、十分、おじさんですよと言う感じがするので、
私より若い人たちは、知らなくて普通だと思います。
なので、おじさん世代の人たちが、この曲を好きだと言う理由は非常によくわかるのですが、
近所の居酒屋兼カラオケスナックみたいなところで、どこかのおじさんが熱唱しているのが聞こえた時は、まあ、よく、こんなベタな曲を、あの頃は、まともに聴いていたものだと思い、ちょっと冷や汗をかいたと言うか、絶句したと言うか、そんな印象でした。
まあ、タイトルは、「誠実さ」あるいは「正直さ」という単語ですが、
場所柄もわきまえずに熱唱しているところに、何か、こう、わびしさみたいなものをすら、感じたものでした。
不幸な結婚をして、浮気ばかりしていた、私のいとこが、この曲を聴いていたというのも、
非常に皮肉な事実ではありますが、つい数年前に再婚して、一応、その辺の名誉は取り戻したような形ではあります。
そういう、多くのおじさんたちのカラオケのレパートリーでもある、「Honesty」であり、
「いい曲じゃないか、何か、文句あんのか」という声も聞こえてきそうですが、
どちらかと言うと、歌詞の内容的には、女性の側の、男性に対する要求を反映しているような気がいたします。
まあ、その辺の信用が得られなかったことも、これまでの失恋の大きな要因の一つのような気がいたします。
私自身は、どの女性に対しても、そういう面について、疑ったことはないですし、そんなことが言えた筋合いではないという意味において、男性の立場から、こういう歌を歌うのは、いかがなものかというところが、他人が歌うのを聴いて、引いてしまう一つの理由なのかもわかりません。
何か、こう、絵に描いたような逆恨みであるところが、この曲の、バカバカしさというか、滑稽な部分であり、まあ、かつては自分も暗唱していたのクセに、そういうことを言うのもなんですが、知っているからこそ、なおさら、見えてくるウソみたいな部分でもあるわけです。
じゃあ、私は今まで、彼女たちをだましてきたのかというと、それはそれで、大きな誤解であり、そんな、インチキおじさんたちと一緒にされては困るわけですが、彼女たちに言わせると、私はどうも、裏切り者の以外の何物でもないらしいです。
しかし、まあ、最初から、そういう筋書きになっていたとすれば、しょうがないと言えばしょうがないです。
そんな、インチキおじさんたちの愛唱歌、「Honesty」にまつわる、男女関係のあれこれの話でありました。