いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。
以前、イルミネーター(スピーカー)を組み立てたとき、
スピーカーの内部配線には特にこだわらなかった。
交換したらどうなるのだろう?という興味があり、やってみた。
もともと使用していた内部配線のケーブルは、
SUPRA CLASSIC-1.6
である。錫メッキ。
製造はJENVINGというスウェーデンのメーカーで、
SCAN-SPEAKとか、北欧のユニットにはマッチすると思う。
どちらかというとメリハリのあるエッヂ強調型の音で、弦楽器の艶がすごいのだが、これはこれで飽きてきた(笑)。
悪く言うと、虚勢を張っているような演出がうるさく感じられてきたのである。
昔、SAEC扱いのSUPRA 2.0というUSBケーブルを使用していたことがあるが、そちらはさらに派手な演出傾向があったように思う。
ある程度聴いていると、最終的にはフラットが恋しくなってくる。
微調整は、スピーカーより上流でいろいろできるし。
好みの問題であるが、エッヂ強調型のケーブルは曲を選ぶ。
地味なピアノ曲で、とんでもなくスカスカに感じられる時があったり。
ただSUPRAのケーブルも強調はあるものの破綻はしないし、基調は上品な雰囲気を醸し出しているため、これはこれで捨てがたい魅力がある。
AET好きの俺としては、AETのにしようと画策していたのだが、
SINとかでは太すぎて内部配線には不向き(そりゃそうだ)。
かといって、EVO-1302とかだと、レビューを読む限り、
結構クセがありそうだったので断念した。
「現代オーディオ辞典」のケーブルレビューを参考にさせていただき、KHD電線Sir Tone SPC-2508にした。
大阪のメーカーであり、メートル850円なので、財布に優しい。
まだ交換直後でエージングが済んでいないのだが、
内部配線を交換しただけで、音が大きく変化することを確認した。
全体に音がおとなしくなって、正直SUPRAの艶が恋しい気もするのだが、期待通りフラットになったので、よしとする。
フラットといっても、自分はプロスタジオ仕様の冷徹な音はダメ。
別に仕事で聴いてるわけではないので、無機的な音ならノーサンキューである。
矛盾したことを書いているようだが、すっぴんより、ナチュラル・メイクがよいのである。non-NFBの蒸留水みたいな音はちょっと…。
その点においても、SPC-2508は適度な潤いを感じるので合格点。
SUPRA以外とは比較していないので、モガミやベルデンとどれぐらい違うのかはわからない。
強調が減っただけでも、透明感が増し、聴いていて疲れない。
BGMとしてリラックス目的で聴くので、交換して満足である。
エージングで、これからどう変化していくのか楽しみ。
P.S.
おろし立てのときから、音がハイ上がりになったりはしなかった。
低域のレンジが狭いということもなく、真っ当なバランスだった。
数日聴いているけれど、バランスは初日からそんなに変わらない。
中低域寄りなのかもしれない。高域は苦手な可能性もある。
俺はもう高域を聞き取りづらい年齢なので大丈夫(笑)。
出音は徐々に滑らかになり、空気感も出るようになり、密度が濃くなってきた。
若干シャリシャリするところもあるけど、下手なハンダ付けのせいかもしれない。
ケーブルの被覆を剝くとき、失敗して銅線ごとザックリ切ってしまった箇所があり(どこだか覚えていない)、あれがどう影響してるのか心配。そのままハンダ付けしてしまったことが悔やまれる。
内部配線を交換しての変化は、やはり透明感が大きい。
静かな曲が、存在感をもって鳴るようになった。
風雅な響きを持った、北欧の憂いのあるスピーカーが、ピラミッドバランスでやや緻密なオールラウンダーに生まれ変わった感じ。
一言でいうと、良くも悪くもクセがなくなった。
ほんの若干だが、曇りがとれクリアになった。
P.S.2
一か月鳴らし込んで、SUPRAとの違いはますます薄れていった気がする。
耳が慣れた、というのもあるだろうが。
艶もそこそこ出ているし、そんなに違いはないかなあとも思う。
ただ、よりモニター調になったというか、無駄な付帯音が消えた分、スッキリして聞こえる。
そのため、銅線ザックリのせいで音の一部が消失しているのではないか、
と疑ってしまったのである。いや、まだその可能性は否定しきれない(笑)。