MAUVE 24mmフレームの製作・搬入・施工

 

 

仙台・藤崎百貨店1階の風除室に計画したフラワーショップ

「MAUVE」

 

この空間を特徴づけているのが、

店内を連続する24mm角のスチールフレームです。

 

 

完成した姿だけを見ると、

細い黒いフレームが軽やかに連なり、

ひとつのシンプルな空間として見えます。

 

けれど、この形を実際の現場で成立させるためには、

 

「どんな形にするか」

 

だけではなく、

 

「どうつくるか」

「どう運ぶか」

「どう組み上げるか」

 

まで考えておく必要がありました。

 

 

■ 工場で、現場に入る前のかたちをつくる

 

 

今回のフレームは、

現場で一本ずつ材料を切りながら組み立てたものではありません。

 

あらかじめ工場で、

いくつかの大きなパーツとして製作・調整を行いました。

 

24mm角という細いフレームで、

大きな空間の輪郭をつくるため、

接合部や寸法、全体の精度を確認しながら製作を進めています。

 

工場で一度かたちを確認し、

その後、塗装まで仕上げた状態で現場へ運び込みます。

 

 

 

 

■ 搬入できるのは、正面の扉からだけ

 

 

MAUVEの区画は、

仙台の中心部にあるアーケードに面しています。

 

そして今回、

製作したフレームを区画内へ運び入れることができるルートは、

正面の扉からのみでした。

 

大きなパーツを搬入するためには、

多くの人が行き交う時間帯を避ける必要があります。

 

そこで搬入は、

街が本格的に動き出す前の早朝に行いました。

 

 

 

 

工場で製作した大きなフレームを、

一つずつ正面から区画内へ。

 

完成後はすっきりと見えるフレームも、

搬入時にはかなりの大きさがあります。

 

「完成したものがきれいに見えるか」だけでなく、

 

その大きさで本当に現場へ入れられるのか。

 

どこで分割し、

どの順番で運び、

現場でどのようにつなぐのか。

 

そうした条件も含めて、

事前に計画しておく必要があります。

 

 

■ 現場でつなぎ、ひとつの空間へ

 

 

早朝に搬入を終えた後は、

日中にかけて現場でフレームを組み合わせていきます。

 

それぞれのパーツの位置を調整しながら、

ひとつずつ固定。

 

半日ほどかけて組み上げ、

夕方前にはフレーム全体の骨格が完成しました。

 

工場では分かれていたいくつかのパーツが、

現場でつながることで、

 

人が通り、

花が並び、

店と街との間に境界をつくる、

 

MAUVEのひとつの空間になっていきます。

 

 

■ 完成すると見えなくなるところまで考える

 

 

設計の仕事は、

完成した形を考えて終わりではありません。

 

図面の中できれいに成立していても、

それを実際につくることができなければ、

空間にはなりません。

 

どう製作するか。

 

どう現場まで運ぶか。

 

限られた搬入経路の中で、

どの大きさまでなら運ぶことができるのか。

 

そして、

現場でどのようにつないで完成させるのか。

 

 

完成後にはほとんど見えなくなる、

こうした製作や施工のプロセスまで含めて考えることも、

空間デザインの一部だと考えています。

 

 

現場に材料が届く、その前から。

 

空間づくりは始まっています。

 

 

 

 

TORDIMO SPACE DESIGN OFFICE

仙台を拠点に、店舗・商業空間・住宅などの

空間デザイン・設計・リノベーションを行っています。

 

MAUVE

宮城県仙台市

フラワーショップ