第23話〜エアメール | Distance~時を超え距離を超えた二人の物語

第23話〜エアメール

みきが渡米して数日間、
ひろはみきがそばにいないことをあまり気にはしていなかった。
しかし、そうは長くは続かなかった。

みきに逢いたい、みきの声が聞きたいという思いは
日に日に増すばかりだった。
みきの存在が大きかったと気がついた。

みきは少しだけひろのことを思い出すことはあったが、
それよりも目の前に展開するすべてのものが新鮮で楽しい毎日だった。

ひろはみきのことを考える時間を少し紛らわしたいと思い
以前よりも仕事に打ち込んだ。

同僚が嫌がる仕事も残業も進んでやった。
結局、同期で入社した連中よりも早い出世となったくらいだった。
でも、それをあまり嬉しいとは思わなかった。

家に帰ると机に一通の見慣れない封筒が置かれていた。
それは初めて見るエアメールだった。

急いで封を切ると、
懐かしいみきの文字が見えた。

「ひろ 元気でやっていますか?
 わたしは今、ロスで友だちもできて楽しい毎日を送っています」

あまり長い文章ではなかったけれど、
日々の暮らしについてあれこれと書かれていた。

「そうかあ。元気で暮らしてるんだ」

ひろは何度も何度も手紙を読み返した。

ひろは無事にみきが向こうに渡り、元気にやっていることを嬉しく思った。
そして、みきがいなくなってしょげ返っている自分が小さく思えた。
読んでいるうちに文字が霞んで見えた。

みきに逢いたい
みきの声が聞きたい‥‥思いは大きくなるばかりだった。