想定内ではあったのですが、予定外に早くロンドンに帰って来てしまい休暇が継続中なので、ヒラメイテ、ロンドンSOHOのミュージカルMISS SAIGON
を観てきました。
ミスサイゴンと聞けば、即→1986年のマリリンさんを連想する世代。
なのですが、実は今まで観たこと無かったです。
さて、今回の再演は、初演25周年を記念したものとのこと。先月始まったばかりで、(ってかつい先日同じ劇場でJersey boysを観たばかりだったんですけど引っ越ししてしまったのですね)当然ながらディスカウントが見つからなかったので、直ウェブサイトで3階席の1番前を購入。ってか、”高所恐怖症の人にはお勧めしません(Not suitable for vertigo sufferers)”って警告があったのですが、実際3階ゾーンに入ってみたら、
ほんとに、凄い急な傾斜でした。
でも、椅子が結構幅広で快適、舞台完全見下ろし型ではあるもののリストリクテッドビューでもなく、悪くないです。
さて、開幕。
戦争地が舞台なので、明るく極楽新種の振り付けで圧倒する系では無くて、芝居展開なものの、意外とというかほとんど歌で展開させてく、僕にとっては、ちょっと新感覚。
お約束のように唐突に組み込まれるマスゲームのような魅せ方も心地よく、
猥雑なdreamland(売春宿)もファンタジー感が詰まっていて下品でなく、
前半には、いきなりベトナム舞台に、クリスとエレンのベッドin米国を浮かせて表現したりして結構、壺にきました。
そして、いつ出てくるかとなにげに待っていたヘリコプターの場面も迫力十分。
トゥイのお化けシーンとか、エンジニアのアメリカンドリーム(日本では市村正親氏のが大絶賛らしいですね) とか、個人的に壺壺にきました。
さすが、日本でもロングランしたらしい、世界で実績のある作品。見応えがあります。
先日観たレミゼの母親役女優がなぜかアジア系で全然違和感だったのとは違って、今回のキム始め、dream landの従業員とかもアジアンな感じにしっくり馴染んでいい感じ。。。と思ったら、どうやらキムさんは高校卒業したてのアメリカンだそうで。
ってか、僕の隣りの西洋人女性のお方、ラストシーン間近のクリスとエレンがキム母子をどうするかのやりとり関係をしているあたりから、ぐしゅぐしゅ泣いていたんです。
ってか、幕後、3階席ゾーンでは、あっちでも、こっちでも、カップルが(感動したんだか何か思うところがあったのか)露骨にハグとかしていたんです。
僕、ちょっと、驚きました。何故って、僕、「クリスの腰抜け野郎!」ってプンスカした余韻だったもので。
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★ネタバレありのバイアスありのやっつけあらすじコーナー★
ベトナム戦争時、撤退方向の米軍人が売春宿でやりたい放題。そこで、米国軍人クリスが、新人売春婦のキムと出逢い、惹かれあって、キムはなんだか結婚式をいそいそと進めます。
結婚したら米国へ行けるとキムは思っていたのですが、なんだかのごたごたでキムを残したまま、クリスはヘリコプターで米国へ帰ってしまいます。
クリスさん、キムを残してきたことを気にしているっぽいのですが、数年後に米国人女性エリスと結婚してしまいます。
その後、米国ベトナム混血児を米国へ連れて来ようという運動があり、それに絡んで、クリスはキムがクリスの子供を産んで、バンコクにいることを知らされます。
でも、エリスがいます。あれやこれやで、クリスとエリスはバンコクへキムに会いに行きます。
キムはずーーーっとクリスを待っていたので喜んで会いに行ったところで、エリスの存在を知ることに。
キムの米国ビザ取得の夢が霞みます。
せめて子供だけでも米国に行かせたいと願うのですが、エリスは反対し、クリスも結局、キムも子供もベトナムで、お金は支援するからさ、的方向に持って行こうとします。
せめて子供だけは米国へ行かせたいキムは、自害して、子供をクリスに託します。
って、これ、めでたしなんですか?
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ってか、蝶々夫人も似たような不可解感、ってかアジア人的に不可解感が残るんですけど。
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なんだかもやもやしたので、いろんなミスサイゴン評を見てみたのですが、どうやら、クリスさんはベトナム戦争のPTSDを抱えていて、それを癒し支える慈愛があるのがエリスで、だから、クリスにとってエリスの必要性の大きさも理解できる、、、、らしいのですが、今回の演技からは、個人的には、エリスの慈愛の深さみたいのよりは、”クリスの腰抜けっぷりと、エリスの離れたところから理屈で解決的な西洋的処理感”の方が察せられて、なんだか鼻白んでしまいました。
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となると、会場で、ぐしゅぐしゅ泣いていた西洋の女性は、どの部分が琴線に触れたのでしょう?
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となると、会場で、ハグして分かち合っていた西洋のカップルは、どの部分が琴線に触れたのでしょう?
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もしかして、エリスとクリスとの愛?
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まさか、キムの可哀そう加減の方?
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単に、死んじゃうことについて?
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キムが混血の子供を想う愛について、じゃ公衆ハグにはならないだろうし。
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なんだか、ちっとも、分かりませんでした、ハグし合っているカップルの理屈が。
でも、
舞台美術も素晴らしいし、飽きそうで全然飽きさせない展開も素晴らしかったです。
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なんども繰り返されるメロディーはそれなりに印象的ではあるもののレミゼやオペラ座ほどの染み込み感は無かったんですけど。
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でも、
この作品にしても、WAR HORSEにしても、あと全然別部署で恐縮ですが先日観た映画ブタペストホテルにしても、背景は戦争なんですよね。ある意味、戦争ものって、実は、需要が堅いってことなんでしょうか。なんかそんなナナメな部分のことばかりを考えさせられる余韻なミスサイゴンでした。
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あ、主役は、エンジニアさんだそうです。だったら、クリスをとやかく言うなよって、、、、う~~~む。



