安産の神様として、全国に鎮座する「豊玉姫（とよたまひめ）」
私の暮らす鹿児島県にも
山幸彦の妻であった、豊玉姫の名を冠した「豊玉姫神社」が２か所ある
一つは、
指宿市岩本にある「豊玉媛神社」。
私が、
いつも行くのは、もう1か所の南九州市知覧町の「豊玉姫神社」だ
この神社は、
安産の他、海上安全・縁結び・育児の御利益で知られている。
また、
全国でも珍しい「水車からくり人形」が、奉納されることで有名だ
神社に着くと
駐車場の目の前に、「水車からくり人形のやかた」がある。
「水車からくり人形」とは、
南薩摩の数か所に伝わる伝統芸能で、水車を動力として人形を動かすものだ
毎年７月、
神社の「六月灯」と「知覧ねぷた祭り」の時に、上演される
今年の演目は、「かぐや姫」だ
この神社の
「水車からくり人形」は、江戸時代から続いている。
戦時中一時、
途絶えたが、1979年（昭和54年）に復活された。
その後、
1984年（昭和59年）に、国の無形民俗文化財に選定された
『参拝して帰ろう』
私は拝殿に、真っすぐ歩いた
『なぜか、視界の片隅に違和感がある』
『あれっ』
『鳥居が拝殿の正面でなく、斜めに建っている』
とりあえず、
鳥居を通り、拝殿へ向かった。
（御手水）
この神社の御祭神は、
- 豊玉姫命（トヨタマヒメノミコト）【主祭神】
- 彦火々出見命（ヒコホホデミノミコト）
豊玉姫の夫で、「山幸彦」のこと。
- 豊玉彦命（トヨタマヒコノミコト）
豊玉姫の父で、海神・綿津見神（ワダツミノカミ）のこと
- 玉依姫命（タマヨリヒメノミコト）
豊玉姫の妹。
知覧に「豊玉姫神社」が、
創建されたのには、面白いエピソードがある
海神・綿津見神（ワダツミノカミ）には、長女・豊玉姫（トヨタマヒメ）と次女・玉依姫（タマヨリヒメ）の２柱の娘がいる。
豊玉姫は、川辺（現 南九州市川辺町）を玉依姫は、知覧（現 南九州市知覧町）を治めることになった。
そこで、
衣の郡（現 指宿市開聞から南九州市頴娃町の辺り）を２人で出発した。
その途中、
川辺と知覧に分かれる時、２人は行く道を取り違え間違った場所に泊まった
ここで、
玉依姫は、川辺が豊かな水田地帯あることを知り、玄米のままの朝食をとり、急いで川辺へ出発した
いつものように、
白米を炊いて、朝食をとった豊玉姫は出遅れた
豊玉姫も川辺に向かったが、すでに玉依姫が到着していた
やむなく、
豊玉姫は、玉依姫が治めるはずだった知覧に居を構えた
豊玉姫が崩御した後、
地域の人々が、ご遺徳を慕って社殿を建立した。
豊玉姫が、玉依姫に譲った
川辺は、今も水田地帯で畜産の盛んな町だ
また、
水も豊富で、1996年（平成８年）国土庁から「水の郷百選」に認定されている
（川辺町清水にある水汲み場）
一方、
知覧にも水田はあるが、南部に行くと完全な畑作地帯だ。
メインの作物は、「緑茶」と「さつま芋」
「知覧茶」は、
静岡や京都にくらべ知名度は低いが、生産量は全国の緑茶の約17％を占める
知覧は、
緑茶の生産地として日本一だ
（知覧の茶畑）
道路を挟んだ、
畑の先には、開聞岳が見えている
豊玉姫にとって、
さつま芋を “おやつ” に「知覧茶」を飲みながら過ごすことが、日々の楽しみになっていたのかもしれない
最後まで、お読みいただき
ありがとうございます🙇🏻♀️
それでは、また