いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

真空管アンプ生活に移行して、満ち足りた日々を送っていた。
音については、これ以上、何も望まない。

ひとつ懸念があるとすれば、熱である。
真夏に真空管アンプはさすがにキツイだろう。真空管の寿命を縮めかねない。

夏用に、トランジスタアンプを導入することを決めた。
いま我が家にあるのは、プリもパワーも全て真空管アンプなので、トランジスタのプリメインを導入する。

トランジスタでもアナログアンプだと、熱という点では、真空管とさほど変わらないかもしれぬ。
かつて所有したKRELL KAV-400Xiも、かなり熱を持っていた。そのエネルギーがいい音の源なのだが。

往年の名機を中古で入手する方向も検討したが、メンテナンスが面倒なのと重厚長大なアンプは避けたい。
音的には、圧倒的にアナログ派なのだが、ここは新しめのデジタルアンプを候補としたい。

一応アナログアンプの線でも検討した際、SANSUI AU-α607NRA2とか、AURA VITAはいいと思った。
イシノラボのトランス式パッシブプリも気になるが、今回はプリメインなので。

デジタルアンプといって思い起こされるのは、FUNDAMENTAL sa4.0とNmode X-PM100である。
SOULNOTEが寒色系だという人がいるが、俺は暖色系だと思う。定義がよくわからない(笑)。

X-PM100はホワイトノイズがなければ魅力的。ただ中古でも30万円以上はする。
sa4.0×2(バイアンプ)は、音的には十分だが、もう少しコンパクトにまとめたい。コンセントも二口いるし。

PIONEER A-70Aも候補にしていたが、動画を試聴した限りでは、個人的にいまいちと思った。
動画では、たいていU-05がセットで鳴っているため、DAC次第では化けるのかもしれないが。

というわけで、デジタルアンプのキットに手を出した。
マルツエレックで売ってるLV-2.0システムアンプキット。

キットとはいっても、ハンダ付けもほとんどなく、DOS/Vパソコンを組み立てるより簡単だ。
半日かけて組み上げ、さっそくスイッチオン!

DC/DC電源基板がバチバチィという音とともに煙を吹き、きな臭い匂いが立ち込めた。。

説明書を見返したところ、基板の設置方向が間違っており、違うコネクタにケーブルを挿していた。
あと挿してないケーブルがあった。さすが俺である。

急いで修正。気を取り直して音出ししたところ、無事に音が出た。冷や汗ものである。
下ろし立てのため、低音がシャリシャリしている。エージングが必要だ。

キットとして、多少なりともハンドメイド感覚が味わえ、音が出たらやはり嬉しい。
マルツのホームページには音質改善の提案もなされ、部品を交換することで長く楽しめそうだ。

昔、SMSLのSA-98というデジアンを持っていたが、愛着が湧かずに処分した。
ボリュームを良品に交換したりすればよかったのかもしれないが、そこまでの意欲がなかった。

音質については、デジタル臭さはたしかにあるが、及第点だと思う。自然な鳴りだ。
sa4.0と比べて圧倒的に劣るかというと、さほどの差は感じない。俺にはこれで十分という気がする。

いずれコンデンサ類を交換してみたいと思うが、まずは標準の音をじっくり聴いてみたい。
エージングでどこまで変わるかも確かめたい。

デジアンでSP25を鳴らすのもいい経験になった。
SP25はアンプ泣かせのじゃじゃ馬だが、意外と懐の深い適応力を持っていることがわかった。

今回購入したのは、LV-2.0MINIというキットだ。3種類あるうち、一番安いやつ。
35,424円(税込)でオールインワンであることを考えたら、コスパは非常に高いと思う。

P.S.
一日鳴らしていたが、いやいやこれは期待以上の音だ。
SA-98とは隔世の感がある。上流にかませているファインメットライントランスの貢献も大きいだろうが。

デジタルの怜悧な音でありながら、どこか柔らかく包み込むやさしさがある。
バキバキに割り切ったドライな音ではなく、北欧風の憂いある哀愁もうまく鳴らす。

ライントランスは万能薬だ。こだわるべきは、アンプよりトランスなのかもしれない。
いまは1:1のライントランスだが、他にも検討してみる必要がありそうだ。

1:1であるならば、インピーダンスマッチングとは関係ないと思うのだが?
やはりオーディオは奥が深い。