昨夕洗濯物を取り込んでいたら、カマキリがいた。
小さなカマキリ。野菜に惹かれたのだろうか。
父がカマキリになって会いにきてくれた気がして、お父さんの気持ちに答えられなくてごめんなさい。とカマキリに話した。
父は90で、病院に入れられて痴呆が進み今の状況を自分で分かっているかわからない。
もし分かっていても、伝える手段もない。
脳内出血の手術をする前から、自分はもたないだろうと分かったらしく、お葬式や家で死にたい
と周りに話していた。
だから、ここで亡くなっても、天寿だと思う。
亡くなることはもちろん悲しいし、私は父親っこだから、62にもなって涙が止まらない。
無条件で愛してくれた父。離婚して守ってくれる人が居なくなった私に帰ってこいと、即言ってくれた父。どんなに安心していたか、伝えれば良かったな。ありがとうと何度も言うべきだった。
でも、悲しいのはそれだけじゃない。
家に帰りたいと自殺までしようとした父の気持ちを母は拒絶した。精神病院に入れた後も帰りたいと暴れる父が怖くて、自分も面会に行かなかったし、私が会いに行くこともゆるさなかった。
病院名を知ったのは3か月後、先にお見舞いに行った娘に口止めまでする徹底ぶり。
なんか異常としか思えない。
私が、父の思いをくんで在宅介護をしようと提案するのを恐れたのかもしれない。
向こうから連絡をくれることは無い。精神病院に転院させたことも、コロナにかかったことも、こちらから連絡していて、状況を聞いた時にポロっと出て、知る。電話しても5分で向こうから切る。話したくないのだ。
今の状況を受け止めきれて無い。
変な言い方だが、母は自分は被害者だと思っているみたいに感じる。父が倒れなければ、父が我慢して自殺騒ぎを起こさなければ、コロナにかからなければ、私はこんなに辛い思いをすることは無かったのに。どうして自分を苦しめるのか、とポロっと本音がでる。
あなたは妻で、60年以上守ってくれて今も父の年金で暮らしている。それは感謝すべきことだと思うし、歳取れば仕方ないことだと思うのだが。
母も、そのうち同じように倒れる日が来るかもしれない。
姉が在宅介護を拒否すれば、父と同じ経過を辿るかもしれない。その時父の気持ちが分かるのだろうか?
母も高齢だから、在宅介護をやらせるのは無理だろう。でも姉もいるし、私も手伝う。
短い期間でも、三月家に帰れたら、父も納得して施設で暮らしていたかもしれない。
説得するにも、自分達が出来ないと拒絶するだけで無く、父に許しをこう形にすれば絶望しなかった気がする。
私は東京で、別家庭で生きている。
だから、手助けにも限界がある。それは申し訳無いと思っている。謝ってもいる。
でも出来ないことを感情的に怒って、それで話しを切ってしまい、困っているのに助けてくれない、代わってくれない だから頼らない。
という結論になってしまった。
私が悪者になるのは構わない。頼られ無ければ、無理して帰ることも無い。今は会えないが元気になれば母に許可を取らず、会いに行くことも今は出来るし。
でもやりきれていなくて、父や自分達に皺寄せが来ているのをわからないのだろうか?
人を悪者にして、共依存をして、現実から目を背けても上手くはいかない。
介護施設が見つけられなければ、在宅介護するしかない。
もしかして自分が亡くなることになっても、父がコロナにかかったのは、父が母や姉に対して最後に反抗した結果みたいに思う。
私は静かに見守ろうと思う。
