いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

吉田苑さんから試聴機が届いたので、さっそく聴いてみた。

nmode X-PM100
SOULNOTEと双璧をなす、nmodeのアンプを初めて聴いた。
ボリュームRK501の直下に、パワーアンプモードで接続。

まず、スピーカー端子はLモードで。
電源ケーブルは、吉田苑自慢の雷神(笑)。

デジアンらしさが皆無、との評判だったが、全体にソフトな耳ざわりだった。
ヘッドホンでいうと、ダイナミックドライバでなく、平面駆動型のような。

まあ、要はデジタルアンプぽいと感じた。特に低音が。
異常なまでの清潔感あるクリーンな音。

けど、自分がnmodeに持っていた、杓子定規、ドライ、無味乾燥なイメージの音では全くなかった。
音に潤いがあり、生真面目な日本のアンプというより、ヨーロッパのアンプみたいだ。

エルサウンドのEPM-30invみたいな物足りなさは感じない。
自分の色がないということはない。十分に聴かせるアンプだ。

評判通り、S/Nは高く、スピードは速い。流麗な音がする。
誇張なく鮮度の高い音が耳に入ってくるが、消え入りが早いので嫌味がない。

低音がどうなるのか気になっていたが、全く問題ない。
冒頭のソフトな耳ざわりの範囲内ではあるが、力感もあり、ボワつきもない。

鬼気迫る原音再生とか、一音一音を聴き分けるためのモニターアンプではない。
十分音楽に浸れる、素晴らしいアンプと思う。陰影をうまく表現できるが、全体が暗い音ではない。

FT-sa4.0×2(BTL)と聞き比べてみた。
sa4.0のほうが、遠慮なくガツンとくる。ちょっぴりアメリカンな感じ(笑)。

sa4.0は聴き慣れているし、エージングの時間も異なるので公平な比較はできないが。
S/N比はX-PM100のほうが高いであろう。退きの速さ、完璧な静寂がPM100にはある。

sa4.0も芯の部分に、冷静で冷たいデジアンぽい音が含まれている。
けど、文句を言うほどではない。

KAV-400Xiと聞き比べてみた。
電源ケーブルがAET SINなので、これまたフェアーな比較はできないが。

S/N比では、やはりX-PM100のほうが高いであろう。
退きの速さ、完璧な静寂は、PM100にしかない。

けど、KAV-400Xiの音はなにか落ち着く。「これだよ、これ」というアナログの音。
それはトータルバランスとしての、音楽の訴求力なのだと思う。慣れもある。

非常に抽象的な物言いになったが、個々の音ではPM-100はずば抜けている。
鮮度も高くクッキリ入ってくる。けど全体として調和しているかは、また別問題だ。

スペック重視を突き詰めても、音楽性はアップしない。
nmodeも以前よりは改善してるのだと思うが、やはりその点で老舗は強みがある。

三者三様それぞれに個性があるが、現代アンプに要求される要素はどれもクリアしているだろう。
解像度、S/N、見通し、抜けのよい音、タイトな低音。

どれもジャンルを問わず器用に鳴らすアンプたちだ。
そういう意味ではちょっとの違い。けど、そのちょっとの違いが印象に与える影響は大きい。

ボーカルの訴求力(演出力)としては、KAV-400Xi > sa4.0×2 > X-PM100だと思うが、
人によっては、KAV-400Xiだと濃すぎたり、暑苦しくクドい音と感じるかもしれず。

ちなみに自分は、全くそのような印象は受けない。むしろ落ち着いた音と感じる。
KAV-400Xiの音が、自分の好みに最適化された音である。

低音の質について、自分好みの順番も、ちょうど上記の順。
ハイスピードだと低音がやや軽く聞こえるのは仕方ない。

X-PM100でも決して淡白な音ではなく、聞かせどころはぐいっと来る。
バーンと入ってきて、退きは速い。強力な駆動力の恩恵。見通しは抜群。

かたい音のスピーカーには抜群に合うだろうし、緩い音のスピーカーだと相補的に働くと思う。
まあ相対的には一番デジアンぽいんだけど、これだけ柔らかい音が出ていれば十分。

ハイスピードで分離がいいので、混濁したソースには強いだろう。
見通しがよすぎてデジアン臭さを感じるかもしれない。

江戸っ子、男前。そんな言葉をイメージさせる。
株式会社リリックの本社は、福岡だけど(笑)。

P.S.
スピーカー端子をHモードにしてみた。
盛大なホワイトノイズが確認された。ここは残念。

先ほどの耳ざわりがソフトな印象はなくなり、グイグイ来るようになった。
sa4.0×2にも劣らない。しかもこれが驚異的なS/Nのままで来るのだからたまらない(笑)。

スピーカー端子のモードにより、別物のアンプといえるくらい音が変わる。
これは、一粒で二度おいしいアンプだ。ソースによって使い分け可能。

Hモードであれば、デジタルアンプらしさが皆無と言っても異論はない。
ボーカルの訴求力も大幅にアップして、KAV-400Xiに匹敵する。

ホワイトノイズさえなければ、これは最強のアンプであろう。
Hモードであれば、sa4.0×2と入れ替えても困らないくらい好みの音だ。

ただ生粋の日本人である吾輩にとって、このホワイトノイズはどうしても看過できない(笑)。
けど、レベルはかなり高い。ホワイトノイズの問題が解消されたら、ぜひ購入を検討したい。

もっとも、自分はRK501の直下につなぐという特殊な使い方をしているので。
プリメインとして使う分には、ホワイトノイズはもっと小さいかもしれない。まあ要試聴ということで。

いろいろ聞き比べれば聞き比べるほど、kAV-400Xiの秀逸さに気づいてしまう。
やはりこれが、現状ではマイベストアンプだ。

P.S.
SUZANNEが修理されて戻ってきた。
向こうに届くまでが大変だったが。

Thanks Peter !

P.S.2
しばらく通電していたところ、X-PM100はLモードでもどんどん調子を上げてきた。
どんどんよくなってくる。低音に力感が出てきた。音のバランスが調和してきた。

先ほどのHモードの感想が、そのままLモードにもあてはまるようになってきた。

KAV-400Xiとsa4.0×2は、NSIT200Qに電源ケーブル直挿しだったり、ケーブルも交換している。
一方のPM100は電源タップを介していた。X-PM100にとっては、いわばアウェイの環境だ。

その条件で、ウチのエースと互角以上の戦いをし、さらに調子を上げている。
こいつは化け物かもしれん。

P.S.3
PM100の音がソフトなのは、寝覚めが悪かっただけだった…(--;
電源を入れた直後は音がやや痩せている。

デジタルアンプなのに?(笑)

濁り極小のクリーンな音ならX-PM100。贅肉なし。
コスパならFT-sa4.0×2。FT化の手間、コストがかかる。
トータルバランスならKAV-400Xi。グラマラス。

sa4.0とKAV-400Xiは中古を想定しており、X-PM100は新品でも十分コスパは高い。
このアンプが日本製であるということが、何よりも喜ばしい。

けど、やっぱり自分は、KAV-400Xiが好き。
PM100は完璧な静寂から音が立ち上がる化け物だけど、音楽性では一歩譲る。

まあ、この三者であればどれを購入しても後悔はないだろう。
使い分け用途であれば、異なる価格帯を探したほうがいいかもしれない。

P.S.4
ふと思い立ち、吉田苑の雷神から、付属?の電源ケーブルに替えてみた。
ケーブル交換に面白いほど敏感に反応する。

高域のレンジが詰まる印象はあるが、こっちのほうがいい(笑)。
病的なまでの清潔感、クリーンな音がようやく自然になった。

イヤホンのリケーブルと同じで、リファレンスは付属ケーブルだ。
解像度は落ちてるかもしれないが、トータルバランスはよくなった。

吉田苑さんからX-PM100の試聴機を借りる人は多いと思うが、付属ケーブルも試したほうがいい。
それにしてもPM100は、寝起きの音がイマイチだな(笑)。