silly talkですってよ。 -5ページ目

silly talkですってよ。

妄想の産物っす。

妄想っす。

もう一度言いますが、妄想の産物っす。

当たり前だけど、日本酒は米から作られます。1








「この手が…誰かを殺せる程だと…知ったあの日から…」
松本くんの腕を掴んだまま。
「大切なモノを…作らない様に…生きてた」

言葉を…。
紡ぐ。

「激昂した自分は…手が付けられない…と、知ったから…ね」

誰にも話したことの無い…。

「人なんて…殴った事も無かったよ…」

あの日の話し。

「殴っても…痛いって…あの日知った…」

俺の指は…。
折れていた。

「…無敵なんて…さ…あるわけ、ねぇのに…な」

無敵では無かった。


折れた指。

折れた…心。

順風満帆だった俺の人生に…。
吹いた逆風。

「しかもさ?」
「…」
「俺は…アイツに守られたんだよ…」

当然、警察沙汰になることなんて覚悟してた。
でも、俺のした事が…。
公になることはなく。

上が出した判断は…。

『自主退職』だった。

「アイツが残した全ての証拠のおかげで、会社の出した答えは…そんなもんよ?」

守ってると思って。
守られていた。

真っ直ぐで。
純粋で。
やる気だけは人一倍の…。

後輩のアイツに。

「体裁? ってやつ?」

くだらないそんなもんの為に。

そんな会社にいた自分に。
そんな会社の利益の為に…。
自分が遮二無二だった事に…。


心底。


反吐が出た。


俺もアイツも…。

ただの駒に過ぎない。

それを知って。
思い知らされて…。


「アホらしく…なった…」


どうでもいいと…思った。

生きていくこと。
働くこと。

全て…。


すっと…。
松本くんの手が俺の手をすり抜けて。

今度は俺の手に…。

その手が重なる。

「アホ…ですね…」

ふっと…。
感じる松本くんの体温。

それは当たり前だけど。

…暖かい。


「それが…全てではないですよ?」

松本くんが柔らかく笑う。


その笑顔が…。
その微笑む顔が…。


花の様で…。


俺の暗闇に。

明るく…。
灯りを灯す様に…。

小さな花が…。

ポツリポツリと…。

咲いて…いく。


「どうでも良くないから…彼は…生きたんですよ?」

…。

「まだ…終わっては駄目だから…彼は生きたんです…」

…。

「そんな事も分からないから、櫻井さんはアホです」

…。

松本くんは笑みを浮かべたまま。
俺の手を…。

握り締めた。