人は等しく生をうける
果たしてそれは正しいことなのだろうか?
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(itkremさんによる写真ACからの写真)     

A子の下された診断は
「先天性角化不全症」

具体的な症状は
肺線維症(常に息苦しい)
網状色素沈着
脱毛(周囲から奇異な目で見られる)
筋力の低下(自分の首も座らない)

したがって退院してからは
常に母や父がつきっきり
しかし母は病院に通い
ケアの方法をレクチャーされていた。

ただまだ1歳のA子と
家族は退院によって
また微妙に変化する。

常にケアが必要なA子

仕事でお金を稼ぐことが求められる父

昼間はA子につきっきりで
お姉ちゃん(当時4歳)は寂しい思いをしただろう

家族は繋がっているが、

やはり現実は過酷だ。

両親はお姉ちゃんを見れなくなっていた。

A子のお祖母ちゃんにあたる母の母が居た。

まれにお祖母ちゃんちにお姉ちゃんはお世話になっていた。


そのときに4歳は4歳に戻る。

お祖母ちゃんに4歳のお姉ちゃんは言うのである。

「お母さんは私のことを好きじゃないの?」

「私とA子どっちが好きなの?」

「A子が好きで私は嫌いなの?」

「だから構ってくれないの?」

お姉ちゃんは泣きついた。

優しくお祖母ちゃんは諭すのである。

「1歳で一番好きなのはA子。だけれども4歳で一番好きなのはお姉ちゃん。」


試練はこれだけでは無かった。

(第9話に続く)

※この話は取材を元に作成しております、
※会話などはフリーライターhiroの創作です。