「ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略」 | ひろじのブログ

「ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略」

1.日本企業の組織における人材育成力が、なぜこでほど劣化してきているのか、
 その背景には大きく5つの要素があります。
 ①競争意識が厳しくなり、人材育成に時間とお金をかける余裕がなくなった。 
 ②仕事内容が変化した。
 ③職場環境が変化した。
 ④若者自信が変化している。
 ⑤産業構造が変化している。

2.ホワイト企業を、たんい離職率が低い企業、働きやすい企業と考えるのは、
  大きな誤り。

3.真のホワイト企業とは、若者を成長させ、変化の激しい時代において雇用の
  質を向上させる企業であり、そのような企業が、組織としてどんなことに
  取り組んでいるのか、それを重視しなければ浮かび上がってこないのです。

4.本来の意味での成果主義は、20代の若者の成長実感と正の相関があります。
  一人ひとりが具体的に、目に見える成果を出さなければいけないという
  プレッシャーは、いい意味で背伸びをさせてくれるのです。
  その仕事が新しい取り組みで、かつ権限が若者に委譲され、上司に
  コーチングされていることが条件。

5.成果主義の要である成果の再現性は、主にその質に表されるのに、客観的で
  異論の出にくい、評価しやすい量的側面に偏ってしまったがために短期的思考や
 チームワーク阻害といった問題が出てきました。

6.自分と一番年齢の近い先輩が30代だったりする。かつ、社会性が低下している  
 ため、年齢差のある先輩がどのようにコミュニケーションをとっていいか分からず、
 非常に孤立しやすい。

7.顧客と接する仕事は、顧客の「個別性」がある場合、無人化が難しい。

8.「日本の歴史をよみなおす」から言えば、室町時代ののあと、七百年余り続いた
 農本主義の日本の最終章に、輸出型製造業による高度成長があった、ということに
 なるのかもしれません。

9.仕事をしてお金をもらうということは、誰か他の人のために価値を生み出す
  ことです。

10.ERG理論
  Existance=生存、Relaredness=関係、Growth=成長という3つの要素によって  
  モチベーションを説明します。

11.二要因理論
  人の欲求を衛生要因と動機づけ要因の二つから説明します。

12.働きやすいが、働きがいがない企業は「人材滞留企業」です。
   それなりの条件で仕事はできますが、業績はおそらく伸びていないし、
   会社も経営環境の変化に十分対応していない。

13.「第一子を生んだときの出産や当初の育児において、夫が精神的な支えに
   なってくれなかった」といったトラウマ体験がある人は、第二子を生まない    
  確率が高いというものです。

14.パソコンに向かって論理を追求し続け、感情は全く使わないとなると、突然、
  感情をが必要になったときにコントロールがきかず、キレやすくなります。

15.とくに分業で、仕事の一部しかしないので、脳の機能の一部しか使わない
   ケースが多い。しかし、会社でだんだん出社して、マネジメントの仕事を
   するようになると、総合的な能力が必要になってきます。

16.自分の子どもの教育に自身の自己実現をすべて投影しなくても、自分には
   仕事の世界があるから、ある意味、子どもを突き放せる。

17.若い人はやる気がないのではなく、どういしていいか分からなくて躓いて
   いるケースが多い。

18.恋にモチベーションをアップさせるような短期的な研修をしても、それは
   モチベーションではなく、ただテンションがアップしているにすぎません。

19.仕事のパフォーマンスを確保するには、
  ①各人が何をすべきかを理解していること。
  ②それを実行できる能力。
  ③それをやる意欲があること。

20.職種別に自分の仕事以外はやらないという分業の仕方は欧米的ですが、
   それは日本のおもてなしに合わないし、生産性も上がらない。

21.チャレンジして成功し、褒められた体験がないと、成功する気がしない。

22.日本の顧客は、もともとポジティブフィードバックをしない傾向があります。

23.ネガティブフィードバックを受けない対応も大切ですが、初回顧客を固定客に
  していくことが重要なサービス業では、客からのポジティブフィードバックを
  積極的に探して、それを増やすような仕組みをつくり、そこからPDCAをまわす
  ことが非常に重要になるのです。

24.「見る」は、自分がたんに見ていればいいのですが、
   「見守る」は、見守られているほうが「見守られている」と認識しない限り、
  何の意味もありません。

25.シェアードサービスやBPOで働く人たちは、仕事の全体感が不可欠です。

26.インドのIT企業によると、日本企業は基礎教育が不十分なまま職場に出す
   から、ソフトウェアの生産性が低いといいます。

「ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略」

高橋俊介(PHP研究所)

800円 + 税

-目次-
序章 ブラック企業VSホワイト企業
 二十代キャリアの質が低下した
 なぜ若者は育たなくなったのか
 OJTがうまくいかにからブラック企業が生まれる
 「働きやすさ」より「働きがい」
 注目すべき沖縄の状況
 ヤマトの「うちなー化」
 これからの人材育成企業のかたち

第Ⅰ章 なぜ日本では二十代が育たないのか

第1章 これまでの人材育成は通じない
 企業のサービス業化が進んでいる
 賃金格差が生じる理由
 やりがいを見出せない二十代が辞めていく
 成果主義が人材育成力を低下させたのか
 コミュニケーションがとれない若者たち

第2章 サービス業化した日本の課題
 「個別性」と「専門性」が仕事を分化する
 人材マネジメントの問題点
 マニュアルにない事態に動対応するか
 単純労働化した鉄道運転士
 拾うタクシーから運ぶタクシーへ
 ホスピタリティ産業化したサービス業
 スペシャリストからプロフェッショナルへ
 サービス業はそもそも日本人に向いているのか
 刷り込まれた規範的仕事観
 赤穂浪士はなぜ仇討ちをしたのか
 やりたい仕事がなければ働かなくてもいい?

第3章 日本的発想からの脱却がホワイト企業をつくる
 働きやすさも働きがいもないブラック企業
 「人を大事にする企業」という美しい誤解
 自律的な人材をどのように育てるのか
 叩き上げ管理職が抱える問題点
 女性の雇用をどう考えるか
 ドイツ型ワークシェアリングからオランダ型へ
 社会を疲弊させる分業システム
 モチベーションマネジメントの罠
 人物評価の固定化が組織を硬直させる

第Ⅱ章 会社を変える人材育成戦略
第4章 人材育成力を高める取り組み
 寄ってたかって育てる
 シミュレーションが応用力を生む
 離職率を大きく下げたサイバーエージェント
 アルバイトの質が高いスターバックスコーヒージャパン
 若手看護師を定着させるには
 ホワイト企業の評価基準
 「働きがいのある会社ランキング」のつくり方

第5章 ホワイト企業の条件
 人材育成企業になる方法
 
 1 ビジョンと人材像の実質化
  「あるべき姿」を定義する
  求める人材をどのように活用するか
  社員に徹底的に腹落ちさせる

 2 コミュニケーションを通じた人材育成
  仕事やキャリアに悩む若手社員に動対応するか
  クレーム対応を重視しすぎない
  共有体験が成長実感を生む

 3 仕事を通じた人材育成
  必要な能力をどのように可視化させるか
  若手社員の教育が上司を成長させる
  成長を継続させるキャリアステップ

 4 職場育成機能を補完する人材育成投資
  人材を定着させる仕組み
  サービス内容を知らない従業員

  リーダーとなる人材へのマネジメント教育
 5 人・仕事・キャリアへの取り組み姿勢の形成支援
  相互の社員を尊重できる環境づくり
  多面フィードバックが内省を促す
  主体的なキャリア意識の形成

第6章 社会として何ができるのか
 経営者は地域で育てる
 人材育成のプロをどう増やすか
 認証制度がホワイト企業を見える化する 
  大学でのキャリア教育
  プロフェッショナルを育てる仕組み
 変わりゆく日本の人材育成