オリエント急行殺人事件(1974年版) MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
1975年公開!
アガサ・クリスティー原作、シドニー・ルメット監督のミステリー映画!
初見は、随分昔にTV放送、数年前に、確かWOWOW放送版で見た記憶あり。
もうすでに犯人は知ってしまっているんで、普通は、もう見る必要がないのだけど?、先日から見てきた初見のクリスティー映画が、どれもイマイチ決定打に欠けていて、満足できなかったんで(笑)、面白かった印象のある原点に返りたくて、再び、この「オリエント急行殺人事件」を再見してみようかと。
リチャード・ロドニー・ベネットの音楽も、神技的に素晴らしいし!
WOWOW放送版にて。
ビスタサイズ、5.1ch!
私が、今回の鑑賞で、特に注目したかったのは、エルキュール・ポアロの性格。
先日見た作品のポアロは、なんか態度が横柄で(笑)、容疑者への尋問が厳しすぎて、イヤーな探偵っていうイメージがあり、ちょっと意外すぎて驚いたから!
私は、ポアロって、もっと優しかったよう気がしてて、そのイメージというのは、この「オリエント急行殺人事件」と、だいぶ前にTV放送で見た「ナイル殺人事件」で植え付けられたものだったハズ。
だから、はたして、これが正しかったのかどうか、今一度確かめたかったわけです!
で、見たんですが・・・・・・。(笑)
なるほどねえええーーーー。(笑)
ここでのポアロは、容疑者の尋問に対して、たった一人だけに異様に厳しかったくらいで、あとは、私のイメージどおり。
まずまずか・・・・。(笑)
横柄な態度は、これっぽっちもなかった・・・・・・。(笑)
それじゃあ、あの「地中海殺人事件」(1982)と「死海殺人事件」(1988)のポアロは、いったい何だったんだああーーーって感じ!(笑)
このとき、ポアロを演じたピーター・ユスティノフの演技ミスだったのか?(笑)
← この「オリエント・・・・」のポアロは、アルバート・フィニー。
「ナイル・・・」が同じユスティノフなんで、次、「ナイル・・・」を見て、確かめます!
あと、今回、新発見したのは(笑)、
あることに対しての、追及がほとんどされずに終わっていたこと!!
これは、絶対おかしい!!
見ている誰もが、最初から興味を引き、不思議がるはずなのに、結局、途中から、その件に関しては、触れずじまい!!!
映像で、不気味に提示していて、強烈に印象付けられたシーンの解明が、完全に忘れられている!(笑)
これには、超不満!!
あれは、いったい何だったんだぁああああ―――!!!(笑)
脚本ミスだったのか??? うっかりカットされてしまったのか???
あんまり、不満だったので、
ちょうど図書館に、原作本が置いてあったんで、借りて、読んじゃいましたよ!!(笑)
そこのシーンがいったい、原作では、どう描かれているのかと!!
なるほどなるほど。
原作では、映画以上に、そこのシーン、ポアロは追求してました!!
当然といえば、当然。
でも・・・・・。
非常に、不思議なことに(笑)、 どうして、こういうことをしたのかという説明はあったけど、
いったい誰が、それをやっていたのか!?ということが、解明されてなかったんですよ!!
アレ、あれれ・・・・????
クリスティーも、ミスったのか????(笑)
← 実は、あとあと、感想とか書きますが、2017年に公開されたリメイク版「オリエント急行殺人事件」では、そこの部分、解明されてます!!!!!(笑)
まあ、解明というか、映像でちゃんと見せてくれていたというべきか・・・・。
・・・・・・
このへんって、あんまり巷で言及されてないのが、不思議だなあああ???
こう思ってるの、自分だけなのかなあああ?????(笑)
まあ、
興味ある人は、読んで、見て、確かめてくださいネ!
私が何を言っているのか、わかるはずなんで!!(笑)
また、原作本を読んで、原作では曖昧に描かれていたところが、映画ではハッキリさせていたり、その逆もあったりと、原作と映画でそれぞれが微妙に足りないところを補完しあっていることに気づきました!!
← 映画は、原作の凝縮なので、映画のほうの描写が足りなくなるのは必然だけど、映画が原作を補完している?というのはどういうことなのかというと・・・・、
原作本のあとがきを読んで、初めてわかることなんだけど、この「オリエント・・・」でクリスティーは、推理の要となる重要な部分の書き忘れをしていたんですねええ・・・・・・・(笑)
それと、致命的な描写ミスも!!??(笑)
あとがきでは、そこを指摘し、本来はこうあるべきだったと詳細に解説してました。
いやあああ、目から鱗で、非常に興味深かった!
そうなんです!
このへんの原作のミスを、映画ではちゃんと、修正していたんです!!(笑)
・・・・・・ってなわけで、(笑)
映画だけでなく、原作本を読むことも重要なんだなあああって、今回、改めて思い知ったしだい。(笑)
原作は、ちょっと前に日本で復活し、ブームになった、新本格ものの推理小説っぽく、読者も名探偵といっしょに、推理に参加できるような書き方をしています。
作者が読者に挑戦してるわけです。 あなたは、この謎が解けますか!?ってね。 そのため、もう、ワクワクドキドキするような高揚感、面白さがありましたよ!
こんな昔っから、本格推理物があったんですね!(笑)
← 原作は、1934年作。
原作も、映画も、超オススメです!!
もうひとつの注目は、
この映画で、
アカデミー助演女優賞を受賞した、イングリッド・バーグマンに関して。
超ベテランだけに、何か他の俳優と違う見せ場を作ってあげようとしたのか、
ポアロが、容疑者ひとりひとりに尋問するシーンで、
実は、彼女のシーンだけ、長廻ししてるんですよ!!
他の俳優のシーンは、カットを細かく割ってるのに、彼女のシーンだけ、それがない!!!
見事に、長時間、複雑な役になりきって、セリフを言い続けてました!!!
これが、ベテランの力なのか!!!
見ていて、ちょっと圧倒されました!!
きっと、
この長廻しに耐えた?(笑)名演技があったからこそ、賞を受賞したんですね!?
さすが、バーグマン!!
さすが、シドニー・ルメット監督!!
ニクイことをする!!??(笑)
さてさて、
この映画版「オリエント急行殺人事件」!!
前述したように、1か所だけ不満な部分があったけど、それを納得して、大目に見てあげれば(笑)、トータル的には、傑作といえる映画だったと思います!!
なにしろ、犯人がわかっていても、面白かったし、犯人がわかっていても、何度でも見たくなる、不思議な力を持った映画だったーーーということを確認できたんですから!!
いずれ、また見たいと思います!!