いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

ここのところ、真空管アンプSV-P1616Dしか聴いていない。
完成した喜びもあるのだけど、音が…バッチリ好みなのだ。

よくできた石のアンプは、音に柔らかさをもっているが、やはり真空管の音とは根本的に異なる。
真空管は、柔らかさ一辺倒ではなく、硬く鳴るべきところは硬く鳴り、とにかく音の艶が素晴らしい。

それとこれはうまく説明できないが、音の浸透力が違う気がする。
無理やり押し出してくる感じではなく、伸びやかに浸透してくる。なので刺さらない。

MILES DAVISを聴いて、はじめて心地いいと思えた。
あの暴力的なトランペットの高音が、信じられないことに心地よく響いて聞こえたのだ。

劣悪録音でおなじみ、CHARLIE PARKERまでが、割とご機嫌に聞けてしまう。
音の粗探しをするのではなく、おおらかに包み込んでいくシステムになっていることがわかる。

トランジスタアンプと真空管アンプの違い。それは決して小さいものではなかった。
躊躇なく、手持ちの(トランジスタアンプ中心の)システムを白紙に戻す決心がついた。

そして数日と経たないうちに、ある野望が芽生えてきた…。
パワーアンプだけにとどまらず、DACからすべて真空管一色にしてみたい(笑)。

そこからの行動は迅速だった…。
稲妻のように真空管DAC、プリを注文した。金欠なのに。

DDCであるct1.0に同軸出力が1口余っていたので、SUNVALLEYのMODEL2(SOFTONEのOEM)が適した。
MODEL2は、なぜかUSB入力がついていないのだ。

JPLAYの音質はかなりのもの、というか手持ちでは最上だと評価しているので、これを生かしたい。
なのでFC5からct1.0へのラインは固定する。FC5からUSB出力以外に拡張性があればまた違っただろう。

プリはSUNVALLEYのSV-310がビビッときたが、同価格帯でTUBE WORKSの同趣向のアンプを見つけた。
しかもそっちのほうが玄人好みの仕様になっている気がした(←ド素人の動物的な勘)。

あとは、P1616DとMODEL2の足回りも真鍮製インシュレーターに変更する予定。
あまりいじりすぎるとHI-FIになりすぎ、真空管のよさがスポイルされるので、適当なところで抑えたい。

トランジスタはトランジスタで緻密な音がするので、これはこれで残したい。
ゆくゆくは、トランジスタ、真空管のアンプをそれぞれ1系統ずつ残したい。

でもでも、どちらが好みかと問われれば、真空管だ。
それであれば、我が家のシステムは、真空管メインで一新したい。終わらない(笑)。

HI-FIを突き詰めるならトランジスタだと思う。完璧な静寂と分離された音がグイグイくる。
けど自分は「癒やし」を求めているので、真空管がいい。

いまの音は、わが歴代のオーディオシステムの中で最高音質ではないと思う。
けど、最好音質であるのは間違いのない事実である。

P.S.
死蔵していたAVANCE DANAを捨て値で処分した。
その前夜、真空管アンプで聴いた音は、最高だった。DANAには真空管アンプが合う。

DANAは低音がこもりやすい。低音を盛っている感がある。
いちいちブオオンと鳴る「じゃじゃ馬」。そこをうまく鳴らさないと、チープで下品な音になる。

EL34PPは、そのへんをとても上品に、うまく鳴らしてくれた。
自分は基本的に盛ってる音が嫌いなので結局SP25を選んだ。

けどDANAは、芳醇な低音の演出により、立体感の表現に長けた良スピーカーであることに間違いはない。
しばらくDANAを聴いてからSP25に切り替えると、音が薄く、物足りなくなったと感じたくらいだ。