私は電話が嫌いです。
でも今の時代は、殆どのことが
メールやラインで済むので、私の
ような者にとっては有り難いです。


高卒後に就職した初日、職場の
電話が鳴ったのを聞いて「わぁっ」
声を出して驚き、笑われたことが
あります。突然の、けたたましい
大きな音にびっくりしたのです。


職場に慣れるに従い、「わぁっ」
声には出さなくなったものの、
びっくりするのは相変わらずで、
電話の音にビクビクしながら仕事
していました。


特に私の場合は、普通の就職と
違い、事前に何も訓練せずに(研修
など受けずに)就職したため、
日常の挨拶や電話の応対の時の
言葉遣いなどわからず、周りの
人の真似をしながら何とかやって
いました。電話もビクビクしなが
とるものの、話が複雑になると
軽くパニックになっていた気が
します。そのため電話をかける時は話す
ことを書いておき、受ける時は一言一句
殆どすべてをメモしながら聞いていました。


それでも年数を経ていくと、
慣れてきました。でも好きか嫌い
かというと嫌いなままでした。
その後に選んだいくつかの職場は、
電話応対をしなくて済む所に
しました。その一つの接客なども
得意なわけではなかったけれど、
電話をするくらいなら接客して
いる方がはるかにマシでした。


もちろん、個人的な電話も嫌いで
した。好きな歌手のコンサートや
観てみたいお芝居のチケット、
電話が必要だとわかると諦めて
いました。或いは、諦めきれない
場合は当日券を直接窓口で購入
ということもありました。今は
ネットで簡単に購入できるように
なり良かったと思います。


小中高時代、友だちに電話をかけ
る時も必ず(殆どの場合)その家の
親が先に出て
「△△と申しますが、〇〇さんは
いらっしゃいますか」
と言っていたものですが、
今の時代、そういうことは皆無
なのでしょうね。


また、娘の学校でも昨年から、
遅刻欠席連絡用のアプリが導入
され、時間は決まっていますが、
欠席などの時はそこにメールす
れば連絡終了となり、電話しなく
ても済むようになりました。
放課後、確認の電話がかかってきたりも
するのですが。
2000年頃、メールが盛んになって
きた頃に、職場の人と「欠勤の時
の連絡もメールで済めばいいのに
ー」なんて話したことがあった
ですが、20数年を経て現実に
なりました。


ただ思うのは、私自身は電話が
嫌いだけど電話のかけ方受け方は
身を以て習得しました。嫌いでも
やむを得ない場合は使うことが
できます。病院の予約や予約変更とか。


でも、私が今の時代の若者だった
ら、わざわざ習得しようとせず、
電話のかけ方を知らないことを
不安に思うばかりで、ますます
遠ざけていたかもしれません。
何年か前に見たテレビで、小学生に
公衆電話を使わせてみたところ、
使える子が一人もいなかったことが
衝撃でした。でも普段使うことがない
ので当然といえば当然ですね。


いずれにしても、嫌いなものを
好きになるのは無理です。
きっと、この先も電話嫌いなまま
なのでしょう。