<ダリオ・アルジェント作品>
4匹の蠅 4 MOSCHE DI VELLUTO GRIGIO
1973年公開!
「歓びの毒牙」(1970)、「わたしは目撃者」(1971)のダリオ・アルジェント監督のジャッロ映画、第3弾!!
アルジェント作品の中で、これだけは、なかなかソフト化されず、もう一生見ることはできないのかなーーと、なかば諦めていた幻の一品!(笑)
他の映画はソフト化されてるのに、この作品だけは、なんでなんだ!!と!!!
私は、きっと、フィルムが行方不明になってるから、ソフト化できないんだなーーって、ある意味絶望的に思ってた。(笑)
← 画質の悪い海賊版?のVHSなら存在してる、見られるということは、薄々知っていたけど・・・・。
そんな中・・・・、確かな記憶はないけど・・・・、2000年は過ぎていたかな?
ある日、輸入盤のDVDが出てるのを発見!!
!!!
狂喜乱舞して、すかさずゲット!(笑)
今まで見れなかったものがやっと見れる!!と!!
その夜、ワクワクドキドキしながら、再生したんだけど・・・・・・。
これが、期待外れもいいとこの、最悪の画質!(笑) DVDなのに、この画質!!
これって海賊版なんじゃあないのかと!?
まともに見る価値がないんで、早送りで見たと思う。(笑)
これが私の「4匹の蠅」の初見!(笑) ← あくまで、早送りだけど!(笑)
・・・・・・・ それから数年たった2010年!!
なんと! 突然! 日本で「4匹の蠅」のリバイバル公開が決定!!
この知らせには正直ビックリ!!
奇跡かと思いました!!
← 今までまともなソフト化、再上映ができなかったのは、権利を持ってる会社が倒産して、誰も権利を持たない映画になっていたからとのこと。
ようやくアルジェント側が動いて、権利を取得、無事ソフト化の流れに。
ただ、この日本の上映、DLP上映だという。
!!!!????
デジタル上映が流行り出した頃だから、不思議はないけど、自分は、もしかしたら、DVDを発売するにあたっての劇場公開なんだと思い、そのDVDを投影しての上映なんじゃあないの?って、疑ってしまって、正直実際見るまでは、不安でしたよ!!(笑)
DLP上映で見ることも、初めてなんで!!
どんな質なのか、見当もつかなかったから!!
きっと、走査線丸見えの不快なビデオ上映なんじゃあないのかと!?(笑)
まあ、そんな心配は不要でしたけどネ!!(笑)
実際は、フィルム調の画質で、映像もキレイ。 走査線もわからず、これがビデオで上映されてるなんて思えないほどの感触!!
これがDLPかと!! これだったら、大丈夫だと!!
音はモノラルだったけど、この劇場、ボリュームが大きかったんで、大満足!!
やっと、初めて、まともに、しかも大画面で、幻だった「4匹の蠅」を見ることが出来ました!!!
良かった、良かった!
その後、無事、DVD化され、
レンタルされたんで、レンタルDVDで、主要なシーンを見た程度。
この時は劇場での記憶がまだ鮮明だったので、まともに見る気はしなかった。(笑)
それから、10年以上たった今!(笑)
アルジェント熱が復活!(笑)
また見ようという気に!!(笑)
今宵レンタルDVDで、劇場で見て以来の鑑賞決行!!
いやああ、懐かしかったですねーーーー!!
あの時、劇場で見た空気感を思い出し、感慨深いものがありましたヨ!!
残念ながら、先日見た「歓びの毒牙」と「わたしは目撃者」と違って、音声はモノラルなんで、迫力の点ではいま1歩。
迫力を増すには、劇場で見たときと同様、音量を最大に上げないと、効果が出ないことを本能的に察知はしたんだけど、近所迷惑になるんで(笑)、そこそこの音量で我慢せざるをえないなーーーという苦渋の決断!!(笑)
だから、鑑賞的には、喰い足りないものがあって、少しモヤモヤ・・・・・・・。(笑)
← モノラル音声だと、通常センタースピーカーとウーファーからしか音が出てこない。 要は、1.1ch。
もちろん設定しだいで、それ以上のスピーカーから音は出せるけど、基本は、1.1ch。
これがステレオ音声だったら、本来の5.1chの効果ではないけれど、5.1ch分のスピーカーから音は出てくるんで、そこそこの音量でも、迫力は出る!
・・・・・・・実は、今回、レンタルDVDで、2回鑑賞したんですよ!!
同じ映画を翌日にまた見るのは、先日見た「プロムナイト」と同じ展開!!(笑)
1回目の鑑賞の時、音の不満はもちろんのこと、展開がよくわからないシーンが多々あって、それが妙に頭に引っかかりモヤモヤして、あまり満足できなかったんで、もしやと思い、2回目へと!!
← 劇場の初見の時は、ただただ見れたことだけで満足してしまい、細かい内容のことなんかまったく気にならなかったんで、モヤモヤ感はなかった!(笑)
実は、2回見た理由は他にもあり、「4匹の蠅」のDVDは、2種類あるんですよ!
最初に出た版と、発売元が変わって、HDリマスター版と表記の入った版の2種類。
今回、1回目に見た版は、HDリマスター版と表記の入った版。
これで、満足しなかったんで(笑)、
念の為、初期の版も見てみようということに!!(笑)
音は、もしかしたら、ステレオかも!?って、期待。 ← 結局、同じモノラル音声だったけどネ。(笑)
で、この2回目!! いやああ、見て大正解!!
1回目で、展開のわからなかったシーンが、すべて解決!!(笑)
納得できました!!
新しい発見も多々あり、非常に有意義のある鑑賞となりました!!
1回目ではまったく気づかないんですが(笑)、実はかなり巧妙に伏線が張られてます!!
それをひとつひとつ確認できたんで、もう、うれしくてうれしくて!!!!(笑)
そうか! そういうことだったのかと!!
これは1回見ただけではわからない!!
1回目は、あまりにも展開がわからなすぎて、一見、行き当たりばったりのメチャクチャな脚本かと思っちゃうんですが?(笑)、実際は、実に良く練られた脚本になってました!! 感心、感心!!(笑) さすがアルジェント!!??(笑)
もし、1回だけの鑑賞で終わっていたのなら、この先ずうううっと、潜在的にモヤモヤした気分を引きづってることになってましたよ!(笑)
いやああ、この手の映画は、記憶の新しいうちに、2回見ることは、絶対必要なんだなああって思いましたねえええ。
・・・でも、「歓びの毒牙」と「わたしは目撃者」は、1回見ただけで充分満足でき、内容も展開も納得できるんで、この2本は、続けて2回見なくても、一応、大丈夫!!(笑)
ちゃんとそれぞれのシーンに丁寧な説明があり、内容を、見てる側にも理解させたうえで、サスペンスを盛り上げ、展開していってくれるから!! そのため、カタルシス感も大きい。
一方、「4匹の蠅」は、どういうわけだか、ほぼすべての主要なシーンで、この場面は、いったいどういうシーンなのか、どうしてこんなシーンを見せているのかという基本的な説明が不足しており(笑)、見てる側がまったく理解できない、まったく展開がわからない、宙ぶらりんの状態のままで見せられていってしまうことと、一見不必要な?、回り道の多い展開もしていくんで、1回見ただけでは、その真意がつかみにくくなっている。(笑) 要するに、妙に複雑すぎて、わかりにくい。(笑)
これは、先の2本と違って、共同で脚本を書いていたことが一番の要因だと思われます?
アルジェントじゃあない人の意見もいろいろ入っているので、なんかビシっとしてないんだなああああ。
今までとは、まったく違うものにしたいという意図なのかもしれないけどネ。
違うといえば、エンニオ・モリコーネの音楽も前の2本とは、アプローチが違ってる。
前は、全編に渡って、ギャイーンギャイーンと不協和音鳴りまくりで(笑)、音楽だけでも興奮、ノリまくれたのに、今回だけは、それを封印してしまっている。
主人公がロックバンドのドラムを担当しているミュージシャンということもあって、
高鳴る音楽は、ドラムメインのロック調の曲。
それを効果的に鳴らしているのは、オープニングとクライマックスだけで、あとは、ほぼ音楽なしで勝負している。
見せ場の殺人シーンも、派手な曲はつけられてない!!
音楽で驚かすようなことはしていない!!
これは、アルジェントの意向なのか、
今回は、映像だけで勝負してみろっ!という、モリコーネの意向なのか?(笑)
私としては、
前2作とは良くも悪くも、まったく毛色が変わってしまったストーリー展開なので(笑)、あえてモリコーネは、同じにしなかったのではないかと推察します!!!
← ちなみに、文献とか読むと、アルジェントが、モリコーネの音楽が気に入らず・・・・ ← たぶん、メインとなるロック調の曲のことだと思う。
書き直しをしてほしいと頼んだのに、モリコーネは、拒絶!(笑)
大ゲンカになり、アルジェントは、音楽録音にまともに立ち会わなかったらしい・・・・・・。???
その結果が、コレ!? (笑)
以後、アルジェントは、本格的なロック音楽の書けるゴブリンと組んで、新たな境地に達することになる!
そのきっかけが、このモリコーネとのケンカだったのか???(笑)
でも、アルジェントは、
「スタンダール・シンドローム」(1996)と「オペラ座の怪人」(1998)で、再びモリコーネと組むことになるけどね!!
「4匹の蠅」の音楽の指揮は、今回もブルーノ・ニコライが担当。
サントラCDは持ってるけど、やはり、本編で聴いたほうがライブ感があって、迫力あり!!
本編でしか聴けない曲もあり、実に興味深い!!
いやああ、ほんと、今回、2回見て良かったですよ!
初めて「4匹の蠅」をまともに理解できたから!(笑)
繰り返し言っちゃうけど、この映画に限り、
1回見ただけだと、訳がわからず、見終わっても、モヤモヤ感だけが残ります。(笑)
「歓びの毒牙」と「わたしは目撃者」と比べて、こっちは、残念ながら駄作なんじゃあないのっ!? とも思います。
実際は、細かな伏線がいっぱいある、実に巧妙な脚本に基づいていて、2回見ないと、そのおいしい部分に気づかない? 仕掛けになってます!!
2回見て初めて(笑)、いやああ、コレはスゴイ!! 本当は、傑作だったんだ!って感じます!!(笑)
← アルジェント側は、意図してなかったにせよ。(笑)
映像にしろ、セリフにしろ、演技にしろ、もう伏線張りまくりですからね!!
これは、素晴らしい!! もう感心するしかない!!(笑)
アルジェント、やっぱスゴイじゃん!
やっぱ、うまいじゃん! ってね!!(笑)
よって、
「4匹の蠅」は、絶対に、2回見ることが必要な映画です!!(笑)
2回見ないと、まともな評価はできません!?(笑)
見るんだったら、2回見てください!!(笑)
2回目は、ほんと、うなりまくりの連続になりますよ!!(笑)
ちなみに2種類のDVDなんですが、
初期の版も、HDリマスターと表記のある版も、映像と音声は、ほぼ一緒。
あまりにも一緒なんで、拍子抜けで、ビックリで、ガッカリで、実は同じマスターなんじゃあないの?って勘ぐっちゃったけど、
違ってました!!(笑)
あきらかに違うところがありました!!!
それは・・・・・・・・・。
初期の版は、あるシーンで、横に1本フィルム傷?のようなものが入りっぱなしになってるんですが、HDリマスター版では、その傷が消えてました!!
音声に関しては、どちらもモノラル音声だったんで、1.1chでしか聴けず、音的には、大不満!!
そのため、見終わってから、5.1ch分のスピーカーから音が出る設定に変えて、主要なシーンを再度見てみたら、ビックリするくらいスゴイ迫力に変貌!!
これだったらいい!!(笑)
1.1chでは、おとなしすぎて効果不足だったモリコーネの音楽も、「歓びの毒牙」と「わたしは目撃者」のステレオ音声のド迫力感と同じになりました!!
この仕様だったら、モノラル音声でも、大満足!!
設定は、変えてみるもんだなーーーとつくづく思いましたねえええ。(笑)
3回目を見るときは、モノラル5.1ch仕様で見て、
音的にも、大満足できる「4匹の蠅」にしたいと思います!!(笑)