<エンニオ・モリコーネ作品 映画雑記>

 

1983年のイタリア映画だけど、日本では、1989年公開! 音楽がエンニオ・モリコーネなんで、相当前からサントラは聴いており、見よう見ようと思っていたら、こんなに月日がたってしまいました。(笑) 初期のDVDは、持っており、買った直後に早送りで見た程度。今回見たのは、リマスター版のレンタルDVDで、ようやくまともに、鑑賞です!!

曲はいいけど、効果的に使われない残念なケースもあるモリコーネの音楽なんですが、今回は、GOOD!! いやあああ、いいですよ! モリコーネ! 癒し系の室内楽的な曲が、オープニングから、全開! これが劇中、何度も流れてきて、効果満点! ラストもこれで軽快にしめくくってくれるんで、最高に心地よく、いい気分で見終えることができました!! 素晴らしい!!

当時、36歳くらいで、決して若くないんだけど、でも美しいステファニア・サンドレッリが強烈な魅力を発散させており、大熱演!! 大満足!! サントラのジャケットにもなってる赤い衣装を着たときの彼女の美しさは、特に絶品で、もう、完全にアートと化しており、惚れ惚れします! 

原作は、谷崎潤一郎!! 

ヴェネツィアが舞台なんですが、あまり街並みとか出てこない・・・。(笑)

引いた絵もない・・・・。 時代設定が、1939年らしいので、これは、しょうがないか・・・。

 

ガンマン大連合

1972年日本公開! 

音楽エンニオ・モリコーネ!!

初見は、だいぶ前に見た国内版レーザーディスク。今回は、BS放送版での鑑賞。

オープニングの音楽からカッコ良すぎて、大興奮! ワーワーギャーギャーとがなりたてるようなコーラスグループの唄いっぷりは、モリコーネの真骨頂! 誰にもマネできないと思う!! 全編ノリノリの曲が満載なので、モリコーネの音楽なくして、この映画は成り立たなかったと思うほど!! ほんと素晴らしい!!

豪華キャスト、魅力的なヒロイン、銃撃戦の迫力と、映画的にも見どころ多く、痛快、爽快に楽しめるウエスタン!!

ちなみに、レーザーディスク版とは、ラストの映像の処理が違ってます。

レーザーディスク版は、最後のカットですぐ黒味になり、FIN。

BS版は、そのあとまだまだあり、モリコーネの曲もたっぷり聴かせて(それでも短いけど・・。)、FINE!

DVD版は、どうなってるのか今度確かめてみます。

 

豹/ジャガー

1969年日本公開! 日本のタイトルがかっこ良すぎぃぃっ!! でも、豹も出てこないし、ジャガーっていう名前の人も出てこない。(笑)

日本が勝手に、主役は、<ジャガー>と異名をとってる男にしちゃおう!と無理やりこじつけてるだけなんだけど?(あくまでも自分の推測です)(笑) 

でも、なぜか似合っているところが不思議?(笑) 

音楽エンニオ・モリコーネ!! レンタルDVDで初鑑賞!

先日見た「ガンマン大連合」(1972)と監督と音楽と主役と悪役が同じで、メキシコ革命という舞台設定も同じ・・・・(でもシリーズではなく、まったくの単独作品)、そのため共通点がいっぱいあり、実に興味深く見れました!! 紅一点のヒロインも魅力的! 彼女を見てるだけでも、いい?(笑)

「ガンマン大連合」より、スケールの大きい派手な爆発シーンが多く、こっちのほうが、金がかかっている印象。(笑) 馬の調教もバッチリで、スターを乗せた複雑なカメラワークの長廻しでもちゃんとうまい具合に動いてるんで、感心しました。

面白いのは、クライマックスが、何回も用意されてたこと!! これで終わりか!と思っても、まだまだ続きがあり、それが数回繰り返され、なかなか終わらない・・・。(笑) この見せ方は、斬新・・・・(悪く言えば、しつこいけど)・・・。(笑)

そして、最後の最後まで、ハラハラドキドキさせ、ラストは、バッチリ決めてくれる!! 

いいねえええ。(笑)

この時代のウエスタンって、ほんと、面白さ抜群だったんだなああと改めて思いました!! 

モリコーネの音楽も、よりメキシカンタッチが強く、明るく楽しく、主役の登場シーンでは、口笛のかっこいいメロディが必ず流れてきて、もう痺れまくり!!(笑)

 

スタンダール・シンドローム

1996年公開! ダリオ・アルジェント監督脚本! 音楽エンニオ・モリコーネ!! 

黄金コンビの復活!!! アルジェントの傑作ジャッロ3部作「歓びの毒牙」(1970)「わたしは目撃者」(1971)「4匹の蠅」(1971)以来のコラボなんで、実に25年ぶり!! ゴブリンサウンドをあえて封印し、再びモリコーネと組んだ成果は、どうだったのか!? それだけで、興味津々!

初見は、レンタルVHS。 当時忙しくて劇場では見られず、うれしいことに、公開後、すぐにビデオ化となり、ワクワクドキドキしてレンタルしたのを覚えてます!(笑)

さっそく期待して見たんですが・・・・。うーーん、面白くなかった・・・。(笑)

新作の割には、ビデオの画質がイマイチで、それだけでノレなかったというのもあるし、ストーリー展開が平板で、先が読めてからが長く、イライラ・・・。(笑)モリコーネの音楽は、良かったけど、アルジェント映画としては、期待ハズレ・・・。という、印象・・・・。

今回は、HDにリマスターされたブルーレイでの鑑賞!! 映像がきれいになってるので、汚いVHS版(笑)とは、だいぶ見た目変わるだろう、モリコーネの追悼の意味もあるしという思いで、超久しぶりに見ることに。

なんと!24年ぶりの再見です!!(笑)

いやあああ、だいぶ印象が変わりました!!(笑)

なかなかいいじゃあないですか!!(笑)見直しました!!(笑)

やっぱり、映像がきれいになったことにより、受ける印象が全然違う!!

スタンダール症候群を描くせいか、美的センスが重要な映画になっており、いろんな美術が全編に散りばめられており(初見のVHS版ではまったく気づかなかった!)、見る側の感性をいやがうえにも刺激してくれるんで、それだけでも、GOOD!!(笑)

そこに、モリコーネの斬新な音楽が、流れてきて、劇的効果満点!!

素晴らしいです!!(笑)

確かに、今までの、アルジェント映画と違うところがあり、違和感を感じますが、新しいことに挑戦した、その新しさは、成功してると思います!!

実に緻密な構成になってるんですよ! 今回、それを発見してオドロキました! 

快調な序盤、見せるところと見せすぎないところに微妙なバランスのある不快な描写、前半と後半の展開の極端な変貌、特に後半の演出がヒッチコック的、巧みなミスディレクション等々と、いろんな起伏に富んだテクニックが満載なのにも関わらず、トータル的に落ち着いた演出を一貫して通し、あくまでも最初から終わりまで、ひとつのテーマを追求、探求し続けてるという、見事さ! これは、もう、痺れましたねえええ!!(笑)

全く違う、新しいアルジェントワールドが楽しめる作品ということで、再評価します!

 

赤いテント

1970年公開!! イタリアとソ連合作の大作!

日本では、ソ連版158分!が公開されたようですが、今宵自分が見たのは、国際版の121分! だいぶ前に輸入ビデオ屋でアメリカ版DVDを偶然見つけ、ゲットし、放置状態(笑)だったものをようやく鑑賞!! なんと5.1chサラウンド仕様! 音楽は、エンニオ・モリコーネ!!

実は、ソ連版の音楽は、モリコーネではなくて、アレクサンドル・ザツェーピンという人。当時、FMの映画音楽番組で何度も聴いたことがあり、美しすぎる曲が大変印象に残っていて、自分、頭の中で、既にモリコーネの作品リストがすりこまれていたんで、その時点から、勝手に?モリコーネの曲とばかり思いこみ(笑)、・・・・(でも、けっこう、モリコーネの作風に良く似ているので、モリコーネの曲って言われれば信じちゃうほど!)  ・・・いやあああ、モリコーネって、こんな素晴らしい曲も書けるのかあああ!と感心し、ますます大好きになってしまった記憶があります!(笑) 

やがて、それが違っていたっていうことを、どこかのタイミングで気づき(笑)、モリコーネの「赤いテント」のサントラLPをゲットして聴いて、それを確認し、日本で発売されてた、ザツェーピン版「赤いテント」のサントラLPとシングル盤を中古レコード屋で、ゲットして、両方を聴き比べ、その違いを十分堪能したしだい!(笑) 音楽的には、どちらも、素晴らしい!!

映画のほうの初見は、TV放送! 淀川長治解説の日曜洋画劇場で!

TV放送を見たのが先か、FMで曲を聴いたのが先か、レコードが先か、もう、記憶なし!(笑) TV放送版は、ザツェーピンの曲だったんで、日本公開のソ連版を日本語吹き替え、120分に短縮したものと思われます!(確か番組は、2時間半枠に延長) そのミステリー的な怖い展開と、北極でのサバイバルシーンの迫力、クラウディア・カルディナーレの美しさに魅せられ、見た夜は、なかなか寝付けなかった想い出あり!(笑)

で、もう一度見たいなああああ、ビデオにならないかなあああ、でも、ソ連映画だから、無理かなあああ?って、思い続けて、数十年もたってしまったある日・・・・・(笑)

レンタルビデオ屋で、「SOS北極 レッドテント」っていうタイトルのDVDを見つけ、・・・・??? あれえええ、これ、もしかしてぇええ・・・・って、パッケージをよく見て、確信!!(笑) これこそ、探し求めていた日本公開のソ連版、「赤いテント」!!!(笑)

即座にレンタルして、鑑賞したことはいうまでもありません!!(笑)

その後、また、数年・・・・・。

今度は、ようやくモリコーネ音楽版「THE RED TENT」DVDを見つけ、狂喜乱舞して・・・・、ゲット! 興奮して家に戻り、すぐ早送りで1度見て、・・・・それ以来ずうううっと、放置状態!!・・・・・(笑)

数十年ぶりになるかなああ!! 今回ついに、まともに、121分版初鑑賞となりました!!

158分版の記憶が薄れてしまっているので、どこがカットされているのか、よくわからなかったけど、モリコーネの音楽を初めて、まともに、本編で聴けたので、けっこう感激しました!! うぉおおおお、モリコーネ版もいいじゃああないかと!! 

今度は、久しぶりに、ソ連版を見てみようと思ってます!!

 

華麗なる相続人

1980年公開! オードリー・ヘップバーン主演の大河ドラマ風?サスペンスミステリー! 音楽は、エンニオ・モリコーネ!

だいぶ前に録ってあったWOWOW放送版で、初鑑賞!

オールスターキャスト!ゴージャスな美術!風光明媚なロケーション!と見どころ多く、見てて楽しいけど、登場人物が多すぎて、複雑な人間関係がうまく処理されておらず、訳わかんないし、犯人捜しのミステリーもあるのに、捜査が杜撰だったり、展開が早いなああと思っていたら、なんか途中途中で話が跳んでるような印象があり、モヤモヤした気分になってるうちに、クライマックスへ! そして意外な?(笑)犯人が登場したのに、その動機もよくわからないまま、唐突に、THE END!(笑)

事件の解決編が完全に抜けている!! これはヒドイ!! 失敗作だなああああっと思ったら、どうやらこの劇場公開版は、2時間にまとめた短縮版だったようで、モリコーネの資料本によると、アメリカのTVでは2時間40分版が放映されたらしい・・・。話がとんでるのは、気のせいではなかったというわけか。(笑)

このTV版を見たいなああ。いまだにソフト化されてない。

ただ、訳わかんないけど、映像が素晴らしいので、魅せられるし、いくつかのサスペンスシーンは、ドキっとするし、ハラハラするし、クライマックスは、ヒッチコック的でもあり、不完全な作品ながら、そんなに不満はない・・・・不思議不思議・・・。???(笑)

モリコーネの曲は、ヘップバーンに捧げたような優雅で華麗な愛のテーマを中心に、急に転調してサスペンスを煽る「エクソシスト2」(1977)に良く似た曲や、いいムードのイージーリスニング的な曲、コミカルな曲と、バラエティに富んでいて、余裕の仕事ぶり。

注目は、ヘップバーンの大熱演!! 本人がやってるとしか思えない危険なアクションがあり、もうビックリです!!

 

今のままでいて

1978年公開! 絶世の美女ナスターシャ・キンスキーの魅力が超絶に全開しているイタリア・スペイン・アメリカ製作の映画!! 

ナスターシャは、ほぼ主演デビュー作に近いのに、演技もうまいんで、天性の才能が備わっている生まれながらのスターといっていいかも!! 

DVDで初鑑賞!

音楽は、エンニオ・モリコーネ!

サントラはだいぶ前から聴いていて、モリコーネらしい美メロで感激し、映画の中で、どのような使い方をされているか興味津々だっただけに、まさに待望! この手の映画は、なかなか見る気が起きず?(笑)、どうしても後回しにしがちだったんですが、モリコーネを追悼して、ようやく重い腰をあげたしだい!! 

いやああ、見て良かったです! マルチェロ・マストロヤンニ扮する中年男の苦悩が良くわかりました!!(笑)自分も、そういう年になっちゃったからなあああ・・・・・?。(笑)

男性の心理、女性の心理と人間の本質をよく描いた、良質の作品!

モリコーネの音楽も聴かせどころがちゃんと用意されていて、素晴らしい効果! いいですよおおっ!!(笑)

 

注目は、ナスターシャ以外の出演女優も皆美人だったこと!!

目の保養にもなり? こんな贅沢な映画、めったにないんじゃあないかと思いました!!(笑) だって、その脇役陣が美人で、それだけでも、見る側は満足なのに(笑)、ナスターシャは、それを上回る超美人!ですからねえええ!!

しかも、それぞれが、意図的に、自分が魅力的に見えるような演技をしてるんで、うなりまくりました!! 演出も、そう映るように、徹底されていたんで、この監督、ちょっと女優の扱い方がうまいなあああって思いましたねええ!!

 

家庭教師

1972年製作ですが、日本公開は、1974年! イタリアのヴェニスを舞台にしたコメディ調悲恋映画・・・。・・・というか、思春期の青年の成長物語といったほうがわかりやすいか?(笑)

男目線から描いてるんで、デート映画ではなく、ひとりで見に行くのが正解!?(笑) 

当時大人気の、美少女オッタヴィオ・ピッコロの初々しい魅力が全開しており、久しぶりに見たんですが、今見ても、すごく可愛く、すごく愛しく、また恋してしまいました!(笑)

一目見ただけで、胸がときめくんですよ!(笑) 主人公のように、すぐに話しかけたくなり、すぐに好きになってしまう、強烈なオーラを感じます! そう、あの初恋の感触!(笑) 懐かしい!!(笑)

音楽は、エンニオ・モリコーネ! 自分、モリコーネの作品の中で、一番好きな曲は?って問われれば、真っ先にこの映画の曲を上げちゃいます!! もう、何回聴いたかわかりません!! 聴くたびに、感激!! 聴くたびに感涙!!

聴いてると、いろんな青春の想い出が、蘇ってきて、感慨深い気持ちになるからでしょうか! 女神エッダのスキャットも艶っぽくて、最高の美メロだと、断言しちゃいます!! サントラレコード、CDは、超愛聴盤!!

今回、DVDで、2回目の鑑賞! 

残念ながら、本編では、せっかくのモリコーネの美メロが、編集の制約上、充分聴かせられてない部分が多々あり、不満もありますが、サントラアルバムで完璧に補足できるので、問題なし!!(笑)

できることならば、もしブルーレイ化の話が持ち上がり、再マスターを作ることになれば、音楽をステレオで再ダビングしてほしいし、エンドクレジットを新しく追加してほしい!!

(現状、音声は、モノラルだし、エンドクレジットがないせいで、美メロが、急にフェイドアウトして、尻切れとんぼ的に寸断され、感動の余韻がまったくないまま、終わってるため。)