いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

俺様が、SRなんぞという入門モデルで満足するはずがなかった。
GOLDMUND SR PRE2 EVOは早々に乗り換えるはずだった。

また、KRELLのパワーアンプに移行するまでの当座しのぎとして、HEGEL H20を導入したつもりだった。
HEGELのさらに上位にはH10とかH30があるけど、まだまだ値頃感がない。

そこにただひとつ、大きな誤算が生じた。
どちらも予想以上に、好みの音だったのだ。不覚にも、満足してしまった。

もちろんアンプだけじゃなく、音を生み出す全ての要素(電源トランスとか)が、どれも欠かせない。
この組み合わせを見つけるまでに、買い替え、試行錯誤の過程で一千万円くらいは使っているはずだ。

いろいろ手を尽くして最終的に完成した音は、Accuphaseみたいな音だった(笑)。
結局、自分はこういう端正で無難な音が好きだったということなんだろう。

ピラミッドバランスは譲れないが、緊張感を強いられるような「いい音」は苦手。
BGMとして聞き流せないとダメな人なので。アツすぎる音はダメなのである。

ポータブルオーディオも、そのプロセスのひとつだった。
このプロセスを省いてピュアオーディオに取り組んでいたら、さらに散財していただろう。

NASのストレージには、これまでの楽曲をためこみ、ポータブルから聴かない曲はガンガン削除。
これは容量うんぬんよりも、気分がスッキリする。どうせ持ち歩いても、聴かない曲は聴かない。

オーディオを継続していて遭遇する問題は、飽きることだ。
飽きたとき、ハイエンドオーディオをガンガン買い替えていたら、収入がとても追いつかない。

新しい楽曲ソフトやオーディオアクセサリーで目先を変え、お茶を濁したいと思う(笑)。
ポータブルはコンパクトなDAPと、素直な音がするダイナミックイヤホンがあれば十分。

何にせよ、ピュアオーディオの充実感は、ポータブルの頃の比ではない。
この音には、心が満たされるものがある。

P.S.
前に出てくる音というのは、すべての音が聴きとりやすいのだけれど、そこに演奏現場は再現されない。
それはオーディオの音であり、CDの音である。

退いた音、前に出てこない音というのは、その機種にもよるけど、そこにステージが現前する。
目を閉じれば、そこに演奏者が降臨する。それは立体感であり、定位ということなのかもしれない。

自分はどちらの音も好きだけど、前者は人工美的な音楽再生だ。
やはり最終的には、後者の音を追求することになるだろうと思う。

ポータブルでは、前者の音がもてはやされる気がする。
そもそもポータブルで、ステージとかスケール感とかを持ち出しても、たかがしれているからだ。

P.S.2
DUKE ELLINGTONのTHE GREAT PARIS CONCERT。

これはMM SR PRE2 EVOで聴くと、録音の古さが暴かれ、レンジの狭さが際立つ。
トランペットのキチガイみたいな高音が強調され、要は全くよくない。

KSLで聴くと、まあ聴ける音になる。
エッヂよりも主だった部分(中域)を抽出して聴かせる。

神は細部に宿るというけれど、細部を強調すればいいかというとそうではない。
「音ではなく、音楽を聞かせる」という思想が、哲学が、そのアンプにあるのかどうか。

そういう意味で、どのアンプも一長一短。
それらをすべて満たすアンプがあれば、それは一生モノということになろう。

MM SR PRE2には、もう少し深みと落ち着き、ゆったりした余裕が欲しい。
H20には、深い沈み込みと立体感、定位感が欲しい。

P.S.3
寺島靖国氏の著書を読んでいたら、ツイーターをスピーカーの上に置いていると、スピーカーの振動がツイーターに伝わり打ち消し合ってうんぬん、という記述があった。

自分もスーパーツイーターをスピーカーの上に置いていたのでなるほどと思い、スーパーツイーターを移動させた。

置く場所がないので、木製作業デスクの上に。
スーパーツイーターが手前に来た。

音は変わったような変わらないような…。
音の出所が増えたので、音の広がりがワイドになったような気もする。

音の余韻が豊かになり、消え入りが綺麗になったような気もする。
やはり振動を制する者は、音を制するのだなと思った。

しばらく聴いていたら、コテコテの美音系になっていた(苦笑)。
スーパーツイーターの効果が前面に出ているのだろう。うーむ。濃すぎる…。

P.S.4
しばらく聞き流していたところ、これはCD再生の密度に近いものを感じた。
スーパーツイーターの位置は重要と認識した。

スーパーツイーターは上部に設置しないといけないかと思ったが、そうでもなかった。
自分は刺さる高音が苦手なのだが、スーパーツイーターを目下(机上)に置くことにより解決した。