タプコル公園逍遥 | ソウルの路地裏のぞいてみれば

タプコル公園逍遥

仁寺洞の南の出発点はタプコル公園だ。


明洞から歩いて10分ほど、付近には鐘路や清渓川(チョンゲチョン)などもあり、散策のついでに僕はよくこのタプコル公園に立ち寄る。


ここはかつて「パゴダ公園」と呼ばれていた。公園内に仏塔(パゴダ)があったからだ。


僕は20年前から韓国と付き合っていたので、僕にとっては「パゴダ公園」の呼び名の方がなじみがある。




ここタプコル公園は、韓国近代史最大の出来事である「三・一運動」が起きた場所だ。


1919年3月1日、日本からの独立を求めるデモ隊がここで独立宣言書を読み上げ、市内へ出発した。


その数は数万人になったと言われる。



公園内には独立宣言書が刻まれた記念碑と、独立運動の様子が刻まれたレリーフが立っている




ソウルの路地裏のぞいてみれば
↑独立宣言記念碑



ソウルの路地裏のぞいてみれば
↑レリーフ群




そんな激動の歴史の舞台になったタプコル公園だが、現在では老人たちの憩いの場となっており、まったりとした空気が漂っている。


とても国を揺るがすような出来事が起きた場所とは思えない。


ただ、都会の喧騒をしばし離れ、この国のたどった複雑な歴史に思いを馳せるには手頃な場所なのである。