忘れられた権利とは、インターネットにおけるプライバシーの保護のあり方について2006年以降に検討、施行されてきた権利である。忘れられる権利が重要視され作られた理由はインターネットの掲示板やブログ、SNSを使う人が多くなりプライバシー侵害や誹謗中傷、名誉侵害に苦しむ被害者たちが増えてきたからである。また自分のプロフィールや写真などプライバシーの関わる情報をインターネット上に公開した後にやっぱり消したいと思ったとき消せるようにするためである。
しかしこのような権利を作るには様々な衝突する問題がある。忘れられる権利は個人の都合によって情報を一方的に削除するものであり、この権利を認めた場合、「知る権利」や「表現の自由」が損なわれるという意見もある。さらにネット上に拡散したすべてのデータは当に削除することは可能なのかという問題である。広大なネットワークに散らばったデータの中から個人の情報を見つけて消すということはサービス業者からするととても負担がかかるのである。
最近SNSやツイッターなどで問題になっているのはリベンジポルノである。リベンジポルノとは元結婚相手や交際相手によってプライベートな写真や映像をインターネットに流出させられてしまうことである。この問題は日本だけではなくアメリカなどでも問題になっている。カリフォルニア州ではインターネット規制の新たな法律が作られ個人的な写真や映像を嫌がらせ目的で流出させた場合は法的に罰し、禁錮六か月か罰金1000ドルである。一方フロリダ州では、カリフォルニア州と同じような法案があげられたが国民から「表現の自由」に反するという意見も多くあり成立されていないのである。 日本でもリベンジポルノやSNSなどで多く問題は発生しているが忘れられる権利のような法制度は定められていない。サービス業者が独自で対策しているのが現状である。
自分の考えでは日本もインターネットやSNSなどの技術が進んでいくうえでしっかりとした法律やルールを定めていくことが大切であると思う。今の状況ではルールが曖昧でありインターネットの中なら「表現の自由」が確保されなにやっても許されるという考えの持ち主がいる。実際に日本でもSNSなどが関係している殺人事件などが増えており大きな問題となっている。しかしこのような問題からなんでもかんでも規制かけてしまうとインターネットの情報の弱体化につながり今のような便利さが失われてしまう。忘れられる権利は国民の表現の自由を守りながら規制していくことがとても難しいのである。
日本国内ではこのような内容の裁判があった。2015年12月22日に日本初の「忘れられる権利を明示し個人のデータを消すように命じられた。内容は、児童買春・ポルノ禁止法で逮捕された男性が罪を償い三年の月日が流れてもインターネットから名前と住所を検索することによって逮捕事の記事が閲覧できてしまうというものだった。この記事が原因で社会への復帰、また平穏な私生活が取り戻せないなどから埼玉地裁がその記事の削除を命じた。だがこの事件でも国民に対する知る権利や表現の自由またはこの記事は社会に残しておくべきであるなどが議論されておりきれいに解決したわけではない。現在のようなメディアやSNSが大きく影響する社会では一つの記事で生活が一変してしまうこともある。罪を犯してしまった人だけではなく一般人の犠牲者も多く存在している。インターネットやSNSの事件を少しでもへらすには忘れられる権利は日本の法律としてあるべきである。国民は自分がSNSなどを使用して危険が近くにあることなどの自覚をもち、慎重に情報を提供するなど危機感をもつことも大事なのである。