いつもありがとうございます。ヒロ之丞です。

イシノラボ SX-3000BD/CUSTOM
海外のヘッドホンアンプも含め、電源別筐体のバランスアンプはあまりない。
自分が調べた範囲では、GS-XかDARKSTARか、BALANCING ACTくらい。あ、X-HA10があるか。

そもそもそんなコスト度外視のアンプをつくるのは、まともな思考回路じゃできない。
自分は、そういうまともじゃない技術者の情熱をリスペクトする。

そんな中、オークションでこれを見つけ、落札した。真空管アンプらしい。
おまけに、バランス入力に特化してスピーカー出力も追加というカスタムがなされていた。

イシノラボは、元山水の技術者が立ち上げた会社らしい。
山水の物量アンプの音を聴いたことはないが、まあパワー上等系なんだろうと想像していた。

早速出音を聴いてみたが、どこも突出していない、ごく平凡、地味で低解像な音。
けど、自分が求めていた音はこれであった。クセが無い。音場が広い。

解像度が高すぎず、高S/Nによる緊迫感も無い。これぞ昔ながらのアンプのイメージだ。
適度に粗く、適度に緩い。が、大味と感じるほどでは無い。そして何より広い。

昨今のハイレゾ指向、高解像度指向とは設計思想がまるで異なる。
トレンドに全く逆行するような音。素直でぶっきらぼうに増幅してる音がする。

とはいってもPA的というわけではなく、適度に円く感じるのは、真空管のおかげだろうか。
これの音を聴くと、GS-XとMBA-1は随分似た傾向の音であることに気づく。

GS-XとMBA-1はどっちか持ってれば十分な気がする。
利便性で言うと、機能充実のGS-Xに軍配が上がる…けど(笑)。

GS-Xの商品説明(英語)読み返してみたら、DUAL-MONO AMPって書いてある。
デュアルモノラルアンプって、電源が左右独立してるってこと?

TEAC HA-501もそうだったけど、なんか伸びが足りない。詰まりを感じる。
それがデュアルモノラルのせいかなのかどうなのか。

モノラルアンプ×2で鳴らす場合、左右の統合が難しいのかなと思う。
パワーアンプ×2でBTL、っていうのも試してみたいが。

SX-3000は、音の力感がありながらも滑らかで、空気感と立体感が感じられる。
真空管については全く無知なのだが、WE420Aに交換しているのだとか。あまり真空管ぽい音ではない。

スピーカー出力も聴いてみたが、同様の傾向。
もともとニアフィールドに特化した小出力アンプを使っていたくらいなので、パワーはこれで十分。

真空管アンプでスピーカーを鳴らすのは初めてだけど、なかなかいいものだ。
緩さと広さと丁寧さが同居している感じ。とにかく、この音場の広さが素晴らしい。

ちなみに、このアンプはSTAXのヘッドホンも駆動可能らしい。
だがそちらにはあまり期待してない。STAXは専用アンプとセットで、あの音だと思うので。

そしてSTAXの絹のような音に伴う音場の狭さは、自分の好みでは無い。

いまはメタルラックのメタル棚にポン起きなので(笑)、これからもっと締まる方向に改善させる。
セッティングが終わったとき、どんな音がするのか楽しみだ。

P.S.
例によって、徒歩でスーパーバリュー杉並高井戸店へ。
井の頭線、浜田山駅から近いのかと思ったが、井の頭通りからかなり距離があった。

木板を抱えての帰りは、さらにハードだった。
西荻に住んでたときも遠かったけど、いまはもっと遠い。そして道に迷った(笑)。

棒になった足をひきずって帰宅。木板の上にはお約束のサンシャイン、マグネシウム超制震シート。
けど電源ユニットがことのほか大きく、全体がシートに乗り切らない(これは誤算だった)。

さすがに段差があると音が悪くなるので、超制震シートを外した。
これの使用はかなり効果があるので、他のサイズの組み合わせによる対応も検討してみる。

木板に乗せただけでも、音は格段に改善。
粗さが減少し、低音の質が変わった。

小音量でもボワつかずに鳴る。だが箱庭的な、小さくまとまった鳴りでは無い。
SA1..0Rにはない、ワイドでダイナミックな音。

P.S.2
フジヤエービック福袋、今年から抽選制か。
それならちょっと申し込んでみるか。と思ったら終わってた(笑)。

自分のお目当ては、墺A社の福袋…そもそもなかった(笑)。

P.S.3
GS-X(ループアウト) > SX-3000(スルーアウト) > MBA-1
で、ラインセレクターが不要になった件…(--;

前二者は、電源オフでもスルーアウトしてくれる。
MBA-1は電源オフだとスルーアウトしてくれない。あるいは壊れている(笑)。

P.S.4
SX-3000は音が粗く解像度低いけど音場広く、ちゃんと気持ちいい音楽が成立してる。
GS-Xはウォームでありながら分解能高いし、背景も静かで中域が前に出てくるけど、音が微視的であまり解放感がない。緻密な箱庭。

SX-3000はヘッドホンの相性がハッキリしている。GRADOには合う。
HE-1000の精妙な音とは、絶望的に合わなかった。全く緻密な音ではないので。GS-Xにはマッチする。

ヘッドホンアンプとしての基本性能は、GS-Xのほうが圧倒的に高いと思う。そして音が現代的。
だが自分は、SX-3000の音のほうが好きだ。

ファーストインプレションで、結果は大体予想がつく(笑)。
どんなに基本性能が高くても、エージング前の状態でも、一聴して違和感を感じるようなアンプは、やはり最終的には好みに合わない。