マキF1をイギリス・グッドウッドへ(過去記事) | クルマ好きおやぢのひとりごと

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昨晩は、下北沢オーバーテイクに関係者が集まり...

 

F1マキF1プロジェクトの打合せぶーん

 

ここで、我々の企画書から抜粋して、マキF1とは何か?そして我々が予定している、イギリス・グッドウッドフェスティバルについて詳述したい:

 

クルマ好きおやぢのひとりごと-MAKI 1


今を去ること36年前。68年のホンダによる初期F1グランプリ挑戦の終了から6年後。1974年のフォーミュラワン世界選手権に対し、全く自動車メーカーの支援を受けず、独自デザインのマシンで、日本人ドライバーによる挑戦を発表し、“ミステリアス マキ”として世界を驚愕させたMaki F101をご存知でしょうか。

 

MakiF101は、当時20代前半の若者から成る日本人プライベートエントラントであり、現代につながる日本人によるF1挑戦の嚆矢として、その扉を開けたのでした。MakiF101は4台製作され、当時F1挑戦の発表用に作られたプロトタイプ、シャシーナンバー00が奇跡的に完全な形で残された唯一のものです。

この車両を2009年2月から7月にかけ、広島市立広島工業高校の自動車部の生徒たちが実習活動の一環としてボディカウルをレストアし、広島市交通科学館の特別展で完成した姿を披露しました。

 

このたび、このMaki F101(シャシーNo.S/N00)に対し、世界で最も権威のある英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの主宰者、マーチ卿より正式に招待状が届きました。その招待に応え、本年7月2日-4日に開催される英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに、74年発表当時の日本人ドライバー、速見翔こと、新井鐘哲氏(元広島市市会議員)の手で走らせる計画を進めています。
 

マキF1とグッドウッド

 

マキF1は1973年にマキエンジニアリングと言う全くのプライベートチームが独自設計のF1マシンとして製作したもので、1974年のF1世界選手権を戦うことを目的にしていました。

1974年春、ロンドンのカールトンタワーホテルで世界中に向けてプレス発表がなされ、60年代に初めてF1に挑戦したホンダが撤退した後、日本製F1が6年ぶりに参加することで世界から脚光を浴びたレーシングカーです。それは、当時平均年齢24歳の若者たちの夢のチャレンジでした。その頃、日本にはまだホンダ以外F1の技術など全くありませんでした。そのため、彼らは現地に乗り込み、英国のサーキットでテスト走行して初めて英文のレギュレーションの解釈の違いでかなり重量が重くなっていたことを知りました。そのテストを行ったサーキットこそが今回招待を受けたグッドウッドだったのです。そして当時テストドライバーとして走っていたのが、速水翔こと、新井鐘哲でした。

その後マキF101はグッドウッドで試走を重ねボディを大幅に変更してF101Bになりました。今回復元した車両は発表当時のオリジナルのF101Aボディそのものを持った車両です。Maki F101は当時4台生産され、私たちが復元した車両は発表用の試作車でした。長野県上田市で発見されたときに、ほぼスクラップ状態であったところから私たちの復元プロジェクトがスタートしました。それから6年が経過した今、8割方のレストアが完了しており、2010年6月には全て完成する予定です。


このプロジェクトの目標は、英国で2010年7月に開催されるGoodwood Festival of Speed (グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード:英国貴族の庭に設定された約1.86kmのコースでタイムトライアルを行う)において、復元したマキF101を発表当時のオリジナルドライバーである新井鐘哲によるドライブで世界に披露することです。そして2010年後半以降は各種イベントに参加し、様々な媒体露出を予定しています。
 

●今後のスケジュール(暫定)

プレス発表   2010年6月予定

テスト走行  2010年6月中旬予定

車両輸送        2010年6月中旬予定

グッドウッド    2010年7月2日-7月4日(決定済)

 

 

参加イベントの格式とパブリシティ効果について

 


今回招待を受けた、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は世界的に著名な大変大きな自動車イベントです。2009年は25の公式スポンサーがあり、その内訳は自動車orバイク関連メーカーと、その他技術関連、ライフスタイル&高級ブランド(カルティエ、ダンヒル等)から成っております。そして178の出版社、226人のカメラマン、308人のジャーナリスト、世界15カ国のTV、6ラジオ局がイベント前・中 ・後を650メディアが取材し、全世界に配信されました。総出場台数278台(バイク38台、ソープボックスカー22台)。EUを含めた全世界の招待車両36台、観客動員数は15万8千人と、英国ではテニスの全英オープンと並ぶ夏の一大イベントとなっています。

 

私たちは、2004年にもマキF101に次ぐ日本製F1である、1976年製のコジマKE007に対して極東初の招待を受け、長谷見昌弘(当時のドライバー)のドライブでグッドウッドを走らせた実績と経験を有しています。

 

 

クルマ好きおやぢのひとりごと-KE007 2


 

その時には、世界中のメディアから大変な好感と関心をもって好意的に迎えられました。これまで「幻」とされていたマキF101の復活は、改めて日本独自のモノづくりと挑戦の歴史を世界的なイベントである「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2010」にて世界にアピールする場となり、そこで実際に当時を彷彿とさせる走行を再現することの歴史的意義により、必ずや日本の各層へのメッセージになると考えています。そしてご協賛いただいた皆様に対しては、様々なビジネスチャンスの可能性を提供できると考えています。

 

 

 

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードからの招待の意味

 


2010年7月2,3,4日の3日間開催される、英国「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に対し、主宰者である英国のマーチ卿から、我々の「Maki F101復元プロジェクト」に対して公式に招待状が届きました。これは極東のエントラントとしては2度目の招待であり、2010年1月20日の日付でした。これは私たちが復元しているMaki F101が世界に認められた時でもありました。
 

「グッドウッド」                http://www.goodwood.co.uk/fos/ 

「グッドウッド」とは、今から300年前、現在の領主であるマーチ卿の先祖の1世と2世の手によって広大な丘陵を植林したものです。その森を「グッドウッド(Goodwood)」と呼び、その広大な敷地の中に飛行場、英国ダービーを開催する競馬場やサーキット、庭にはヒルクライムコース等が有ります。
 

「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」 http://www.goodwood.co.uk/ 

「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」とは、ヒルクライムコースで行われ、参加車両は毎回テーマに沿って全てイベント主宰者のマーチ卿が選び、招待します。

 

このイベントは1993年に始まりました。自動車の過去から現代までの歴史的な名車が集まり、飾りではなく動く自動車博物館として世界的に有名なイベントです。ここには世界中の自動車メーカーや現役F1チームや個人の愛好家に守られてきた名車が一同に集い、格式と権威のある世界ナンバーワンのイベントとして認識されています。日本からの初参加は、99年のホンダF1とマツダルマン優勝車でした。02-03年はトヨタ7&トヨタ7ターボが参加。(自動車メーカーはイベントスポンサーであって正式招待ではありません) 以後自動車メーカーは連続して参加していますが、あくまでも招待は私たちだけです。今年2010年のメインテーマは、“Viva Veloce-Passion of Speed”。イタリア車の歴史的なスピードへの情熱に対して賞賛するものです。

そして、もうひとつのテーマが、“フォーミュラワン世界選手権60周年”。

今年の招待は全世界で36台です。その内ユーロ圏外で10台が選ばれ、Maki F101はその中の1台になりました。これに選ばれるということは、映画界でいえばオスカーにも匹敵するもので、しかも極東からは歴史上2度目のことです。

300年経った森の中を歴史的な車が走る。これを眺める為、世界中から観客が訪れます。

このフェスティバルは昨年で15.8万人の観客動員を誇り、当日券は無く、前売りのみの発売で入場制限をすることになった程です。
 

このプロジェクトは構想から6年が経過しておりますが、私たちはどうしても日本の若者の歴史的な挑戦の事実として、日本製のF1と日本人ドライバーにより、日本製自動車の文化と歴史の一大側面を世界に知らしめたいのです。

 

 

“日本から世界へ”