<怒涛の恐怖映画雑記(笑)>

 

レイジング・ケイン

1992年公開!!

あの「悪魔のシスター」「キャリー」「殺しのドレス」のブライアン・デ・パルマ脚本・監督によるショッカー!!

デ・パルマは、大好きな監督。 でも当時、仕事もプライベートも忙しくて、劇場へは見に行けなかった・・・。

よって、初見は、1993年にレンタルVHSで。 

初見時から、デ・パルマの傑作と絶賛!!

けっこう、ビックリするシーンがてんこ盛りで、深夜に見たせいか、怖くて怖くてしばらく寝付けなかった記憶あり。(笑)

その時は、深い意味まで、追求することなく、訳わからないけど、ひたすら続くショックシーンに目を奪われた感じ。 さすが、デ・パルマだと。

その後DVDを買って放置。(笑)

数年前にWOWOW放送版を見たのが最後か。

ここでも、深い意味を追求することはなかった・・・。(笑)

 

今回再び見ることになったのは、つい先日発売されたばっかりのブルーレイに興味をそそられたから。

このブルーレイには、劇場公開版とディレクターズ・カット版が収録されており、そのディレクターズ・カット版が、大変珍しい経緯での、ソフト化だったんで大注目!!

自分、まったく知らなかったんだけど、事の発端は、デ・パルマが大好きなオランダの某監督が、2012年に、デ・パルマが最初に作りたかった構成で、「レイジング・ケイン」を再編集したバージョンを作って、ネットに上げたこと。いわゆるファン・エディットってやつね。

それを見たデ・パルマが大いに認め、ソフト化を熱望!! 発売に至ったという!!??

自分が作ればいいのに、その監督を称えるところが、デ・パルマの素晴らしいところか??

その奇跡的ともいうべき版が収録されていなければ、「レイジング・ケイン」は、DVDは持ってるし、WOWOW放送版もあるんで、単に、ブルーレイ化されただけでは、自分、買わなかったと思う。(笑)

確かに、この映画、シーンの順番がバラバラで、複雑すぎて、よくわからないことがヤマほどあり、今で言うクリストファー・ノーランの難解な「テネット」ばりの分析をするべき映画なんだけど、当時はまだ、ネットがまったく普及してなかったんで、いろんな討論の場もなく、映画雑誌も、意欲がないのか?(笑)、あまり取り上げていなかったこともあって、とりあえず、ショック描写が強烈なショッカー映画という位置づけで、それで満足できていたから、まあ、いいかという感じ。(笑) 

複雑なパズルのような難解な構成を読み解くのは、面倒なんで、深く、追及しなくてもいいだろうと・・・。(笑)

デ・パルマ映画なんだけど、この映画で、特集組むことにはならなかった・・・・。

・・・・・・

そんな中で、やはりメチャクチャ研究していた人がいたんですねえええ。(笑)

オドロキです!!

 

自分も、これがなければ、再び「レイジング・ケイン」熱が、再燃することはなかったと思います!!(笑)

今回の鑑賞を機に、ようやく気合を入れて、分析しちゃいましたよ!!!(笑)

最初に、興味津々のディレクターズ・カット版を、次の日に、劇場公開版を見ちゃいました!!

そして、

再度、それぞれのブルーレイを早送りで見ながら、シーンをすべて、紙に書きだして(笑)、時系列順にまとめることもしちゃいました!!!(笑)

なるほど、なるほど・・・、なるほどなあああああ・・・・と。(笑)

いやあああ、奥が深いです、この映画!!!(笑)

いろんなことがわかっちゃいました!!!(笑)

最初、

ディレクターズ・カット版は、1回見ただけでは、まったく訳が分からないシーン構成を、わかりやすく見せるために、時系列順にまとめてくれたものとばかり思ってたんだけど、

実際は、違っていて、主に置くのを、男のほうなのか、女のほうなのかという違いだけ。 時系列は、相変わらず、バラバラ。

デ・パルマは、男のほうから話を始めるけど、ディレクターズ・カットは、女のほうから始める。

印象は変わるけど、そうしたがために、どうもスムーズにつながってない、納得がいかないところもあり、自分は、劇場公開版のほうがいいと思う。

それでも、これを見て、自分のように?(笑)、様々な分析をし始める人がいっぱい出てくると思うので、それなりに価値はあったんじゃあないかと?

分析すればするほど、デ・パルマがいかに考えに考え抜いて、シーン作りをしていたかということがわかって、もう驚嘆しますよ!!! スゴイ!スゴイ! もう脱帽!!

今まで、2回見ても、ぜんぜんわからなかったシーンが(笑)、今回必死に分析して、ある程度解けたんで、うれしかったなああああ。

 

今回の鑑賞での、私の成果!(笑)

〇自分なりに、シーンを時系列順に並べ替えて、ようやくこの映画の実際の展開がわかったこと!!

  そこで、見えてきたものは、デ・パルマのスゴサ!!

  ・映画の中で、描かれてない重要な部分が多々あり!

  ・伏線がいっぱいあるんだけど、なんと、あとから出している、重要な伏線を発見!!

・分析したことにより、新しく、疑問点が出てきたこと!!

  これらの明確な解答はあるのか? 単なるミスなのか?

   ・男が殺害した女性の車(ボルボ)のナンバープレートのナンバーが、最初と、あとか ら出てきたものとでは、まったく違う!!

   ・男が、殺害した女性をその女の車(ボルボ)のトランクに入れ、その車を自宅のガレージに入れっぱなしにしてたようだけど?、そんなことできるのか?

     妻に見つからないのか?

     ←妻も車に乗るし、男も乗る。 そのガレージは2台分入るスペースあり。

       ボルボが止まっていたら、妻から、おかしいと言われるだろう?

   ・妻の不倫相手の男のレンタカー(フォード)と、殺害した女性の乗っていた車(ボルボ)のナンバープレートのナンバーがまったく同じ!!

      こんなことって、あるのか? いったいどういうこと??

     ←男の妄想なのか?? 監督のお遊びか?

 

  ・・・と、まあ、まだまだ、解明しなければいけないことが残ってるので、

しばらく、寝れそうもありません!(笑)

 

デ・パルマ映画には、たくさんのトリックが仕掛けられてるけど、

この映画は、特に多いんじゃあないのかな?

妄想なのか、夢なのか、回想なのか、その区別が曖昧で混乱する見せ方、叙述トリックを映像で見せきってるスゴサ!、時間軸バラバラの複雑な構成、巧妙な伏線などなどが超絶に入り乱れているんで、ちょっと気を許すと、ついていけなくなる恐れのある、観客にかなり挑戦する知的興奮を呼ぶ映画になってます!!

それに加えて、心臓がドッキリするショックシーンが満載なので、ほんと、まれに見る戦慄作といってもいいでしょう!!!