2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:9123ページ
ナイス数:480ナイス

花競べ  向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)感想
桜草・吉野桜 素敵な話。だけど、私は雀がいっちお気に入り。聡明で優しい。花火に手をかざして、お梅に金平糖をあげる姿。実の親・育ての親に尽くす姿が愛おしい。
読了日:7月31日 著者:朝井まかて
乙女虫  奥羽草紙 ―雪の章―乙女虫 奥羽草紙 ―雪の章―感想
仇討ちの向かう男装のおりん。脱藩した浪人 楠岡平馬 。山の中での妖しは、無残に死んだ姫の祟りで人を襲う。そしておりんの本当の気持ちも、密に繋がりがもっと加われば感情移入しやすかったように思う。城主の余りに簡単に騙されるのも、どうかしら。軽く読めた。
読了日:7月29日 著者:澤見彰
白いしるし白いしるし感想
白いキャンバスの白い隆線。白いしるし。心の中に白い斑。指先についた白い絵の具。私は、この場所から動くことが出来ないままでいる。痛いほどに焼け付くほどに恋し、愛したこともある。そして、その始まりから、いつも必ず、必ずお終いが来るのを感じていた。苦しむため、悲しむため、孤独を刻み付けるため。大声で叫びたいけれど、出来なくて、殴りつけたいけれど、冷めたふりをした。自分を自分自身の有りのままを愛することが出来ないように。
読了日:7月29日 著者:西加奈子
先生のお庭番先生のお庭番感想
生まれた時から日本人で日本に暮らしていて、そんなこと、当たり前だと思ってたことが、そうではないんだな、、と 気付かされた。日本語って、素敵だよね。色や香りや味わいを、いろんな言葉で紡ぐことが出来る。花や草や山は、ずっとそこにあったから、そういうもんだと思ってた。日本人の勤勉さ。真面目さ。研究熱心で努力家。いつまでもそうありたいと思う。そして、世界が「剣より花を」であればいい。私たちは、こんな先祖を持って誇らしく思って良いんだよね。
読了日:7月28日 著者:朝井まかて
風が強く吹いている風が強く吹いている感想
走ること、拘るばかりに雁字搦めにされた走。それでも、走らずにはいられない。好きだから。でも、好きなだけではそれが出来ない人は多い。その方が多いかもしれない。ゾーンと言うのは(初めて知ったけれど)味わえる人が本当に羨ましい。ランナーは孤独であっても一人ではない。こんな素敵な人だから、てっぺん捕らえ、また目指していくんだろうね。
読了日:7月27日 著者:三浦しをん
この手紙、とどけ!: 106歳の日本人教師が88歳の台湾人生徒と再会するまでこの手紙、とどけ!: 106歳の日本人教師が88歳の台湾人生徒と再会するまで感想
高木先生(106歳)台湾での教え子に宛てた手紙。親より、親しみを感じ大切にされていたと語る台湾の生徒。「路」を読んで台湾をもっと知りたくて借りました。日本人よりもっと日本の真髄を持ち合わせた彼ら、そして、深い愛を持つ高木先生が素敵です。猫との不思議な縁も、とっても素敵です。120歳、もっと元気で長生きして欲しい。
読了日:7月25日 著者:西谷格
広末保が語る「西鶴物語」 (かたりべ草子 12)広末保が語る「西鶴物語」 (かたりべ草子 12)感想
「阿蘭陀西鶴」を読んで、西鶴が気になっていたところ、図書館で背表紙借り。1600年代に書かれたの?不思議で、素敵で、頭を空っぽにして読める。当時も今も、通じる [箴言 格言]人の業や、優しさがそこにあった。
読了日:7月24日 著者:広末保
サラバ! 下サラバ! 下感想
過去の出来事は、時に美化されて 他の人(関わっていた人であっても)同じように美しい思い出では無いかもしれない。振り返ると現実だったのか、と思うこともあるかもしれない。でも、全て、それらの全てがあって今があり、多くのかかわった人の中に自分も存在したのだろう。忘れたい過去であったとしてもね。『でも私は私を信じる。私でい続けたことを信じているの』と貴子入った。信じる、その『幹』そして私の信じる『サラバ』を、放蕩の旅をしながら、私も探していくのだ。生きていてごめんなさいと思いながらも、、、
読了日:7月22日 著者:西加奈子
サラバ! 上サラバ! 上感想
私自身の中に、貴子がいた。私を見て!!私に気づいて!!そうして思いながら、でも、歩のように、周りの事や人に自分を曝け出さないように、そこに居ないように、気配を殺してもいた。西さんの小説を読むとき私はふっと記憶が甦ることがある。忘れていた自分を思い出すのだ。そして、いつか、自分自身に向き合う時が来るだろう。
読了日:7月21日 著者:西加奈子
やんごとなき読者やんごとなき読者感想
読書に夢中になっていく女王。周りには本を読む人は少なく厨房人ノーマンが話の相手になる。女王の好みとノーマンの好みはやはり、違う。同じ本を読んでも、一人ひとり感じ方は違うもの。だから、女王は『私の立場では、このような教訓を学ぶのは不可欠だ』という。立場や環境、性格、時代など様々な影響もあると思う。私自身以前は読んでも面白いと思わなかった本が興味深く読めたりもする。けれど、女王と同じく、もっと、もっと読みたいという思いは深まるばかり。
読了日:7月21日 著者:アランベネット
おしかくさまおしかくさま感想
確かにお金が無ければ充分な生活はできない。病院にだって行けない。1万円札をおしかくさまの信仰のために燃やす人。私には絶対できない。けれど、お金ばかりでもない。はず。お金は、紙屑になることもあるでしょう。持っている人は更に欲しくなり、無限の貪欲になることもある。この物語にも聖書の言葉らしきものがあるけれど、『あなた方は、天に宝を蓄えなさい、そこでは蛾もサビもなく、誰かに盗まれることもない』というようなことがあったと思う。この本は、いったい、何を言いたかったんだろう。。。
読了日:7月20日 著者:谷川直子
ぬけまいるぬけまいる感想
「成田離婚」という言葉を聞いたのはずいぶん前だな。旅行して初めて相方の姿がわかる。この猪鹿蝶の三人はなんとも、カッコイイではないですか。鹿が10月の札でそこから「シカト」が来てたとは。そんな昔からあった言葉なの?旅先で働いたり、子供や年寄りに力を貸す。やる事成す事カッコイイ。時にほろり。読んで、「ああ、良かった…」と思える。。。まさか、次郎長が出てくるとは、、、まかてさん、凄すぎ。
読了日:7月18日 著者:朝井まかて
豆の上で眠る豆の上で眠る感想
めでたし、めでたし。の話の方が万人受けするだろうけれど、これはそうではない。モヤモヤ感の引きずるはなし、誰も救われないのが悲しすぎるな。血が繋がっていなくても幸せを絵に描いたような。というに相応しい家庭もあるだろう・血が繋がっていても信じあえなかったり不満やるかたないこともある。ほんと、豆を布団の下に敷いたように、具合の悪い読み心地でした・・・
読了日:7月17日 著者:湊かなえ
大炊介始末 (新潮文庫)大炊介始末 (新潮文庫)感想
じんわり、じんわり心に染み込んでいく。戦後の小説でも、時間を経ても同じように悩み、哀しみ 時代を送る。10の短編集。「おたふく」「こんち午の日」は、温もりがあり、「なんの花か薫る」は、胸がギュッと痛くなる。どの話も深くふかく、ゆっくり、ゆっくり心の中に落ちていく短編集。良かった。
読了日:7月16日 著者:山本周五郎
ちゃんちゃらちゃんちゃら感想
 「空仕事」なんて粋な言葉、粋な仕事だ。職人はそのどれも素晴らしい。その道を一途に歩む人は本当に素晴らしい。それが時に、妬みや嫉みになるほどに、その道を極めんとすることに惚れるのか。好きだからこそ嫉妬もするのかもしれない。庭を、日本の庭師を全然知らなかったなと思う。造られた美しさがあり、造る人がいなくなるとそこは廃れていく。自然に勝る美があるだろうかと思っていたけど、ここに、確かにあると思えた。
読了日:7月15日 著者:朝井まかて
銀二貫銀二貫感想
高田郁さんには、ほっとさせられます。どんな苦難や試練も、あきらめなければ必ず明るい輝を魅せてくれると。周りの人々が優しい。優しくなれそうだ・・・
読了日:7月14日 著者:高田郁
等伯 〈下〉等伯 〈下〉感想
狩野松栄・永徳親子、そして、秀吉・利休・前久と関わり。その時代の背景が詳しく記されている。歴史で習ったんだろうか・・・等伯の、思いを推し量るには私にはその技量がないと思った。もっと、私には知らないといけないことがある。浅い自分にため息・・
読了日:7月14日 著者:安部龍太郎
等伯 〈上〉等伯 〈上〉感想
「松林図屏風」を、読み「花鳥の夢」を読みこれに至りました。細かい時代背景、歴史に疎い私は難解で読み進むのが遅くなる。年代・人物メモしないと、わからない。等伯の人柄は、あちらこちらへと、揺蕩うような印象ながら、すごい力を持つ画を残していく。いざ、下巻へ
読了日:7月14日 著者:安部龍太郎
円卓円卓感想
琴子の「ひとりぼっちの わたくし」も「孤独が欲しい」も解る。初めて耳にする言葉、目にする景色・色、匂いや触感、自分に無いことへの憧れ。好奇心と恐怖。この本の言葉に、私の心がゆるゆる、緩んでいく。また、泣かされるわたくし。そうだ、「阿保ぬかせ」も「うるさい ぼけ」も、私は言ってみたかった。私の憧れがそこにあった。文字で、言葉で人の心をマッサージできるんだ・・。否、按摩の方が相応しいか。
読了日:7月11日 著者:西加奈子
さよならドビュッシー (宝島社文庫)さよならドビュッシー (宝島社文庫)感想
 ほんの一年ほどだけれどピアノを習いに行った。パッヘルベルの「カノン」が弾いてみたくて。発表会でズタボロの姿を晒したけれど。『月の光』や、『超絶技巧練習曲 マゼッパ』など、聴きながら、読んだ。文字に色が見えたり、数字に景色が見える人がいるという。私にはそんなことは全くないけれど、この本からは音がふぅわり 浮いてきた。また、ピアノ弾いてみたくなった。
読了日:7月10日 著者:中山七里
ごはんぐるりごはんぐるり感想
食べることの楽しさ、嬉しさ、キラキラ、凄く感じた。久しぶりに、何か作ってみようか。なにか、食べてみようかって思えた。一人暮らしが長くなり、食べることに意欲がなくなった。飲み物さえあればいいと思ってた。ちゃんと食べること、そして、そこに誰かがいて、更に美味しさが増すのだろう。西さんの周りにはいっぱい素敵な人がいるんだなぁ。
読了日:7月9日 著者:西加奈子
こうふく みどりのこうふく みどりの感想
素敵な名前の素敵な人たち。終わりの方では、頭が痛くなるくらい、涙がぼろり ぼろり。今では もう私は、「西加奈子」という字を見ただけで、泣いてしまうようになります。  おばあちゃん、最後はあなたも救われてください。そう思いました。また、大切な物語が増えました。
読了日:7月9日 著者:西加奈子
あい―永遠に在り (時代小説文庫)あい―永遠に在り (時代小説文庫)感想
『先を案ずるな、自ら不安を呼び込むな』『人たるもの本分は眼前にあらずして、永遠にあり』あいは、どんな状況にも困難にも闇の中にハリの先ほどの灯りをも見つけ出す。楽をしようと思えばいくらでも出来ただろうに、わざと自分を険しい道に追い込むように。それは、強く、逞しく、なんと優しい人だろう。わたしは、自分が無意味に無駄に生きてきたことを恥じるばかりだ。。。もっと、深く細かく、読みたい本です。
読了日:7月9日 著者:高田郁
うつくしい人うつくしい人感想
思い当たることが数多く。ぁぁぁ、あの人は私に腹を立てている。人と楽しむことが出来ない。自分は嫌われる天才。人を不快にさせる天才だと何度思ったことか。だから、誰かと深く親しむことが出来ない。友人と呼べる人が少ない。いや、自分が思ってるだけで相手はそう思っていないかもしれない。いつも緊張してる。マティアスや浜崎のような人に会いたい。あるがまま、海はそこに海であり、山はそこに山である。そのままを、あるがままに受け止められるには、どれほどかかるか・・・
読了日:7月8日 著者:西加奈子
花鳥の夢 (文春文庫)花鳥の夢 (文春文庫)感想
『松林図屏風』を読んで、加納永徳にも関心を持った。先に長谷川等伯を読んでいたからか、どうしても等伯寄りの見方をしてしまうのか。永徳は強硬で、鷹派な印象。頑固で、頑な、人の悪いところを探し指摘する。自分を認めてくれない人を悪とし、他者を見下す。なんて奴だろう、と思ったが、その嫌な部分が私自身の中にもあるのを知った。永徳はしかし、自分自身にもとても厳しい人のよう、そこは私とは違う(w)唐獅子図や、檜図屏風を調べて観てみた。そこに圧倒されるばかり。実際に是非観てみたい。
読了日:7月7日 著者:山本兼一
!(ビックリマーク)!(ビックリマーク)感想
 クラスメイト・穴は、思った通りに物語が運ばれた。多分、そうだろうなぁ・・と思った通りになる、それを楽しめた。最期の「全裸部屋」は、『身毒丸』を期待して読んだけれど違った。身毒丸の『母さん、もう一度僕を妊娠してください』・・・と。その方が、美しい気がしたのだ。  けれど、けれど、後味良くない。モヤモヤは抗しがたい。
読了日:7月5日 著者:二宮敦人
Nのために (双葉文庫)Nのために (双葉文庫)感想
 人は、誰かの為にでないと生きるのが難しいように思うんだわ。自分の為だけに、自分だけの為に、誰の事も大切に思わないで生きてる人はいないと思う。けれど、どこかで、何か行違ってしまうことがある。あんなにしてあげたのに、、、って、思う時点で誰かの為ではなくなってるよね?「誰かの為」というのは、きっと相手にさえ解らない部分で惜しみなく、押し付けることなく行われるものなんだ。私には無い。そんな力。欲しい、そんな心が。
読了日:7月5日 著者:湊かなえ
スクラップ・アンド・ビルドスクラップ・アンド・ビルド感想
健斗は凄く優しい人だと思った。私は介護の仕事をしたこともあるけれど、自分の親が5分ごとに同じ事を繰り返し言うのを、3回までも我慢して聞いてやれないいもん!!!腹が立って、「ええ加減にせいよ~~!!」って、思うし、返事さえしなくなるもん。筋肉を鍛える時に自分を追い込んで地獄を感じるほどに鍛えている健斗は、祖父が「死ななくてすんだ、健斗が助けてくれた」と言った言葉のまま、祖父を思う気持ちは大きいと思う。読んで良かった。うん。。
読了日:7月4日 著者:羽田圭介
怒り(下) (中公文庫)怒り(下) (中公文庫)感想
 信じること、言葉にすればあまりに簡単すぎて、あまりにも薄っぺらい気がする。人を殺めることはどんな事情があっても、許されないと思う。「怒り」は何に向かってなのか、誰に向かってなのか。私は自分が傷つくことも、誰かを傷つけることも怖くて逃げている。そんな自分が情けなく思えた、この本で。。
読了日:7月4日 著者:吉田修一
怒り(上) (中公文庫)怒り(上) (中公文庫)感想
先日母の具合が悪くて田舎に帰ったとき、バス停で指名手配犯の顔写真を見たのを思い出した。どの顔も見知った顔ではないようで、でも、どこかで見たような気もする。マンションに住む私は隣の人の顔も知らない。私自身の世界はあまりに狭いと感じた。そして、生きる人一人ひとり そこに歴史があり物語があり、見たくない自分を、知られたくない自分を持っているのかもしれないと思った。
読了日:7月3日 著者:吉田修一
るろうに剣心全28巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)るろうに剣心全28巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)
読了日:7月3日 著者:和月伸宏

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