戦争間近?不気味な暗号放送
昨年12月、筆者は「小説が現実に?」という題名で、「ジャック・ライアン」シリーズの小説の内容がロシアによるウクライナ侵攻を的中させるのではと書いたが、そのウクライナ情勢がここ数日で一層緊迫化している。アメリカのバイデン大統領は19日、大勢の報道陣を前に、ロシアがウクライナに「侵攻するだろう」と見解を示し、大規模な経済制裁を警告した。https://nordot.app/856674103069868032(共同通信)すでにロシア軍はウクライナとの国境付近に10万人以上もの軍隊やミサイル兵器などを結集させ、ウクライナの北に接するベラルーシにも合同軍事演習を名目に軍を投入した。いつ攻撃が始まってもおかしくない状況だという。また、ウクライナ政府機関への謎のサイバー攻撃も発生。在ウクライナのロシア外交官の家族らも、年明けから相次いで出国している。https://www.iza.ne.jp/article/20220120-MQO2YYMCUVOODJUDMRUDQKVDTY/(産経新聞)情勢が目まぐるしく動く中、都市伝説ファンの間では有名なあるラジオ放送にも動きが見られる。それは、「ザ・ブザー」の愛称で知られ、ロシア国内から放送されているUVB-76(MDZhB)という短波放送だ。周波数は4624キロヘルツ、または6998キロヘルツ。1970年代から放送されているとされ、ほぼ24時間、短い単調のブザー音をひたすら流し続けている。動画投稿サイトYouTubeで「ザ・ブザー」「UVB-76」と検索すれば出てくるので、聞いてみてほしい。約20年間はしばらくブザー音のみだったが、1990年代に突然、女性や男性の声で人の名前や数字、意味不明な言葉が10個ほど発せられ、再びブザー音に戻った。その後、現在に至るまでたびたび解読不能の音声が発せられた「ザ・ブザー」。それがこの数日間で、頻繁に音声が流れているのだ。19日午後11時ごろの時点では、1時間に1回のペースで流れていた。19日、音声が発せられた際の「ザ・ブザー」この放送の意味や目的は一切公開されておらず、様々な見解がある。敵国から核攻撃を受けた際、ラジオ放送が止まった瞬間に、敵国に核ミサイルを放つ「デッドハンド」説や、宇宙人との交信説もある。しかし、もっとも有力なのが、ロシア軍関係者や世界各国に潜むスパイへの暗号通信説だ。2013年末には、放送中に突然、「コマンド135発効」と発信。すると、翌2014年にロシア軍はウクライナのクリミア地方を併合。併合直後の3月18日にも音声メッセージが発せられている。さらに、熱狂的な短波放送ファンによって放送の発信元がつきとめられたのだが、2010年6月までは首都モスクワの北西40キロ、ポヴァロヴォ近郊ヴォイェニ・ゴロドックにあった軍事施設から発せられていたことが分かった。グーグルマップのストリートビューでは、この旧放送局の建物が見ることができる。https://www.google.com/maps/@56.0821618,37.088427,3a,75y,50.78h,80.15t/data=!3m9!1e1!3m7!1sCRfuwnr02JhZNOTIcYI2-A!2e0!7i13312!8i6656!9m2!1b1!2i50(グーグルマップ)すでに発信元は移転され、現在はモスクワ州のナロ=フォミンスクにある第69通信基地とされている。軍への暗号通信説が事実だとすれば、クリミア併合の時と同様に、ロシア軍によるウクライナ侵攻が間近に迫っていると考えられる。21日、アメリカとロシアはスイスのジュネーブで外相会談に臨む。ただ、両者の溝は大きく、イギリスのガーディアン紙は「外交的に事態を解決する最後の試みになるだろう」と指摘。アメリカの政府高官は「ロシアがこの会談での交渉決裂を、侵攻の理由にするかもしれない」と危惧している。