いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

今日は、練馬区の石神井公園ふるさと文化館で、五味康祐レコードコンサートに参加。
五味康祐という芥川賞作家は大の音キチで、遺族がそのオーディオ機器を練馬区に無償譲渡したらしい。

で、今日はTANNOYのGRF オートグラフをたっぷりと聴いてきた。
プリアンプは、マッキントッシュのC-22。パワーアンプは、同MC-275。

参加者はご年配の方がほとんどで、自分は最後列で遠慮がちに座っていた。

ヨドバシでオートグラフ・ミニを試聴した経験から、笑っちゃうほど大味な音だろうと予想した。
けど、そんなことは全くなかった。

意外だったのは、低音が地鳴りのように、津波のように押し寄せると期待したのに、それがなかった。
これには失望した(笑)。

大味な鳴りではなかった。中高音は美しく伸びていた。制動はバッチリ、優等生な音だ。
年代物相応にノイズフロアは高かったが、アナログレコードも悪くはないなと思わされた。

けど、CDの音に対する優位性のようなものは感じられなかった。
正直、ここまでコストをかけてもこの程度か、と失望感を強くした。

スピーカーがでかくなると、制動が大変になる。場所だけでなく、パワー、電力がいる。
しかもそんな大音量で鳴らせる環境は、そうそうない。

感動も倍増するなら巨大スピーカーもアリだと思うけど、単にやかましいだけだった(笑)。
スペース、コスト面を上回るメリットが感じられなかった。

英国のスピーカーをマッキンのアンプで鳴らす意図もわからない。
QUAD II モノラルパワーもあったので、そちらのほうがよかったのではないか。

あと、マランツの真空管アンプがあった。#8だったかな。
いずれにせよ、五味氏の目指す音の方向性が見出せなかった。

とはいえ、そもそも音を鳴らしていた部屋が五味氏の聴いていた部屋の環境とは異なる。
それで五味氏の趣向についてうんぬんするというのは、筋違いというものであろう。

五味氏は巨大なオートグラフを、日本家屋の和室に合うよう苦心惨憺されて調整したと思う。
それをそのままホールで鳴らすという行為は、元オーナーからすれば落胆するに違いない。

少なくとも、自分用のスピーカーは、ブックシェルフで十分だと思った。
TANNOYのスピーカーは、劇場とかで聴けばいい。そういう音だ。

まあ自分は、音楽そのものよりも、オーディオ的快感を得たいだけなのかもしれない。
寿命が尽きるまでに、こういう音楽に聞き惚れる境地に達するとは思えない(笑)。

暖房のせいもあり、ご年配の聴衆が次々と睡魔に落ちていった(笑)。
今日はR・シュトラウスだったせいもあり、こんなのを聴いて何が楽しいのかと思った。

五味康祐レコードコンサートは事前申込制で、参加は抽選になる。
自分は一度聴けばいい感じだった。

五味氏は柳生剣豪小説で有名らしく、「柳生ものの系譜」という催しもやっていた。
資料もよくまとまっており、レコードコンサートより楽しかった。

柳生の剣豪小説を一覧表にまとめてくれており、重宝する。
何冊か読んでみたい。また柳生に行きたい。

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