詩 高階杞一〈贈り物〉

夢にも
帰っていく所があるんだろうか
明け方の人通りの少ない道で
ふいに不審尋問された時
はっきりと答えられるような場所が
あるんだろうか
そこでは
たくさんの夢が星座のように積み上げられて
手をのばせば
いつでも好きな夢に手が届く
もし
そんな場所があるなら
行って
その中の一番素敵なやつをもらってこよう
そして
それをそっと君の夜に届けよう
長い間出せないままでいた 長い
手紙のようにして

/////

なんとも幻想的な世界ですね!

目を閉じると、まるで絵本の世界に飛び込んだような景色が見えてきます。

皆さんの頭の中では、
この詩の世界にどんな「絵」を描きますか?


この詩は1989年に出版された詩集「キリンの洗濯」の中に収められています。


思い返せば、1995年、Windows95の発売によって世の中は劇的に変わりました。

今は「当たり前」で標準装備のEメール、ワードやエクセルはありませんでした。

1989年の家電店には、高価なワープロ機器が所狭しと並んでいました。

そうです。電子メールの時代ではありませんでした。

時間をかけて、想いを込めて、便せんに向き合い手紙を書くことの方が「当たり前」でした。

「〜長い間出せないままでいた 長い
手紙のようにして」

このセンテンスで、グッと
読む者の心の中に入っていきますね!

まるで第三者感覚から、一人称に届くようにして

絵本をそっと閉じていきます・・・

この素敵な詩を題材に、横山潤子先生が混声合唱曲集「笑いのコーラス」の中で曲を創られています。

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好評の女声合唱曲集を横山潤子先生ご自身が混声版に編曲されて2013年に発売されました。

今、私はこの曲にアプローチしています。

柔らかな表情を持つ声とキラキラした声と解釈が求められます。


柔らかな表情を持つ声は、
余裕のある肺活量、
横隔膜を支える筋力、
継続的に息を送り出す筋力、

キラキラした声は、
首のうしろをしっかりと開いたり、
高い響きの意識と
声を送りだすポイントを意識する必要があるでしょうか?

子音の発する位置、母音の音色を聴きあい揃える練習が必要ですね。

フレーズが活きるために要求される

con moto=with motion

いろいろとやり甲斐がありそうです^_^/

その先には、

「声で歌うのではなく、意味で歌う」

があります。

仲間とこの曲に取り組んでみたい

今、私は札幌混声合唱団の仲間と
曲について語る未来が楽しみでいます^_^/



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