豚小屋

 

1970年公開!

脚本監督/ピエル・パオロ・パゾリーニ!

ゴダールの奥さんだったこともある魅力的なアンヌ・ヴィアゼムスキー、「テオレマ」に続いての出演。

この映画を認知したのは、昔買った「映画チラシ大全集」なる本から。

浮浪者のような若者と人骨という不気味なツーショットデザインのチラシで、

 

<俺は父を殺し 人肉を喰った! そして悦びにふるえた・・>

<1作ごとに、世界に衝撃を与えるパゾリーニ監督>

という惹句が・・・。

                                                       うーーーん、見たい見たい。(笑)

残念ながら(笑)、これも、なかなか見る機会がなく、ビデオは出たけど、レンタルされてなく、買うと高いので、そのまま静観。

DVDも気づくと、プレミアがついてたんで、これまた静観。

数年前にやっと中古屋で奇跡的に適正価格のブルーレイを見つけゲット。

(その時点でのネット価格よりだいぶ安かった!)

ようやく、そのブルーレイで待望の初鑑賞です!!

リマスターされてたんで、映像は「テオレマ」同様、きれいです。

パゾリーニの映像美が充分堪能できるアート映画になってます!!

 

しかしながら、構成がどういうわけか手が込んでいて、初めて見る人には、難解。(笑)

自分も、パゾリーニの意図が最後までわからず、ちょっととまどいましたねえええ。

見終わって、ネットの解説を読んで、ようやく納得。(笑)

「テオレマ」もそうなんだけど、わかってしまえば、どってこともない。(笑)

単に意図的に?複雑にしているだけ。(笑)

本当に言いたいことを、ボカして表現してる。

まあ、観客に、見ながら考えてくださいって、作者が、挑戦しているわけで、それが、映画の魅力でもあるわけだし、それはそれで悪くない。

かえって、わかりやすい話をつくると、「奇跡の丘」のように、つまんなくなっちゃうんで、その反省からかもしれないね!(笑)

スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」だって、わかりやすく作っちゃったら、超つまんなくなっていたと思う。

(当初は、観客が理解できないと思って、ナレーションまで入れてたらしいから。それを最終的になくす判断をしたのが、キューブリックの非凡なところ?(笑))

 

わかってしまえば、急に、この「豚小屋」!

傑作に見えてきました!!(笑)

パゾリーニ、素晴らしい!!(笑)

「テオレマ」に続いて、大変気に入りました!!

「テオレマ」と設定が似てるシーンもあり、思わずニヤリ。

2本立てでリバイバルしてくれたら、より興味深く見れると思います。

 

前から気づいてたけど(笑)、パゾリーニ映画って、構図がものすごくいいんです。

見てて感心するほど。

すべてが、キラーカット!!

見惚れてしまいます!!

映像センス、美的センス、抜群じゃん!!

これも、ハイビジョン映像のおかげ!!

当時の日本でのフィルム上映版、粗悪な素材からのビデオ映像を見て、評価を低くしてた人、これ見たらみんな驚くでしょうね!!

ほんとは、こんなにきれいだったんだってね!!!

いやあ、ビックリですよ!!!!

いい時代になったもんだ。(笑)