自宅出産のすすめ | 子供と離れて暮らす親の心の悩みを軽くしたい

あなたの体の遺伝子の数はどれくらいだと思いますか?

 

ネズミの遺伝子は2万3千個、ミジンコの遺伝子は3万1千個です。

人間は万物の霊長と言われていますので、ネズミやミジンコに比べれば遥かに多い遺伝子を持っていると思われるでしょう。

 

でも実は、あなたの体の遺伝子はミジンコの数より少ないのです。

その数、2万1千個です。

 

ではどうやって、ミジンコよりも少ない遺伝子で、万物の霊長と言われる人間の体を維持しているのでしょうか?

 

それは、あなたの体に住んでいる微生物さんたちのおかげです。

あなたの体には、100兆個もの微生物さんが住んでおり

(共生)、その微生物さんたちの遺伝子は440万個になります。

 

あなたの体の遺伝子は2万1千個ですので、微生物さんの約0、5%になります。

 

実は、あなたは、微生物さんたちによって生かされているのです。

 

あなたの食べた食物は、胃袋で酵素によって消化され、次に全長7メートルの小腸に運ばれます。そこで小腸や胃や膵臓から送り込まれた酵素により、食物の大きな分子は、小さく分解され消化され、腸壁を通って血管に入り、全身に運ばれます。

 

タンパク質はアミノ酸やペプチドに、炭水化物はブドウ糖や果糖に、脂肪はグリセロールや脂肪酸に、といった具合に細かく分解されていきます。

 

次に、大腸に運ばれ、そこに共生している微生物さんたちが食べます。微生物さん自身が持っている酵素により、分解して食べます。そして、その残りを腸壁から吸収されて血液を通して全身に運ばれます。

 

つまり、あなたが口に入れた食物は、あなたの体にある遺伝子によって作られた消化酵素の働きにより、一部は小腸で消化吸収され、次に、あなたの大腸に住んでいる微生物さんたちが作った消化酵素により消化され、それを微生物さんたちが食べ、残りの大部分を大腸から吸収されるという仕組みになっています。

 

ほとんどが、あなたが飼っている微生物さんのおかげで、消化吸収できているのです。

 

ダイエットが流行っています。

色々なダイエット方法が考案されて、流行していきます。

食事の量を減らして(カロリー制限)、運動して(カロリー消費)、そのカロリー差を限りなく減らすことで、ダイエットができるという考え方です。

 

しかし、痩せている人でも、太っている人より多くの量を食べる人はよく見かけます。

痩せの大食いというのは極端にしても、必ずしもカロリー制限して運動をたくさんしている人が痩せているというわけではありません。

 

私も結構な量を食べますし、ほとんど運動しませんが、体型は痩せ気味です。

 

何が違うのでしょうか?

それは、太っている人と痩せている人の腸内に住んでいる微生物さんたちが違うからです。

 

ベルギーのルーバン・カトリック大学のパトリス・カニ氏は、アッカーマンシアという細菌が痩せている人の腸内に、たくさん生息していると発見しました。

 

このアッカーマンシアはオリゴ糖が大好物ですので、食物繊維と一緒にオリゴ糖を食べると、アッカーマンシアが大量に繁殖します。そして、今まで通り、高脂肪の食事を取り続けていても、コレステロール値が下がり体重増加の速度も軽減されます。

 

このアッカーマンシアは、腸壁を覆っている粘膜を厚くしてくれます。それにより、リポ多糖という血液に入ると脂肪組織に炎症を起こして、不健康に体重を増やすことを促進してしまうものが、血液に入るのを阻止してくれます。

 

また、体重増加に抗生物質が関係しています。

養鶏農家や畜産農家では、鶏や牛や豚に、抗生物質を当たり前のように餌と混ぜて与えてます。

 

なぜそのようなことをするかというと、感染症の予防もありますが、経済的な理由も大いにあります。

抗生物質を与えると、鶏やぶたや牛の生育が促進されるのです。

 

あなたは、抗生物質を与えられた肉を食べていることになりますが、抗生物質による体重増加は、人間でも当てはまります。

 

子供の頃、よく医者に行って抗生物質を処方されて飲んだ人は多いと思います。

 

子供にちょっと軽い中耳炎の症状が出て、耳鼻科に行くと、医者は抗生物質を処方します。鼻の炎症でも同じです。

耳と鼻は繋がっており、子供の頃はよく炎症を起こします。

 

この抗生物質を飲むと、どういう弊害があるかというと、腸内にある微生物さんたちが死滅します。

じゅうたん爆撃を食らったようなものです。

それまで、微生物さんたちが作ったコロニーやフローラ(お花畑)が、見るも無残に焼け野原となってしまいます。

 

それにより、病原菌を殺すことができるので、医者の立場としては、処方しての抗生物質を飲むように進めますが、その通りにすると、副作用に苦しむことになります。

 

一旦、焼け野原となったコロニーやフローラを元に戻そうとすると、大変な時間がかかってしまいます。

 

そして、肥満の原因にもなったり、アトピーや花粉症といった免疫系の異常によるアレルギーにもなりやすくなります。

 

私が子供の頃は、花粉症とかアトピーは聞いたことがありませんでしたが、今では当たり前ですし、その数も増えています。

また、自閉症といった精神障害にもこの抗生物質との関連が指摘されています。

 

あなたの腸内に住んでいる微生物さんたちは、あなたの健康だけでなく心にも大きな影響を与えているのです。

 

今、70歳以上の人たちに、花粉症やアトピーといったアレルギーを持っている人は見かけません。

 

なぜでしょうか?

 

よく、戦前の適度の不衛生な環境に育ったので、それがかえってよかった、というような説明がされます。

 

抗生物質が一般に普及しだしたのは、1944年 連合国がノルマンディ上陸作戦を行ったとき、負傷した兵隊に治療を施す為にペニシリンが使われだしたのが始まりです。

 

その後、ペニシリンを始め20週類の抗生物質が作られ、大量生産されるようになり、それまで不二の病と言われていた色々な伝染病を根絶することができました。

 

抗生物質は人類にとってとても大きな貢献をしてくれました。

 

しかし、それを救急医療目的ではなく、ちょっとしたことで頻繁に使ってしまうと、色々と弊害が生じてしまいます。

 

以前は、私も風邪をひくと必ず医師にいき、抗生物質を処方してもらいました。

風邪が、抗生物質を飲むことで治るわけではないのですが、風邪を引いたら抗生物質という、おきまりの行動パターンとなっていました。

 

今70歳以上の人たちは、子供の頃に抗生物質というものは存在していませんでした。

 

存在していても、それは本当に生きるか死ぬかという重症患者の緊急医療の時に使われたりしていたので、風邪やちょっとした耳や鼻の炎症程度のことで、抗生物質を処方されるということはありませんでした。

 

その結果、70歳以上の人の腸内に住んでいる微生物さんたちは、死滅することなく、コロニーやフローラ(お花畑)を育んで行くことができたのです。

 

子供の頃、特に生後18ヶ月以内で、抗生物質を服用してしまうと、腸内の微生物さんに重症な影響を与えてします。

 

お母さんのお腹にいる赤ちゃんは、まだ、腸内に微生物さんは存在していません。羊水の中にいる時は、外界の微生物からも、お母さんの微生物からも守られています。

いつから住み着くかというと、破水と同時に微生物さんが入ってきます。

お母さんが陣痛で苦しんでいる時、お母さんの産道を通っていく際に、膣の中にいる微生物さんを、お母さんからプレゼントされます。

 

膣の中には微生物さんがたくさん生息しています。

特にビフィズス菌がたくさんいます。その微生物さんが赤ちゃんの体に付着します。

 

次に産道から赤ちゃんが顔を出した時、今度は産道にいる微生物とは別の微生物のプレゼントを受け取ります。お母さんの糞便の中にいる微生物さんたちです。

 

陣痛時や出産時に、ほとんどの女性は排便をします。

それは子宮収縮ホルモンの影響や産道を通ってくる赤ちゃんの圧力のためですが、お母さんが次の陣痛のために一呼吸置いている時に、お母さんからの最高のプレゼントである、微生物さんを受け取り、人生の幸先のいいスタートを切ることになるのです。

 

赤ちゃんの腸内に住み着いた微生物さんはラクトバチルスという乳酸菌になります。この微生物さんはミルクをヨーグルトに変えたり、微生物さん自身で抗生物質(バクテリオシン)を作り出します。

 

赤ちゃんに住み着いた微生物さんは数年かけて、赤ちゃんの腸内に生物多様性の生態系を作っていきます。

 

このとても大切な時期に、抗生物質を外部から入れてしまうと、とんでもないことになってしまいます。

未熟児に生まれた赤ちゃんが、抗生物質を服用することで、体重が増加するということはよくあります。

体重が増加したからといって、いいことばかりではありません。

 

せっかく、お母さんから最高のプレゼントをいただいた赤ちゃんの腸内では、ほとんど微生物さんが死滅してしまい、ミルクから十分な栄養を消化吸収できなくなったり、色々なアレルギー症状を起こしたり、自閉症などの精神疾患になってしまったりします。

 

昔は、自宅出産が当たり前でした。近所からお産婆さんを呼んで、自宅で産みました。病院出産はごく最近になってからです。また、人類の歴史からいっても、病院で出産するというのは、極めて珍しい行為になります。

 

しかし、現代では、自宅出産をするというと、周りから寄ってたかって、反対されてしまいます。危ない、危険、もし万が一のことがあったらどうする、とかいわれてしまいます。

 

私は、最初の子供が妊娠した時に自宅出産を希望しましたが、当時の奥さんから反対にあり、病院出産になりました。

 

なぜ、自宅出産を希望したかというと、まず陣痛促進剤の弊害、それから、せっかくお母さんからの最高のプレゼントである、膣と糞便に宿っていた微生物さんたちを、病院では「不潔」といって、綺麗さっぱり消毒して洗い流してしまうからです。

 

赤ちゃんが、これから長い人生、肉体的にも精神的にも健康に生きていく上でとても重要な微生物さんたちを、全て殺してしまうのです。

 

せっかくお母さんから頂いた最高のプレゼントである微生物さんたちを、せっかく幸先のいい人生をスタートできると思っていた矢先に、「不潔」といって、ゴミ箱に捨てられてしまうのです。

 

これでは、病原菌に弱い子供に育っていってしまうでしょう。

 

現代の産婦人科では、陣痛促進剤を入れられ、その後帝王切開というパターンが王道になっています。

 

昔は帝王切開というのはごく稀のケースでした。

よっぽどでない限り、自然分娩でした。

 

なぜ、帝王切開を進めるかというと、それは病院側の経済的な理由です。その方が儲かるからです。

 

病院では、様々な書類にサインを要求されます。

ほとんどの人は、内容をよく読まずにサインします。

 

そして、病院の言われるままに、帝王切開をせざるを得ない状況に持って行かれて、有無を言わさず、帝王切開という流れになります。

 

帝王切開がなぜ悪いかというと、お母さんの膣を通らないで出産してしまうからです。

 

するとどうなると思いますか?

 

お母さんからの最高のプレゼントである、微生物さんをもらいそびれてしまうのです。

 

これからの時代は、病院ではなく自宅出産に積極的に切り替えていく必要あります。

そうすれば、現代病と言われるものはかなり、軽減されていくことでしょう。