夕方も過ぎ、そろそろ夕食タイムだ。
かおさん「ひろた、今日はあたしがおごったげるから美味しいもの食べに行こうよ」
ひろた「あんましお腹空いてへんねん」
かおさん「昨日の夜からなんも食べてへんのとちゃうの?」
ひろた「なんやろ?もしかしたら点滴に栄養がたっぷり入ってたからかな?」
かおさん「う〜ん、それやったらひろたの好きなピザでも買ってくるわ。お腹空いたら食べれるやろ?」
ひろた「そーしてくれるとありがたいわ」
かおさんが出かけてボーッとしていたら急に『ゾワッ』という背筋が凍る感じがした。それが10分おきぐらいに襲ってくる。
ひろた(なんや?なんか嫌な感じやな。かおさん、早よ帰ってこーへんかな)
その後も得体のしれない恐怖にビクつきながらジッとしていたらかおさんが帰宅。
かおさん「ただいま、ひろた、ピザ買ってきたよ」
ひろた「なんか背筋が凍る感じがして怖いんやけど」
かおさん「風邪かな?ご飯食べて薬飲んで寝たら?」
ひろた「せやな、なんか風邪かもしれんな」
食卓に二枚のピザと赤ワイン。我が家ではご馳走である。
あまり食欲はなかったが食べなきゃいけないと思い1ピースを口に運んだ。
(ジャリジャリ・・・・・)
ひろた「ペッ!なんや?砂利が入ってるし味がまったくせーへんねんけど!!」
かおさん「そんなことないよ。普通に美味しいやん」
ひろた「マジ?」
もう一回、口にした。
(ジャリジャリ・・・・・)
ひろた「何これ?ほんまに味せーへんし、砂利みたい。なんかオレおかしくなった?」
恐怖感が湧き出たその時だった。
『ドクン』
昨日のやつがきた。後頭部が血で滲み出たような熱い感覚とともに激しい目眩と動悸
ひろた「あかん!死ぬ!救急車、救急車呼んで!」
その後はパニック状態になり記憶も曖昧になった。とにかく死ぬという恐怖感だけがひろたを支配した。
2度目の救急車。まさかこんなに早くご乗車するとは・・・
昨日と同じ病院へ運ばれたが、着いたときには昨日と同じく普通に戻っていた。
すぐに点滴をされたのだが急激な気絶感?多分、安定剤からの眠気のようなものが襲ってきて意識がなくなった。
2時間ほど経ったころ目が覚めた。
看護師さんが気づき医師を呼びに行った。かおさんはベットのひろたの足元で座ったまま寝ていた。
医師A「気分はどうですか?」
ひろたは味がしないことや背筋が凍る感じや頭の中に血が流れるような恐怖感を矢継ぎ早に話した。
医師A「今朝、お渡ししたお薬は飲まれました?」
ひろた(やべ、捨てたなんて言えんな)
ひろた「いや、その、帰宅途中にボーッとしてたのか落としてしまいまして」
嘘つきである。
医師A「ここではなんですので診察室へ行きましょうか」
絶望への扉が開くのであった。
つづく