いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。
行ってきました、お茶の水。
今日はサンバレー SUNVALLEYの試聴会が行われていたのだ。
明日はさらにマニアックな後半があるらしいが、疲れたので行かない(笑)。
今日、見てきたこと(聴いたこと)をありのままに話すぜ!!
今日は入門者用のセミナーが最初にあり、「初めての真空管アンプ」というテーマで、大橋氏がベシャリ。
いやー、口が達者だな、この人。それより、サンバレーが豊田自動織機の100%子会社ということを知り驚いた。
大橋氏はハードにからっきし弱いというネット情報が出回っていたが、あれだけしゃべれれば大したものだ。
少なくとも浅学の自分よりは、全然上であることを知った(笑)。いろいろ勉強になった。
数年前からヘッドホンブームが来て、その後昨年あたりから真空管の新規顧客が急増してるとか。
それは俺だ(笑)。ここ数年はトレンドに乗れてるっていうか、情報操作に完璧に誘導されてるってことか。
最後は、アンプよりスピーカーによって音が変わるから、まず好きなスピーカーを見つけなさいという話。
いやー、アンプ試聴会でそれを言い出したら、全く身も蓋もないな(笑)。
第二部、第三部はエレキット、トライオードとの比較試聴。
お目当ては当然こちらだ。
大橋氏が多数派の意見を紹介していたけど、どれも自分の印象と一致しなかった。
ひとつには、上流に真空管のDACとプリを噛ませており、
出音に対して、それらがすでにかなりの影響力を持っていそうだったこと。
SV-192PROは、変なクセがなくてよかった。
プリはSV-310とSV-300LBがあったが、SV-300LBを入れたシステムのほうが好印象だった。
以下はあくまで個人的な印象。
ELEKIT TU-8200
エレキットは素直な出音。シングルアンプのせいもあるが、音が混濁しない。
音が幾重にも重なるようなソースでは強みを発揮すると思う。
音のボディが薄い印象。残響が少なく、ハキハキした音だ。
KT88でも聴いたけど、自分の好みではない。
SUNVALLEY SV-S1616D
KT88は人気のある球らしいが。
たしかに写実的な音なんだが、起伏がはげしい感じ。
帯域のバランスがなだらかになっていない気がした。
要は、長時間聴いていて疲れるだろうと思った。
EL34のほうが低音が控えめでマイルド。耳障りがよい。バランスが円い。
それはSV-P1616Dの比較試聴で感じたこと。だんだんどれを聴いても同じになっていった(笑)。
845のシングルも聴かせてもらったが、たしかにパワー感があっておもしろいシングルだった。
けど、特段の抜けの良さとかは、自分は感じられなかった。
ELEKIT TU-8340
エレキットは音のボディが薄い印象をもったのだけど、本機に関してはそれはなく、とてもよかった。
SV-P1616Dを購入するとき、こちらと迷ったのだけど、こちらを選んでも後悔はなかっただろう。
特にKT150を挿したときは、SV-P1616Dとほとんど遜色なかった。
やはりプッシュプルが好き。
SUNVALLEY SV-P1616D
KT150を聴いたけど、かなりよかった。多極管が好きだ。300Bより全然よかった。
まあEL34でも十分よかったので、KT150は気分転換に欲しい感じ。
KT120には魅かれなかった。
TRIODE TRV-35SER
トライオードもエレキットみたいな余韻の少ない淡白な音かと思っていたのだが、違った。
これはよかった。上述の通り、上流にSV-300LBがいたので、パワーアンプ単体ではわからない。
エレキットのときは、SV-310だったかもしれない。
トライオードのときは、3台ともプリがSV-300LBだったので、プリをSV-310にしたら印象が変わるかも。
いずれにせよ、トライオードの音には、試聴後の満足感があった。
やはりサンバレーがボディの厚みが一番あるし、残響も多い。
トライオードはそれほど残響が多いわけではないが、満足感は感じられたので、たしかに余韻があった。
おそらく音のボディの厚み、残響の引き際とも計算されつくした、名機なのだと思う。
長い目で見て一番飽きないのは、質は高いがクセのない、トライオードかもしれない。
もし自分が買うとしたら、プリメインでなくパワーアンプにすると思うが。
TRIODE TRV-88SER
全然悪くないばかりか、かなりよかった。
価格を考えると、もうこれで十分じゃないかという気がする。
音楽的なまとまりでいうと、エレキットは音がバラバラに聞こえる(私感)。
トライオードは音楽としてまとまっているが、団子にはならずキレはよい。
けど、決してアメリカンロックのようなドライでパキッとした音ではなかったんだよなあ。
これはプリの支配力がやはり大きかった気がする。あるいはDACか。
パキッとした音が好みであれば、エレキットのシングルかソフトンのMODEL7をすすめる。
自分はメロウで響く音が大好物なのだが、今日のトライオードは好印象だった。
TRIODE TRV-A300XR
300Bについてはあまりいい印象をもっていなかったのだけど、かなりよかった。
300Bはこぶしがあるというかくどいというか、それでいて上下は詰まる感じがあったのだけど、プリを組み合わせることで気にならなくなった。
自分が求めるのは一にも二にもピラミッドバランスであり、中音ばかり厚いツチノコはいらないのである。
プリと組み合わせてうまく使えば、シングルアンプでも十分に使える。
何だかシングルアンプが欲しくなってきちゃったな(笑)。
今日の試聴から、シングルアンプに再チャレンジしてもいい気にはなった。
うーん、シングル買うならKT150かな。KT150なら、シングルアンプでも満足しそう。
でもKT150なら、SV-P1616Dに挿し変えて使うのが一番いいか。
無理してシングルアンプを使う必要もなし(笑)。
想像以上に、SV-P1616Dの利用価値は高かった。
その都度パワーアンプを買っていたら、間違いなく置き場所がない。
アナログ愛好家はさらに、フォノコオライザとかレコードプレイヤーとかも設置しているのだろう。
率直にすごいと思う。
SUNVALLEY SV-501SE
これを聴いたときはもう意識が朦朧としていて、あまり覚えてない(笑)。
けどシングルに持っていた弱々しい印象は全く感じられなかった。
手頃な価格で手に取りやすいし、A300XRと比べて、音に不満は全くなかった。
気安く改造できそうだし、サイズもコンパクトで、こういうシンプルなアンプが好ましい。
自分にはカウンターポイントとかオクターブとかの高級路線は合わないと思われる。
300Bに再チャレンジするなら、こういうアンプがいい。
SUNVALLEY SV-91B
以前所有していた時の印象とはかなり違う音だった。
前はパッシブプリ(ハイエンドボリューム)を噛ませていたので、ことさらレンジが狭かった。
そして音痩せして、音が消失していた。
実際のSV-91Bはもっとパワフルで、自己主張も強い音だった。
それと自分が気に入らなかったのは300Bの音ではなく、橋本トランスの音だったのかもしれないと思った。
いずれにせよ、自分がこのアンプを買い戻すことはないだろう。
やはり自分はSV-P1616Dのほうが好きだ。それも我が家の。
結局、スピーカーも含め、自分の耳で構築してきた我が家の音が、一番好きなのだ。
いまもらってきたカタログ見てるけど、あれ?
黒いブックシェルフスピーカーがあって、遠目にはATCのモニターか何かだろうと思ってたけど。
SUNVALLEYオリジナルらしい。
あれは、かなりいい鳴りっぷりだったと記憶している…。
大橋氏は、湿度感が高い音が好みだと語っていた。吾輩と一緒だ。
それならJBLやTANNOY、ALTECより、北欧のスピーカーに目を向けてはどうかと思うが。
ともあれ、今日はいろんなタイプのアンプを試聴できてよかった。
自分が大事だと思ったのは、ビンテージ球じゃなくても好きな音だと感じる球、アンプを見つけること。
ビンテージ球なんて、そう長くは手に入らない。自分もそう長くはないが(笑)。
逆に究極のビンテージ球をもってこなければ琴線に響かないアンプは、しょせんそこまでなのだ。
また大事なのは、球よりも出力トランスだと思う。あとは全体のマッチング。
WEのビンテージ部品にファインメットコアOPTを組み合わせると、たぶんチグハグな音になるだろう。
P.S.
スピーカーケーブルもAET SINにしてみようと思う。
スピーカーを一台に絞ったので、大盤振る舞いだ。
電源ケーブルは1本だが、スピーカーケーブルは左右あるから二本いる。
さすがに10万超えのケーブルを何本も買えない。それこそ、まともなアンプが買える。
音の出口だけ、奢ってみようと思う。