<エンニオ・モリコーネ作品 映画雑記>

 

ブラッグボード 戦火に生きて

2015年作品。 音楽、エンニオ・モリコーネ!!

WOWOW放送版で、初鑑賞!! 劇場では、未公開だと思う。

DVDタイトルは、「戦場のブラッグボード」!

なんか、かっこいい日本タイトルですが、ブラッグボードって、黒板のことなんですよ!!

「黒板 戦火に生きて」」「戦場の黒板」・・・・・。

うーーーん、イマイチだなああ。(笑)

原題ともかけ離れたタイトルです。

戦時下のフランスの田舎町から疎開する大勢の人々の、実話に基づいた物語。

離れ離れになった父と子。

機転のきく子供が、探しに来た父親のために、学校の黒板に、自分の行先を書いていくというシーンがあるために、こういうタイトルにしたんですね。

ロードムービーになっており、淡々とした演出に、モリコーネの叙情的な曲が、ゆったりとやさしく流れてくるという趣向。 覚えやすいメロディではないんですが、劇的効果はあがってます!! 曲をたっぷりと聴かせるシーンが随所に用意されており、モリコーネとの息はぴったりあった監督だと思いましたねええ。

派手ではないけど、戦争の恐ろしさを描いた、秀作。

 

モリコーネは、この作品の後に、あのタランティーノの「ヘイトフル・エイト」を担当したようです!!

 

華麗なる大泥棒

1971年公開! ジャン・ポール・ベルモンド主演のアクション映画! 音楽がエンニオ・モリコーネだから、先に曲は知っていて、初見は、TV放送っていうパターン。

面白かった印象はなかったんだけど(笑)、もう一度見たくなりレンタルがないんで、DVDを購入。今回待望の鑑賞!

うーーーん、残念! これも、モリコーネの音楽が生かされてない映画の1本!(笑)

サントラアルバムは、素晴らしい出来なのに、その素晴らしい音楽の数々が、本編では、ぜんぜん効果的な使い方がされてない!! これって、モリコーネの映画によくありがちな現象です!

監督のセンスが悪いのか、モリコーネも多作で忙しく、ダビング時に細かいところまで指示が行き届かなかったのか・・・・。???

なんといっても、一番の見せ場で、音楽を流してないんです! カーアクションをはじめとしたベルモンドならではのスタントなしの生身のアクションシーンの数々に、音楽なし!! 

ベルモンドが大活躍するんで、ここに軽快でご機嫌なテーマ曲を流せば、気分も高揚、ノリまくれるのに、そうなってない。もともとスゴイ場面が、もっと盛り上がったはずなのに!! ・・・なんか物足りない・・・。(笑)・・・・不満。(笑)

「ブリット」「フレンチ・コネクション」「ザ・セブン・アップス」とかも、カーアクションには音楽をつけていませんが、それと、これとでは、ちょっと違うんですよ!

モリコーネの音楽ですよ! 彼の音楽は、メロディがいいんで、絶対に生かさなきゃあ、もったいない!! 音楽を聴かせないといけません!!

それと、ベルモンドが泥棒なんですが、・・・ミスキャストっぽいんだなああ・・・。 

私としては、刑事役のほうが、良かったんじゃあないかと思いました! なんか見てて、どういうキャラを演じていいか、本人も迷ってる感じがあって、うまくいってないんですよ! ちょっと興ざめ。

設定が、ルパン三世に似ているといわれている映画みたいですが?、ベルモンドがノリきれてないんで、しっくりこず・・・。(笑) 

 

注目ポイントは、観光映画になってること!!(笑)

素晴らしい風景!と素晴らしい料理!をたっぷり見せてくれます!! そのため、普通の映画のテンポとちょっと違って、ひとつひとつのシーンが、やたらゆっくりで長い!(笑) これは、意図的!!(笑)

でも、それでも飽きないとこがスゴイ!(笑) シネスコならではの利点か。 

昔TVで見たときは、トリミングされてたんで、こういう風景は楽しめてなかったはず。

だから、テンポの悪さが強調され、つまんなかったと思います・・・。(笑) 

やっぱ、映画は、本来の形で、鑑賞しなければダメなんだなああ。(笑)

TV放送された映画は、トリミングされてるし、吹き替えされてるし、カットが入ってるんで、見たことにならないと、よく言われてましたからねえええ。(笑)

納得!!(笑)

 

シシリアの恋人

1971年公開! 音楽・エンニオ・モリコーネ!

ファッション雑誌のようなポスターにだまされた感じあり!(笑)

洗練されたモデルのようなオルネラ・ムーティの美しい顔写真がメインになってるもんなんですが、この写真、映画からのスチールじゃあないですね!?(笑) 

この写真とタイトルで誰もが、甘酸っぱい恋愛映画と思うじゃあないですか! 

実際は、そうじゃあない!!(笑) 見てビックリ!!(笑)

当時、デート映画かと思って、見に行ったカップルは、どう思ったでしょう?

実は、これ、実話を基にした、かなりの社会派映画なんですよ! 重苦しく、暗くて、考えさせられる! 泥沼の恋愛!! 複雑な愛憎劇!!

男と女の明るい恋愛は、これっぽちもない!!(笑) この先、二人はどうなるのか、予想もつかず、ラストは、うーーんとうなってしまう・・・。 

だから、誰もが思っていたような映画ではないわけで、最初、けっこう戸惑いました! モリコーネの音楽も、美メロが、メインタイトルから流れてくると期待していたのに、ビヨーーンビヨーーンとマカロニウエスタンでもよく使われるおどけた楽器(ジューズハープ)をメインにしていて、不思議な効果を演出。 

でも、映画の骨格がわかってくると、これが意外に効果的で・・・、もちろん、ヒロインの美しさを強調するエッダの美声による美しいメロディも出てきて・・・・、この美メロとビヨーーンビヨーーンの楽器を使った曲が、展開に合わせて、微妙に対比してきて、何とも言えない感慨を感じさせてくれるんです!!

いやああ、見事です、モリコーネ!! 見終わっても、このメロディ、残りますからねええ!!(笑) 映画の雰囲気に確かにピッタリ!!

 

・・・それにしても、最初から、こういう映画だとわかって見れば、なーーんの違和感もなく見られたのに、まったく日本は変な宣伝を使うんで・・・・、多くの人は、ダマされ(笑)、この映画の展開に乗り遅れ、複雑な気分を味わうハメに・・・。ほんと、困るなああ!!(笑)

客をダマそうとしたわけですからね!!(笑)

でも、見応えのあるいい映画であったことは、間違いありません! 

 

マレーナ

2001年公開! 感動作「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュセッペ・トルナトーレの監督脚本作品! 音楽は、もちろんエンニオ・モリコーネ!

パラダイス以後も、音楽がモリコーネなので、「みんな元気」(劇場鑑賞)「海の上のピアニスト」(DVD)「題名のない子守唄」(WOWOW放送版)「シチリア!シチリア!」(WOWOW放送版)「鑑定士と顔のない依頼人」(WOWOW放送版)「ある天文学者の恋文」(劇場鑑賞)とかを、見てきてるけど、正直、この監督と自分の感性は、まったく合わず、イマイチ(笑)

音楽も、パラダイスの感動よもう一度と期待しちゃうと、ハズレもある。

最初に傑出したものが出来ちゃうと、あとはどうしても、不利。(笑)

厳しいねえええ。(笑)

さて、さて、公開当時から知っていて、サントラも聴いていた「マレーナ」、今まで、いろいろ忙しく、見逃してきたもので、ようやく今回待望の鑑賞となりました! 前に録ってあったWOWOW放送版で!!

モリコーネの音楽は、アカデミー作曲賞にもノミネートされたんだけど、サントラを聴く限りでは、普通の出来で、メチャクチャいいメロディーってわけではない。(笑) 傑作が多いモリコーネだけど、すべてが傑作になるわけではないんで(笑)、・・・・これは、しょうがないネ。

 

で、やっぱり今回も、内容的に、自分の感性には合わず。(笑)

カットが早く展開が目まぐるしく、とにかく映像が忙しい・・・。見てて疲れる・・・。(笑)

詰め込むだけ詰め込んで、一見、手際よくさばいてるようだけど、下品なコメディー要素が入り込んでいて、真面目なようで、ふざけている、いつものトルナトーレ節炸裂!?

バランス悪すぎぃーー!(笑)

もっと、正攻法で描いてくれれば、叙情感あふれる感動作になっていたと思うので、ちょっと、残念!

トルナトーレ版、下品な「おもいでの夏」!(笑)

モリコーネの音楽も、ほとんど流れっぱなしなのには、オドロキました!

映像も忙しいので、音楽も忙しくなっちゃった感あり。

ちょっと使い過ぎ、聴かせすぎか。ここぞというときだけに、聴かせてほしかったなああ。 そのため、ラストなんか、けっこういいシーンで、モリコーネの音楽も効果的で、盛り上がり、感涙できたんだけど、ここに至るまでが、あまりにも曲を使い過ぎてるんで、惰性的に聴こえちゃって、感涙しながらも、残念感あり。

また、自分、このラストでは、不満あり。(笑)

とことんやるんだったら、主人公の少年が大人になり、年老いたマレーナ!と再会するまでを描いてほしかった・・・・。

これこそ、大号泣のラストシーンになったはず!!(笑)

これこそ、自分の感性にピッタリ!?(笑)

 

今回見た版は、92分の短縮版のようで、イタリアオリジナル版は、109分!。主人公の少年の妄想シーンが増えてるらしい・・・。(笑)

でも、この妄想シーン、自分は、いらないと思ったけどなああ。

これ、かなり映画のバランスを崩している要因のひとつなんで。(笑)