第26話〜遠ざかる距離 | Distance~時を超え距離を超えた二人の物語

第26話〜遠ざかる距離

ひろはみきに逢えない寂しさから
だんだんと他の女の子に気持ちが向かうようになった。

偶然、カナに出会った。

彼女は長いこと付き合っていた大好きな彼氏と別れて
すっかり傷心し切っていた。
ひろよりも3歳年下の彼女はその可愛い顔とは裏腹に気が強かった。

二人はそれぞれに身の上話をしているうちに
すっかり意気投合していった。

ある日、坂道でひろの前に停まっているクルマが自然と下がってきて
ひろのクルマに軽く当たった。
どうしたんだろ?と思った瞬間、カナは勢いよく助手席を降り
前のクルマの窓を叩き、こう叫んだ。

「ちょっとアンタ!人のクルマに当たっておいて、謝りもしないの?!」

ひろは少しカナのそんなところを苦笑しつつ、
みきとは違う彼女の性格に惹かれていった。
カナはひろの性格が、別れた彼氏と正反対なところに惹かれていった。

その頃みきには、新しい恋が芽生えようとしていた。
ひろとはまた違う男性に惹かれていったのだった。

カナは突然、ひろの前から姿を消した。
いつものように部屋を訪ねるとすでにもぬけの殻だった。
ひろにとってそれはショックだった。

「オレってどうして、こう、ついてねえんだろ」

いつしかそれが、ひろの口癖になっていった。

打ち拉がれたひろと毎日が楽しいみき‥‥
このときすでに、お互いを思う気持ちはだんだんと薄れていった。
いや、ほとんど頭の中には無かったのかもしれない。

もう冬がそこまで来ている頃だった。