【注】全て事実ですが、思い出し書いていて、一言一句 間違いなく!書いている訳ではなく、覚えてる範囲で書いてるので 時期や期間など多少ズレなどがありまする~
昔。
昔の昔の昔の話ですが、実話です。
シャボンが中2の時でした。
シャボンの家の近くに 文房具屋さんがあって
何を買いに行ったか、一人で文房具屋さんに行った帰り道でした。
黒い長いコートを来た背の高い 男の人に
「ここから一番近い駅って…何処か知ってる?」
と、そんな風に道を聞かれたシャボン。
道を聞かれ、教えたシャボンに
「ありがとう♪夜やのに女の子一人やったら危ないよ♪
家は近いの?」
そう時間は遅くなかったけど 冬だったから暗かった。
ついで、その場が暗く その男の人は そう言ったんだと思う。
中2。もうすぐ中3になる時だった。
まさか、こんなきっかけで
シャボンは この男の人と長い付き合いになるとは
思いもしなかったんだ。
その時。
その夜、寒いからと 温かい物を 前にあった自販機で買ってくれ
何故か その男の人の言う通りに
近くのベンチで 座って 男の人が話す事を
「うん。うん。」と 話を聞いていたシャボン。
何か聞かれたかもしれないけど
内容は覚えてない…。
ただ、相手が大人に見え
去り際が分からなかった。
話を聞いたのは、たぶん…30分くらいだったんじゃないかな。
「ゴメンね。急に こんな風に。
ありがとうね。」
そんな感じに その人は言い、そのベンチから立って
駅まで向かう道と シャボンの家は同じ方向だったから
少し同じ道を歩くようになり
それを分かったのか、分からないけど、その人は 自分のコートを脱ぎ シャボンにそっとかけたんだった。
びっくりした。
良い匂いがした。
シャボンは 何故か されるままで
「…ありがとうございます…」
みたいな感じな事を言って
大人に見えたその人を 何故か怖い!とか 全然思わなかったんだ。
シャボンの家がこっち。
駅は向こう、となった時
「本当にありがとう。
助かったよ。
俺が言うのもおかしいけど 知らない男の人の言う事を 聞いたらアカンよ。
はい、これ。電話番号。
何か困った事でもあったら電話しておいで♪ 」
そう言って シャボンに電話番号が書いた紙を渡した。
自販機で鞄から何かを取り出し
書いてたように映ったのは電話番号だったのか…
「名前は?」と 聞かれ
「シャボン…」と答えると
「ありがとう、シャボンちゃん。
じゃ、また♪」
と その人はそっと手を出したんだ。
握手の手だった。
え??握手??
一瞬びっくりしたが、不思議に思いながらも
シャボンはゆっくり手を出したんだった。
そのまま振り返らずに家に向かうシャボンは知らないが、
今思えば、たぶん その人は その場で シャボンが見えなくなるまでいたんだと思う。
変な夜だった。
コートを脱いだはずのシャボンの服に、良い匂いがついていて
大人の人の良い匂いだ…な感じくらいで
電話番号が書かれてた紙も そう意識せず
シャボンにしたら なんだったんだ…?くらいにスルーだった。
何日後かに 同じような時間に オカンと近くのスーパーに行く時だった。
あの人と別れた、あの分かれ道で
黒いコートを来たあの人が立っていた。
今思えば、変質者か!?みたいに(笑)、電信柱の横に。
え…?!あの人…??
オカンと歩いてたら 自然に近づいてしまうシャボン。
ビンゴやん!と気付いたが
何故か オカンといたシャボンは その人を無視するように
チラリとも その人を見ずに
電信柱を通り過ぎたんだ。
スーパーはすぐそこ。
スーパーで買い物するオカンの後ろでカゴを持つシャボンは
無視した事、無視した自分や、その人を色々考えてて…
めちゃくちゃ悪い事をしたような気になり、たまらなくなった。
どうしよう…
優しくしてもらったのに、無視なんて…
色々考えて オカンに「ちょっと先 家帰る!」
と言って シャボンはスーパーを後にし
電信柱に向かった。
何をどう言うとか 深くも考えてなかった。
なんか悪い事をした…そんな気持ちだけだった。
電信柱に走って行くと
黒いコートの人はいなかった。
おらん…。一瞬安心したんだけど
その後に 物凄い自分は悪い事をしたと言う感じだけが残った。
それから 何日も何日も 電信柱にその人の姿は無くて
何日も何日も経つにつれて
悪い事をした…と言う気持ちが 大きくなっていった。
どれくらい日にちが経ったか はっきり覚えてないけど
2週間くらい…かな?ある日 電信柱にその人が立ってた。
シャボンは今度、学校帰りで遊んで帰って来て遅くなった夜だった。
もちろん友達は、そのコートの人を知らない訳で
その人が立ってる近い場所で 少し友達と普通に話してたシャボン。
でも、気になって仕方ない。
(この間も無視したし、今も無視みたいに…
ずっとずっと その場にいたかもしれないその人が
寒いのに いつからいたんだろう…)と思うと
友達の話が耳に入らなかった。
友達と別れる。
シャボンはそのまま家の方向に少し歩く、
振り返り、友達が見えなくなってから
走って その人の所に行ったシャボン。
(なんかまた、ゴメンなさい…)
みたいな、そんな純粋な気持ちだけで
何を言うとか 考えてもなかったと思う。
走って電信柱に向かうと 、長い黒いコートを着たその人は
ニッコリ優しい顔で笑ってたのが明かりで分かった。
シャボンが何か言う前に
「なんか ゴメンね。」
その人が先に謝った。
「あの……すみません…。無視してしまって…」
みたいな事をシャボンは言ったんだ。
謝る事なんて何もしてないよ♪
謝らないといけないのは俺の方だよ♪
と、ニッコリ笑って その人は そんな風な事を言ったんだ。
少し関西弁が混じる、標準語だった。
お兄ちゃんみたい。
お兄ちゃんって こんな感じで優しいんじゃないのか?
普通に ごく自然に その人を良い人だと思ったんだ。
何を話したんだったか…
その時も、最後に握手。
何故だか その人は別れ際に握手を必ずする人だった。
それから 時々 その人は電信柱にいたけど
シャボンの家や電話番号を聞く事もなければ
シャボンが電話をかける事も無かったんだ。
違和感すら感じもしなかった。
時が経ち
シャボンは少しずつ 成長する。
髪型も髪の色も 服装も変わる。
そのうち 電信柱にその人が立つ事が無くなった。
いや…シャボンが 帰りも遅く遅くなっていたし
自然に会う事が無くなっていった、そんな感じだった。
シャボンは なんか その人が電信柱にいなくても
もう別に何も感じないくらい普通に電信柱を過ぎていた。
ずっとずっと。
そのうち、日々の生活の中で存在が薄れて行った。
突然 その日は来た。
シャボンは 友達と長電話してて オカンに怒られ
夜中、車が結構通る道路横の電話ボックスに 自転車で向かい
友達とずっと話してたんだ。
ボックス横の道路に車が停まった。
車の中から 3人 男の人が下りてきた。
シャボンが高2?になってたか?くらいだった。
ニヤニヤしながら 若い兄ちゃんが シャボンの電話ボックスを囲んだ。
ヤバい!そう感じたシャボンは 友達の電話を瞬時に切ると
ボックスの後ろのドアを開けられないように 力いっぱいドアを背中にあて
左右、手で踏ん張って、
片足を電話張が置いてある辺りくらいに置いて突っ張り、
ニヤニヤする兄ちゃんらをシャボンは中から睨んでた。
ボックス左横では しゃがみ込んで覗く兄ちゃん一人。
シャボンが足を上げて踏ん張ってるから。
背中のドアで 叩くようにバンバンする兄ちゃん一人。
右隣の電話ボックスに入り
「出てこいよ~♪」を繰り返す兄ちゃん一人。
シャボン、絶体絶命だった。
その兄ちゃんにしたら遊びだったかもしれないけど
シャボンにしたら 恐怖でしかなく
誰か 助けてくれ!!な感じで なんしか必死だった。
誰か!誰か!
早く兄ちゃんら、諦めて帰ってくれ!!
踏ん張りながら
誰か…助けてくれ!と思っていたら
ふと、よぎった。
黒いコートのあの人を。
背中はドア。
片足は電話帳が置いてある棚あたり、
力いっぱい踏ん張りながら
周りの兄ちゃんの様子を伺い、
背中にいた兄ちゃんがドアを叩かなくなって、
道路の車に何か取りに行ったか?
と、離れたその時に
シャボンは片手で自分のアドレス帳を出し
確か…確か…
と、アドレス帳の中のビニールに、挟んであった 古くなった紙を取り出した。
何年も前に黒いコートを来たお兄ちゃんに貰った電話番号。
【困ったら電話しておいで♪】
…お願い……出て!!!
あの黒いコートの人に電話したんだった。
夜中だったのに、すぐに 電話にその人は普通に電話に出たんだ。
「助けて!」
名前も言わなかったような気がする。
今 自分が何処にいて、どんな状態なのかを
ニヤニヤしながら見てる兄ちゃんに、わざと聞こえるように言ったんだ。
その黒いコートの人は、落ち着いたゆっくりした声で 言った。
「今からすぐに行く。
まだ踏ん張れる?
俺が行くまで、我慢出来なくなったら
誰も助けてくれそうになかったら
電話の赤いボタンを押す。
わかった?大丈夫!大丈夫やからな」
そう言って電話は切れた。
誰を呼んだんだ~?
とか 笑ってた兄ちゃん達は、少しそんな事をシャボンに言っては笑って
遊んでたけど、かなり経つと、仕方なく車に戻ったんだった。
そのまま物凄い音を立てて、車は消えたんだった。
電話ボックスから出られなかった…シャボン。
もう誰もいないのに 力が抜けて安心して、中で座り込んでた。
良かった…
全身に力を入れてたのが、一気に抜けに抜けてく。
キー!また車が停まる。
ハッとした。
またニヤニヤした兄ちゃんが戻って来たと思って
帰ってきた!と思って
早業で振り返ると 黒いコートを着ていない「あの人」だった。
そだ…電話したんだった…
ふと安心して 来てくれた事に もっと安心して
泣けてきた。
「大丈夫?大丈夫♪怖かったね♪よく頑張ったね♪」
な事を言われ
ウンウン……頷くシャボン。
背の高い懐かしい良い匂いのするその人に、いい子いい子されてたわ…シャボン。
車を電話ボックス横に路駐したまま
歩いてシャボンの家まで送ってくれた。
もう夜中なんかに女の子は出ちゃいけないよ♪
そう言って 久しぶりに握手して その人は去って行った。
欲しかったお兄ちゃんのように感じ、
薄くなってた存在が、その日 忘れられない事をきっかけに
シャボンの中で「お兄ちゃん」として 大きな存在になるのだった。
続く…