懐かしさと機能が交差する邸宅リノベーション
長年大切に住み継がれてきた家には、
家族の歴史と愛着が深く刻まれています。
今回のリノベーションでは、
ただすべてを真新しく塗り替えるのではなく、
先人が遺した美しい意匠や暮らしの痕跡を、
現代の空間にどう調和させるかを
設計の主題としました。
かつて奥の部屋を仕切っていた
繊細な組子の建具は、
あえて空間のメインとなる場所に配置。
空間の中央に凛と立つ既存の柱には、
かつての床のラインや欄間の欠き込み跡を
そのまま残し、この家が歩んできた時間の
蓄積を視覚化しています。
一方で、昔ながらの和室や縁側特有の
「寒さ」や「段差」といった機能的な課題は
根本から見直しました。
親戚の方々が多く集まり、
お孫さんが元気に走り回る賑やかな日常。
それを想定し、プライバシーと開放感を
両立させた間取りへの再構築をはじめ、
断熱性能の向上や動線の整理など、
見えない部分の「暮らしやすさ」も
徹底的に追求しています。
過去の記憶を優しく包み込みながら、
これからの未来をより快適に紡いでいく。
新旧が美しく交差する、
新たな住まいが完成しました。

