LUXE(リュクス) ディレイ・ビューイング

 

(上映時間 およそ2時間30分)

【監修・演出】尾上菊之丞

【構成・脚本・演出】原田諒 (宝塚歌劇団)

【出演】
髙橋大輔、荒川静香、柚希礼音、平原綾香、福士誠治、波岡一喜、鈴木明子、織田信成、

村上佳菜子、村元哉中、西岡德馬 他
Guest Skater:田中刑事


<概要>

「世界巡り」をテーマとして上演する、レビュー仕立てのアイスショー。 「LUXE(リュクス)」はフランス語で優雅、豪華、贅を凝らしたことを意味する。

2021年5月17日(月)、横浜アリーナ(神奈川県)で開催された「LUXE(リュクス)」千秋楽公演の完全編集版。

 

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5月、コロナ禍が拡大する中、泣く泣く現地観覧を諦めたアイスショー「LUXE」。

有料放送ですでに観たことありますが、大画面で観る機会があるというので行ってきました。

あまりに久々すぎて、前回いつ映画館に行ったのか覚えがない(コロナ禍前はそれなりに映画観てたのに)。

閉鎖空間に少し怖さもありましたが、行って良かったです。

 

この公演は、11のシーンから構成された、レビュー仕立てのアイスショー。

特に印象に残ったものだけ感想っぽいものを書き残します。

 

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Fantome~幻~

緑濃きアマゾンの奥深く、旅人は月の光を浴びた一輪の花を見つける。
その妖しい美しさに心を奪われた男は、幻の一夜を過ごす−− 

 

荒川さんが妖艶な人食い花、吉野公平さん(かな?)が旅人役。

お二人とも見せ方がすごく上手い。

荒川さんはスケートでの見せ方が抜群に上手くて驚愕、吉野さんは芝居心もある感じ。

ドラマティックなテーマで、結末も分かってはいるものの、最後までドキドキしながら観ました。

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Miroirto~鏡~

湖の水面に自らの姿を映したナルシス。彼は水底から、もう一人の自分に見つめられていることに気づく。美に囚われた一人の男の光と影−−−− 。

 

髙橋大輔さんと田中刑事くんのデュエット。

二人の異なる色気ダダ漏れのこの演目の美しさと言ったら…ああ好き!!

立っている一方の回りをもう一人が手を伸ばしながら回るシーンがそれぞれあるのですが、善人の権化みたいな刑事くんから放たれる、値踏みするような強気な目線、ゾクゾクしますね。

対照的に不安げな大輔さんの、目線や指先まで行き届いた繊細な表現、ご飯3杯いけますね

 

最近の試合を観ていても、表現者としての田中刑事選手の成長ぶりには目を見張るものがあります(ウエメセか!)

いえ元から優れた選手でしたけど、最近は萎縮とか恥じらいとかが少なくなって、率直に表現出来るようになった感じがしたので、まさにいいタイミング、いいキャスティングだなぁと。

大輔さんと一対一で対峙する刑事くんはきっと緊張したに違いない。お疲れさまです(謎の母目線)

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Reves~夢~

ダイヤモンドの歌手による主題歌「LUXE –リュクス–」。
そしてシャンソンの名曲に乗せて煌びやかな宝石たちが贈る、夢のクリスタル・レビュー。

 

平原綾香さんの迫力ある歌唱に合わせ、スケーターが舞う。

中でも大輔さんと村元哉中さんの「黒い鷲」は圧巻。

大輔さんってスケートスゴクウマイデスネ(今さらな暴言を吐きました)。いえ、この演目で改めてそう思ったので。

 

ところで私は「愛の讃歌」にはちょっぴり厳しいのだ。エディット・ピアフは舞台方面でも馴染みがありますから。

…うん、担当したお二方はもちっと頑張れ。まさに典型的な、シングルとシングルの表現だったように見えました。よりによって「愛の讃歌」かぁ…

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Phenix~不死鳥~

果てなき世界を旅してきた光の王子。
長い旅路の果てに見出した、彼が生きるべき場所とは−−−− 

 

上手く言えないですが、なんだかちょっと泣いてしまいました。

ただメロディーに合わせて舞ってるだけなのに。

ああ蘇ってくれて本当に良かった。

 

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ところでこの記事を書き始めて初めて気付いたのですが、この公演のチケットってどのプレイガイドを見ても、まず「出演者」が最初に載ってるんですね。

いままで演劇系の感想ばかり書いていた自分は、少し驚きました。

演劇の公演はまず演出家、次に脚本や作曲やまれに振付とかが来て、出演者はその次だと思います。

こういった細かいところを見ても、スケートの公演はまず出演者ありきなのだなというのがよく分かります。

あ、それが悪いというのではないです。現実にそうだな、と確認したというだけの話。

 

「大輔さんっていい男だなぁ」としみじみ思ったのは何度目かな。

あ、お顔のつくりそのものの事ではなくて(ご、ごめんなさい。自分の好みとは違うので)、目の輝きっていうか表情というか、そういうの。

 

大輔さんがアイスダンスに本格的に挑戦すると知った時、「ああ、この人はデュエットの歌い方を学びに行くのだな」と思ったんですよね。

ミュージカル俳優さんでたまにいらっしゃるのです、ソロは巧いのにデュエット苦手な人。

きちんと音程は取れてるし相手にも合わせてる、でもどこまでも一人で歌ってる感じがする。

それは「恋する男」であって「恋人同士」じゃないんですね。

恋愛ものの多いミュージカルでは、観客が物語に入り込めないのでなかなか厳しいです。

 

アイスショーでもよく同じことを思います。

シングルスケーター同士が一緒に滑っても、やっぱり一人と一人だなって。

 

アイスダンスを本格的に学ぶって、元々ソロの超絶上手い人がデュエットも上手くなるわけで、もうそれ表現者として無敵じゃないですか?

今後もストーリー仕立てのアイスショーをやるなら、可能性はさらに無限大になったのでは。

その一端を、このLUXEで見せていただいたように思います。

 

と、言いつつ一番感動したシーンは大輔さんのソロなのですが(*^_^*)

 

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チーム・ラボさんの映像も素晴らしかった。

スケートリンクという真っ白なキャンバスに、世界各国の場面を見事に映し出しました。

上演中はどうしても出演者を中心に観てしまうのですが、もし現地で3回くらい観られたら、1回は映像に注目して観たい。ただの背景にしてしまうのはもったいない。

リンクって海の映像と相性いいですね。

 

でもちょっと不満なのは、アイスショーにつきものの壁の看板。世界観が台無し。

もちろんスポンサーさんは大切だけど、物語仕立てのアイスショーの時だけはもう少しなんとかならないものでしょうか。

もひとつ残念に思ったのは、今回BLUE TOKYOさんが参加しておられないことかな。

床を設置したシーンもあったので、どうせならアクロバティックなものも観てみたかった。というか床のプロの技が観たかった。

 

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本編終了後に髙橋大輔さんのご挨拶映像があり、「SNSで感想を書いて下さい」っておっしゃってたのをいいことに、辺境ブログにて遅ればせながらつらつらと書き連ねました。

「氷艶」はこれからどう進化していくのでしょうか。楽しみでなりません。

ああ、それにつけても現地で観たかったことよ。コロナめむかっ

遠い現地に行けないのは仕方ないことと諦めていましたが、ディレイ・ビューイングという形で叶えてくれて、とても嬉しかったです。