ええじゃないか

1981年公開!

話題になった「復讐するは我にあり」(1979)で、絶好調ぶりを見せた、あの今村昌平監督の次の作品!! ←両作とも当時劇場で見てる!

でも、「ええじゃないか」のほうは、なんだか微妙だったような記憶が・・・・。(笑)

でも、次に撮った「楢山節考」(1983)は、カンヌ映画祭でグランプリ!! 

大したもんです!! 

 

さて、昔見た映画を、今見直しみて、どう感じるか!!という趣向を数年前から、私、実行してきてるんですが、その、第何番目かに選んだのが、この「ええじゃないか」!!!(笑)

WOWOW放送版にて、鑑賞!

さて、その結果は・・・・・。

 

うーーーん、これは・・・・・。(笑)

 

久しぶりに見てわかったマイナス点をアレコレ書いてみます!(笑)

 

●   引いた絵が多いので、役者の顔がほとんどわからない!

舞台で言えば、後ろの席で見てる感じ。

よって、それぞれの役者がどんな表情をしてるのかまったくわからないので、感情移入もできないし、見てる充実感がなくて、つまんない。

似たような顔をした役者も多いんで、誰が誰やら、区別もつかない始末。

これって、映画といえるのか?

主役の泉谷しげるでさえ、アップシーンがない!!

 

●   語り口が悪い。

セリフが早口で、よく聴きとれない。

今どういうシーンなのか、ストーリーの進行がぜんぜんわからない!

よって、ぜんぜんつまんない!!

ただただ、芝居が流れていくのを見ていくだけ。

これって、映画といえるのか?

  黒澤映画では、こんな思いをしたことは一度もない!

  こういう映画を見ると、いかに黒澤映画は、見やすくて、わかりやすいってことがよくわかる。

  

●   クライマックスの群集が騒動を起こすシーンが、ぜんぜん盛り上がらない!!

一番の見せ場になるはずの、大スペクタクルシーンなのに、そうなってない!

まったく、迫力がない!!

そう感じるのは、大群衆シーンをとらえた、もっともっと引いた絵とアップシーンがぜんぜんないことによる。 中途半端な引き絵ばっかり!! ← 空撮とかしないとどれぐらいの群集なのか全体像がイマイチつかみにくい!

それと、こういうシーンって、たたみかけるような編集テクニックを駆使さえすれば、絶対に迫力が出せるのに、そうなってないのは、そういう編集ができるような撮影素材が圧倒的に足りなかったんだと推測できる!

編集は、巨匠浦岡敬一。

彼ならではの熟練したテクニックなら、まったく問題ないはずなのに、そうなってないというのは、どう考えても、撮影素材が少なかったことにつきる!!

確か、この映画に関して、監督に、アップシーンの撮り足しを要望したのに、そうしてくれなかったと、どっかの本で読んだような気がする。

   この映画に関しては、不満を持ってたらしい。

  

ヤレヤレ・・・・・・。

 

ただ唯一、スゴイと思ったのは、

今回見て、初めて気が付いたんだけど(笑)、

クライマックス以外の(笑)、すべてのシーンで、主要な役者の演技に合わせてエキストラたちが出たり入ったりするタイミングとか、長廻しの中で何かが起こるタイミングとかが絶妙にうまかったこと!! これは、なかなかできるもんじゃあない!! ある意味、神技的!! 要は、ひとつひとつの場面の完成度が異常に高い!

スタッフと役者たち、もちろんエキストラたちも、相当な緊張の中で撮影に臨んでいたことがわかる。

むずかしい場面ばっかりなので、何回もリハーサル、・・・・・ もしくは、何回も撮り直しをしたんじゃあないかな?

ここだけは、見てて、感心しました!(笑)

 

・・・・私が思うに、

今回の映画は、最初から、ひとつひとつの場面の絵作りの完成度に徹底的にこだわろうとしたんだと思います・・・・・・。

それと、群集のエネルギーを表現するために、あえて、引いた絵ばっかりにしたんだと思います・・・・・・・。

・・・・・・ただ、カメラが1台しかなかったための苦肉の策とも思っちゃいましたけどね?

黒澤映画みたいに、複数のカメラで撮らえていれば、顔のアップもあったのに、ほぼマスターショットだけに終始してることから、やっぱり、ほんとに1台しかなかったのかも。???

だって、アングルを変えると、カメラ、照明の準備に、時間がかかるんで、それに時間をかけるぐらいだったら、マスターショットのみの絵作りの完成度のほうに注力したほうがいいんじゃあないかと、・・・・・・・そういう判断だったんでしょう。???

 

だから、計算違いは、クライマックスの場面だけ!(笑)

ここだけは、少なくとも絶対にアップシーンが必要だったと思います!!

観客としては、今まで散々引いた絵を見せられ、いい加減ウンザリしていただけに(笑)、ここで、絵に変化をつけてくれれば、おおおおおーーーーって、眼が覚めて、拍手喝采、大興奮!!

映画同様、歓喜の渦に!!!

それが、またもや引きの絵ばっかりかよと・・・・。 (笑)

 

うーーーん、残念!!(笑)