妻と大喧嘩をしました。久しぶりに声を荒らげてしまいました。

妻の実家は遠方にあり、毎週時間を合わせてTV電話をしています。彼女の友人ともよくTV電話をしています。


その最中に私が通りががると、カメラをこちらに向けて話をさせようとします。私は無防備で室内着のまま、寝癖がついていたり、顔さえ洗っていない時もあります。ただでさえ、抗がん剤の副作用で顔だけ病的に黒ずんでいます。


そんな強制出演が3度ほど続いた時に、彼女の無神経さを叱りました。

「末期がんの人間にも恥やプライドはあるんだ、がん患者を見世物小屋に置くな」と。

もちろん、彼女にしてみれば、色々な人と普段通りの話をさせたかったのでしょう。


しかし、末期がん患者であっても、プライドはあります。哀れな姿を晒したくはありません。いかに痩せ細ろうとも、身なりを整えて正々堂々とがん患者を名乗りたいのです。がんを理解はして欲しいけれど、同情はして欲しくありません。心配はして欲しいけれど、憐れんでは欲しくありません。


私は、最後のその時まで、正々堂々とがん患者でいたいと思います。