<エンニオ・モリコーネ作品 映画雑記>

 

めぐり逢い

1995年公開! アメリカの恋愛映画!

この手のジャンルは、まず見ないんですが?(笑)、音楽がエンニオ・モリコーネだから、サントラは聴いていて、注目。だいぶ前に激安中古DVDを見つけゲット! でも、鑑賞する気になれず、ずーっと放置状態。 ・・・ここにきて、モリコーネを追悼するため、ようやく初鑑賞!!

いやああ、見て良かったです!(笑)これは、素晴らしい! 

感動感涙の王道の恋愛映画です!

モリコーネの音楽は、一聴してすぐに口ずさめるようなメロディアスな曲ではなく、ゆったりとしたオーケストレーションの妙で聴かせる大人の曲になっていたんで、サントラを聴いただけでは、良さがわからず、印象が薄かったんですが、映画の中では、ほんと、素晴らしい効果で、中半からクライマックスまで、その美しい大人の曲が、流れっぱなしで、もう、涙涙です!!

予備知識まったくなしで見たんで、恋愛の行方が予想できず、ハラハラドキドキできたし、いやああ、いい、ラストでしたねえええ。 号泣必至の名シーン!!

 

見事に、よく出来たストーリー展開! 

実際の夫婦でもある、ウォーレン・ビーティとアネット・ベニングの息のあった演技!

そして、モリコーネの劇的効果満点の感動的な音楽!

超オススメの恋愛映画の傑作!

 

エンニオ・モリコーネの「めぐり逢い」のサントラを

映画を見てから聴くと、ほんといろんな名場面が目に浮かんできて、涙が出ます!!

主演のウォーレン・ビーティとアネット・ベニングが、実際夫婦なんで、その美しい曲に FOR ANNETTE&WARREN という曲名がつけられてます!! モリコーネやるねえええ。(笑)

注目ポイントは、本編における音楽構成。前半は、既成曲ばかりで、モリコーネの劇音楽は、まったく流れてこず、ビーティの伯母が劇中ピアノで、モリコーネの曲を奏で始めてから、待ってましたとばかりに、その美しい曲が、ラストまで、要所要所で、流れ始め、もう、感動の嵐になります!!

音楽の使い方が意図的に、演出されているわけで、その効果は絶大!! 素晴らしすぎる!!

残念なことに、映画のエンドクレジットに、その大人の美メロの歌バージョンが流れてくるんですが、サントラには、収録されてません! なぜ!?

 

バグジー

1992年公開のアメリカ映画。ラスベガスを作った男バグジーの半生を描く! この手のジャンルの映画は、自分好きではないので、まず見ないんですが(笑)、音楽がエンニオ・モリコーネだから、一応注目していたもの。でも、鑑賞する気になれず、ずーっと放置状態。 ・・・ここにきて、モリコーネを追悼するためにも見なくては!と決断! ようやく重い腰をあげて、録ってあったWOWOW放送版で、初鑑賞!!

ゴールデングローブ賞の作品賞は獲ってるけど、アカデミー賞の作品賞は「羊たちの沈黙」に! エンニオ・モリコーネの音楽も、アカデミー賞にノミネートされたけど、受賞は、アニメの「美女と野獣」!

 

こういう映画は、むずかしいんだよねええ。 実際にあったエピソードを、いかに映画的に面白く見せられるか!?の勝負になっていて、失敗すると、単にエピソードを並べただけになってしまい、平板でつまんなくなる・・・。

オリバー・ストーンの「JFK」は面白かったけど、「ニクソン」は、超つまんなかったから、同じ監督でも、題材しだい、脚本しだいといったところか。

さて、この「バグジー」の監督のバリー・レヴィンソンは、自分、SFサスペンスの「スフィア」(1998)しか見てなくて、あの有名な「レインマン」は未見!(笑) 「スフィア」は、面白かったけど・・・、こっちは・・・。

 

うーーん、なるほどなるほど・・・。(笑) この監督の演出の特徴がわかったぞ!(笑) 場面を展開させるための絵の組み立てを、ちょっとオーバーに作りすぎる傾向がありますねえええ。「スフィア」は、サスペンスなんで、もともとそうしないと成り立たないから気にならなかったけど、今回は、ヒューマンドラマなんで、非常に気になる!! 不自然なほどやりすぎ!!(笑) そこに意味があればいいんだけど、まったく意味がないので(笑)、見ててウンザリ・・・。(笑)

巨匠黒澤明監督も、このタイプなんですが、黒澤は、すべて意味があってやっているんで、見てて、素晴らしい!と納得できるんですが、レヴィンソンの場合は、それがない!(笑) ああ、ここまでしなくても、普通に見せればいいのになあ!と思っちゃう!(笑)ヤレヤレですよ・・・。

モリコーネの音楽も、作品のムード的に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」に似てるんで、その映画同様、聴かせどころの曲を全面的に出して、劇的効果を盛り上げ、泣かせる映画にしてくれればよかったのに、なぜか控えめ・・・。全体的に地味・・・。

本来だったら、感動的で、音楽が聴かせどころな名場面らしき?ところがあるにはあるんですが、そこに至るまでの過程で、流していないんで、急にそこだけで、盛り上げようとしても、見てる側の感情的には、無理。 耳がその曲に慣れてないんで、残念ながら、ノレなかった。 ほんと惜しい・・・。

セルジオ・レオーネ監督のような黄金コンビにはなれなかったようです・・・。

せっかくモリコーネを使うのに、控えめに使ってどうするんだっ!って言いたいですネ!!

 

エンニオ・モリコーネの「バグジー」のサントラCDは、

ゆったりした曲、サスペンス調な不穏な曲と既成曲で構成。

映画を見ないと、このアルバムの良さ、モリコーネの良さがわからないのが残念。

音楽だけ聴いても、イマイチグッとこない。

本編を見てから聴くと、初めて感情が揺さぶられます。

でも、モリコーネにしては、地味。

 

ディスクロージャー

1995年公開のマイケル・クライトン原作のIT企業を舞台にしたサスペンス。 監督が、先日見た「バグジー」のバリー・レヴィンソン! 

音楽が、エンニオ・モリコーネ!!

偶然にも、同じコンビの作品を続けて見ることに!

録ってあったWOWOW放送版で、初鑑賞!

いやああ、面白かったです! モリコーネの音楽も全編に流れていて、効果抜群!! これですよ、これ! これこそモリコーネ!! 今回2回目となるレヴィンソンとモリコーネのコラボは、大成功!! きっと「バグジー」で反省したんでしょうネ?(笑)

内容もそうですが、モリコーネの音楽のおかげで、ラストなんか最高に清々しく、元気が出ます! 仕事がんばるぞおおって、やる気にさせてくれます!!(笑)

たぶん、他の作曲家だったら、ここまでの効果は出せなかったはず! ほんと、モリコーネで良かったなぁって感じ!(笑)

欲を言えば、この映画、ブライアン・デ・パルマが監督していたら、もっとすごくて面白くなっていたんじゃあないかなあと思いました!!(笑) 特にクライマックスのサスペンスシーンを見て、そう確信!(笑) このサスペンス、まさにデ・パルマっぽいんですよ! モリコーネの音楽も盛り上がるし、当時としては、革新的な映像もスゴイし、大興奮! 

このシーン、デ・パルマだったら、絶対スローモーションを駆使してもっと盛り上げてくれたんだろうなあああ!(笑) 

まあ、とにかく、これでも、大満足の映画です!!(笑)

 

エンニオ・モリコーネの「ディスクロージャー」のサントラCDは、

いつものモリコーネらしいメロディアスな曲ではなく、サスペンスフルで重厚なオーケストレーションを展開させる劇音楽に徹してるため、映画を見てから聴かないと、その良さがわからない・・。(笑)

自分も、ずいぶん前に映画を見ないで聴いたら、まったく印象に残らず、イマイチだなああと思っていたんですが、今回、映画を見て、素晴らしい効果を上げていたんで、改めて超久しぶりに聴き直してみたら、評価が変わりました!!

聴いただけでは、微妙だった曲が、映画の中で、最高の効果を生んでいたんで、今、何回か聴きなおして口ずさんでるほど!(笑) 微妙な曲が、元気が出る曲に早変わりです!!

やはり、映画音楽は、映画を見ないと、本当の良さがわからないんですネ!

 

ちなみに、この映画、卑猥なセリフが満載で、これも聴きどころになってます!?(笑)

 

ブルワース

1999年公開のアメリカのブラックコメディー! 大統領予備選を舞台に、政治の裏側を徹底的に暴き出して笑いとばした痛快作!? いやああ、面白かったです!! 触れてはいけないタブーな領域にまで、踏み込んでるんで、よく一般作として、製作できたなああと、不思議に思う、超過激作!!

音楽エンニオ・モリコーネ!

予備知識まったくなく見たんで、最初のうち映画の主旨がわからず、まじめな映画なのか、コメディなのか、途中まで戸惑う部分あり。

そう、主役のウォーレン・ビーティ(製作、脚本にも関わってる!!)が見た目、真面目に見えるんで、コメディとして作っているのに、コメディっぽくない雰囲気がどうしても出てしまうのが、戸惑う要因。

これが、ウッディ・アレンだったら、最高だったかも?(笑)

とにかく、数々の政治演説がメチャクチャ面白いんですよ!! 

絶対に言ってはいけないことを、平気で言ってしまうんで、もう大笑い! これ、サイコー!(笑) これを許す?アメリカ映画ってスゴイ!! 寛大!!(笑)

モリコーネの音楽は、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」に良く似た曲が、後半ちょっと流れてくるだけで、かなり控え目。 音楽は、既成のラップとかヒップホップ系の曲が大半で、エンドクレジットも、そのモリコーネの曲と既成曲がミックスされた不思議な使い方で、締めくくってます。この使い方、モリコーネは、OKしたのかなああ・・・? 音楽家としたら、不本意ではないでしょうか。

 

エンニオ・モリコーネの「ブルワース」のサントラCDは、

本編では、既成曲がメインで、モリコーネサウンドが全面的に出てくることはない。 自分の耳の記憶でも、ひとつの曲を後半に、数回流しただけだったんではないかと? このサントラには、約18分と約25分の2つの組曲が収録。 本編では聴こえてこなかった曲も入っていて、サントラというよりモリコーネのアルバムとして聴いたほうがいい。癒し系とサスペンス調の音楽の2部構成。

 

ホワイト・ドッグ 魔犬

1982年製作のアメリカの社会派サスペンス! 攻撃犬を飼うことになったヒロインの苦悩を描く!!

日本劇場公開は1990年! ただ、1986年頃、未公開映画として、ビデオ化されてます。当時VHSがレンタルされてたような記憶あり!(笑)

普通は、スルーしちゃうんですが、音楽がエンニオ・モリコーネなんで、注目はしてました! 見なかったけど!(笑)

で、ちょっと前、偶然中古DVDを見つけ、あれーー、この映画DVD化されてたんだああってオドロキ、激安だったんで即ゲット! ようやく今宵、初鑑賞となりました!!(笑)

うーーーん、これは・・・。(笑)・・・決して、悪くないんだけど、当時の人気アイドル、クリスティ・マクニコルが主演していたにもかかわらず、日本未公開だったのもうなづけるほど、微妙な作品に仕上がってました・・。

彼女の魅力を生かした娯楽映画かと思いきや、その実態は、重苦しい社会派映画! 見てても、楽しくない。

モリコーネの音楽も、サミュエル・フラー監督の要望に合わせたのか、いつものメロディアスな曲、きれいな主題歌を封印。 劇的効果はあがってたけど、聴いてても、映画のテーマ性が強調され、落ち込むこと必至。

マクニコルの魅力は十分出てるし、犬の演技は、うまいし、サスペンスもあるしと、見どころはいっぱいあるんですが・・・。

なぜか、見終わっても、どこか腑に落ちない、モヤモヤ気分が残ります・・・。(笑) つまりは、娯楽要素と社会派要素の盛り込みのバランスが悪いんですよ。それにつきる。 監督の選択をきっと間違ったんでしょうねええ・・・。残念!

 

エンニオ・モリコーネの「ホワイト・ドッグ 魔犬」(1982)のサントラCDは、2010年に発売された34曲入りのものとか、他、2002年に発売された18曲入りのもあり。モリコーネらしい聴きごたえのある見事な曲ばかりですが、とにかく、重苦しい・・・。(笑) アイドル、クリスティ・マクニコルが主演なんだから、彼女に主題歌を歌わせても良かったんじゃあないかなあああ。

 

炎のいけにえ

1976年公開のイタリアのジャッロ映画! 猟奇エロチック・ミステリー!

音楽エンニオ・モリコーネ! 初見は、TV放送で、次にレンタルVHS、ようやく今回長年放置状態だった(笑)DVDで鑑賞!!(笑)

ジャッロらしい、殺人事件の犯人捜し的なミステリー要素もあるんですが、脚本が空回り?していて、まったく面白くなく(笑)、この頃美しさの絶頂期にいた美人女優ミムジー・ファーマーの魅力で、なんとか持ってる映画になってます!!(笑) ひたすら気持ち悪さを強調した絵作りなんで、トラウマになる人がいるかも?

モリコーネの音楽は、それに呼応し、女性のうめき声、あえぎ声を大胆に使って、不気味さ猟奇さを煽りまくってます! これぞ、モリコーネ節!! 絶対、他の作曲家は、マネできない!!(笑) 加えて、お馴染みの美しくて、悲しいメロディも忘れてなくて、ラストは、犯人へのレクイエム的な感じになってます!

でも、甘すぎる!!(笑) 

モリコーネのジャッロは、だいたいこういう曲の構成が多く、悪く言えばワンパターン。

曲自体は、美しくて、聴いてる分には、癒されるんで、いいんだけど、映像と合わせると、逆に、見てて、恥ずかしくなるほど・・・。(笑) 曲が、きれいすぎるんですよ! そこまで、甘くなくてもいいだろうって、いつも思います。

無理やり、感動させようとしてるんで!! その無理やり感が、嫌い!(笑)

自分としては、最後まで、女性のうめき声を炸裂させ、全編アバンギャルドな音楽で、貫き通してほしかったなあああ。

エンニオ・モリコーネの「炎のいけにえ」のサントラは、 

1976年の公開時に発売された日本盤シングルレコード2曲入りや、2008年に発売された22曲入りのイタリア版CDがあり、初CD化は、1992年のイタリア版で、11曲入りだったんですが、ここには、日本のシングル盤に収録されていた美しいメロディーの曲がなかったんですよ!! これにはビックリ!! 大失望!!(笑) そのため、しばらくの間、日本のシングレコードは、超貴重!超レア!!の座をほしいままにしていたんです!!(笑)

映画本編でのクレジットにはなかったんですが、CDアルバムには、指揮・ブルーノ・ニコライと書いてありました。

 

レディ・イポリタの恋人 夢魔

1975年公開のイタリアのオカルト映画! 音楽エンニオ・モリコーネ&ブルーノ・ニコライ! DVDで久しぶりの鑑賞!!

数十年ぶりに見たんで、新鮮な気分で見れました!! 初見のときより、好印象!(笑) なかなかよく出来てたんですよ!!(笑) 感心しました!(笑)

美術の色使いがいいし、特に、編集が神業的!! カットが多いし、展開がスピーディだし、かなり独特! 使われることが珍しい、黒味のフラッシュバックが、しびれるような効果で、出てきたんで、もう、大興奮しました!! やるねええ、イタリア映画!! しかも、ゲテモノ恐怖映画で!!(笑)

もともとは、アメリカの「エクソシスト」のヒットに便乗したモノマネ悪魔払い映画ですが(笑)、吐き気を催すほど気持ち悪いシーンが満載で、その点は、こっちのほうが上だし、映像のムードが、イタリアらしい貴賓というのか、香りというのか、独特の魅惑があって、なかなかいいんです。 健闘してます!

モリコーネ、ニコライの不気味な曲も、大変効果的で、クライマックスなんか、大興奮!! いやあ、映画とは、まさにこれだ!!っていう、恐怖映画でした!

何回も、背筋がゾクゾクしましたねええ。

 

エンニオ・モリコーネとブルーノ・ニコライによる「レディ・イポリタの恋人 夢魔」のサントラは、

日本盤シングルレコード、オリジナルイタリア版CDがあり、ともに、2曲のみの収録。

興味深いのは、この日本とイタリア版の2曲。 曲はいっしょだけど、編集が違っており、日本の曲タイトル<夢魔のテーマ>は、日本盤では、冒頭に不気味な悪魔のうめき声が入ってからパイプオルガンの荘厳な曲が始まり、途中でフェイドアウトする、約3分の曲になっているのに対して、イタリア版は、曲のみで約5分もあり、フェイドアウトすることなく最後まで演奏仕切ります!!

<暗黒のテーマ>は、冒頭のバイオリンの狂った演奏が聴きどころなんですが、日本盤は、なぜかその部分がカットされ、約3分、イタリア版は、狂った演奏部分を含むバイオリンソロで、約4分!!

この日本盤しか入っていない、悪魔のうめき声は、日本独自のもので、映画の雰囲気が一聴してわかるスゴイもので、もう大興奮!!(笑) モリコーネ節炸裂!! おそらく映画のSEテープから抜きだしたものでしょう。

それがあるゆえに、この日本のシングルレコードは、超貴重!!(笑)

本編では、メインタイトルとかにも、悪魔のうめき声が炸裂していたり、パイプオルガンとバイオリンの曲が錯綜する、背筋がゾクゾクするような劇的効果満点の曲もあり、2曲だけの音盤化では、物足りない!!(笑)

 

黄金の眼

1968年公開! イタリアの人気コミックの映画化だそうで、60年代らしい、ポップでサイケデリックで、お洒落で、コミカルな泥棒アクション!

泥棒と美女、それを追う刑事・・・、この図式は、まさに「ルパン三世」!!

音楽がエンニオ・モリコーネだったんで、早くから注目! ご機嫌な主題歌は、シングルレコードをゲットして、事あるごとに聴きまくっていた愛聴盤!! 

残念ながら、サントラLPレコードは、出ていなくて、2001年に、ようやく出たCDは、レーザーディスク音源?からの編集らしく、限りなく海賊版に近いもの・・・。 音は悪いし、セリフ効果音はあるしと・・・あまり聴く価値ないシロモノで、もう、ガッカリ・・・。

なんでも、オリジナル音源テープは、保管されていた倉庫が火事になって、焼失してしまったらしい・・・。???

ちょっと前に、再録音版のCDは出たけど、やはり、オリジナルでないと、納得できない・・・。サントラに近い忠実な演奏だったけど、どこか違うんだよなああ。勢いとかノリがぜんぜん違う!

まるで、「ルパン三世」ファーストシリーズの音楽みたい・・・。こっちも、音源が紛失し、いまだ発見できず・・・。再録音版は、何枚も出たけど、自分の思ってたような演奏をしてくれてないんで、満足できず・・・。やれやれ・・・。(笑) 

 

日本では、この映画、いまだに、ソフト化されていない!

モリコーネの音楽がいいんで、アメリカ版のDVDは、数年前にゲット、でも、まともに見ておらず。(笑) そろそろ見ようかなああと思っていたところ、なんと先月、またまたアメリカで、ブルーレイ化されたんで、そっちをゲットして、ようやく待望の初鑑賞!

監督が、恐怖映画の巨匠マリオ・ヴァーバで、最近、日本でも彼の作品が続々ブルーレイ化されてるんで、もしかしたら、日本でも、このマスターで出るかもネ!!

 

で、見たんだけど・・・・。うーーーん(笑) 冒頭から何十分かは、抜群に良くて、そのあとの展開に期待が持てたんだけど・・・・、もはやそこまで・・・。(笑) どんどん尻つぼみになっていき、まったく理解できない、ラストへ!

こんな終わり方って・・・、おいおい、いったいどうしちゃったの?(笑)

ルパン三世で例えると、ルパン三世と銭形警部の1対1の対決が、結局ないままに、終わるという? 前代未聞、拍子抜け、中途半端な終わり方!! 続編を作ろうとしたのかなああ?? これ1作で、終わっちゃったけど!(笑)

意外だったのは、モリコーネの音楽!! 曲自体は抜群にいいし、それぞれの場面での、使い方もいいんだけど・・・・、ぜんぜん盛り上がらないんですよ!?

高揚感がまるでなし!! 思うに、アプローチの仕方が失敗してると思いましたねええ。 普通は、主役の怪盗ディアボリックのかっこいいテーマ曲を作って、彼が活躍するたんびに、流すじゃあないですか!! それがないんですよ!!??

ルパン三世が主役なのに、ルパンのテーマ曲がなければ、絶対ダメなのに、それがない感じ!!(笑) だから興ざめ! ノレないんです!!

では、モリコーネは、どんなテーマ曲を作ったのかというと、怪盗のガールフレンドのほうをメインにした曲を作っちゃってます!! それは、ルパン三世でいえば、峰不二子用の曲を作っちゃったわけです!!(笑)

彼女同様、しびれるほど魅惑的で、素晴らしい曲・・・女性ボーカル、スキャットを駆使し、劇中何度も流れてくるんですが・・・これが、完全に裏目に出た感じ・・・。 まあ、映画的に見ても、あまり怪盗は活躍しないし?、ガールフレンドとイチャイチャやってるほうが多いんで、無理もないんですけど・・・。(笑)

一応、怪盗が活躍するシーンで、音楽は流れるけど、無難なアクション音楽に終始していて、インパクトがなくつまらない・・・。モリコーネとしては、珍しいケースだと思います! 曲はいいし、聴かせどころもたっぷりあるのに、泥棒アクションとしての、高揚感がまるで、出せてないという・・・・。

うーーーん、むずかしい・・・。

 

そんなこんなで、トータル的に不満な残念作になってます!!

もっと、面白く出来たはずなのになああ!!

・・・自分、怪盗が出ている場面で、勝手に「ルパン三世」のファーストシリーズのかっこいい曲を脳内に流して、なんとか盛り上げようとしました!!(笑)

ルパンの曲のほうが、絶対合っていたと思う!!??(笑)

 

エンニオ・モリコーネの「黄金の眼」(1968)のサントラCDは、 

2001年に、2222枚の限定版で、発売! シリアルナンバー入り! 

見つけたときは、狂喜乱舞しましたが、聴いてみたら、セリフと効果音が入ってるし、音は悪いしで、期待ハズレ! 調べたら、オリジナル音源が紛失してしまっているため、映画のレーザーディスクから、音楽部分を抜きだした編集版らしい。 

限りなく、海賊版に近いけど?、ジャケットの質はいいし、CD-R版ではない。

 

ウルフ

1994年公開! ジャック・ニコルソン主演の狼男映画!(笑)

音楽は、エンニオ・モリコーネ!

レンタルDVDで初鑑賞! サントラはだいぶ前から聴いていたけど、まったく印象に残ってなくて、大量のモリコーネ作品の中でも、埋もれてしまっている感のある1本!(笑) 

今回、映画を見て、その想いを確信しました! モリコーネとしては珍しく、音楽が完全に、映像の補足的な役割をするだけの劇音楽・・・いわゆる<出しゃばらない音楽>に徹しきっており、劇的効果は上がってるんだけど、曲そのものに、痺れさせてくれるような魅力はなかった! 新しい試みに挑戦したのか、それとも、良いメロディが思いつかず、スランプに陥ってたのか?(笑)

今までのアプローチとはガラリと変わっていたんで、ちょっと意外。 

改めてアルバムを聴きなおしてみたけど・・・、うーーーん、映像がないと、かなり聴き続けるのがつらい内容・・・。(笑)

これは、ビシっとした主軸となるメロディがなく、複雑なオーケストレーションで展開させる曲になっているため。

自分、日本盤のCDを持ってるんですが、ライナーノーツに、モリコーネがこの映画の音楽に関するコメントを寄せていて、その日本語訳を読むと、まさに! 自分が思っていたとおりのことが書かれてるではありませんか!!(笑)

<・・・この音楽は、大変に手の込んだ複雑なプロセスを経て作曲した・・・>云々・・・。と!!(笑)

やはり、いつもと違うことをモリコーネはやろうとしてたんですネ!?

つまり、・・・主役の狼男含めた登場人物たちの、様々に鬱積した、非常に複雑な心理を、音楽で解き明かそうとした・・・。

繰り返しますが、本編における、音楽の劇的効果は、抜群です!!(笑)

 

名優ジャック・ニコルソンの圧倒的に風格のある余裕の演技、美しいミッシェル・ファイファーの魅力全開、立体感のある素晴らしい撮影と、見どころ満載なんですが、脚本の内容が、あれもこれも描きたかったのか、中途半端に全部詰め込みすぎちゃって、焦点が定まっておらず、残念ながら、映画的には、大作にありがちな、空虚な失敗作。

監督が、「卒業」のマイク・ニコルズなんで、監督の選択を間違ったんだと思います。 狼男の恐怖だけを全面的に出して、ブライアン・デ・パルマが監督していれば、傑作になっていたんじゃあないかな。 絶対に!!(笑)

 

エンニオ・モリコーネの「ウルフ」のサントラCDは、

映像に劇的に合わせ、なおかつ登場人物たちの複雑な心理を解き明かそうとした、モリコーネ渾身の音楽!! あまりに、むずかしい曲を作っちゃったため?、アルバム単独で聴くと、まったく理解できない状態に!!(笑)

これを、失敗ととるか、モリコーネの新しいアプローチによる革新的な音楽ととるか・・・、その答えは、まだ出ない・・・。(笑)

繰り返し聴いてみるしかないのか・・・・??(笑)